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日記:最近みた映画

最近見た映画を列挙する。ネタと時間がないからである。

2月10日

  • 映画「ゼイリブ」(1988)をみた。ファミコンゲームみたいなアクションとレトロフューチャー。例えば盲目の説教者に真実がみえているといった二項対立をふんだんに詰め込んだ作品。それにしても、むしろルックスがおかしいというだけで急に奮起して銃をぶっ放す主人公はなんとも気が荒い。

  • 映画「プレデター」(1987)をみた。密林を行くシュワちゃん探検隊は任務のため敵基地を痕跡を残さず派手に爆破したはいいものの、何の脈絡もなく襲ってくる謎の敵に翻弄され仲間も惨殺。しかしスキンケアと丸太で何とかできた! カンボジアを思い出すぜ! という話。

2月11日

  • 映画「サイコ」(1960)をみた。飽きさせない展開とところどころに意味深げにカットインするシンボルが印象的な作品。映画「アメリカン・サイコ」だと、鳥や洋館がポップでスノッブなシンボルに交換されている。また、ホラーものの典型としてゲーム「クロックタワー」にも影響しているだろう。

  • 映画「イントレランス」(1916)をみた。モノクロサイレント映画。巨大なセットを使い、時空を超えた4つの物語を往来するというオムニバス形式で、非常に複雑。まるでオペラを無理矢理映画にしたかのような印象もある。題名の意味は不寛容だが、むしろ制裁とか不和、争いが普遍的だとを示唆する内容。

  • 映画「街の灯」(1931)をみた。チャップリンの有名な映画だ。普通に笑えた。とにかく情緒が安定しない金持ち。そして有名な「YOU?」も確認することができた。

2月12日

  • 映画「カサブランカ」(1943)をみた。古典中の古典でオールタイムベストから外れることはあり得ない。戦時下のロマンス映画。「君の瞳に乾杯!」「(昨日なんて)そんな昔のことは忘れた。(明日なんて)そんな先のことはわからない」などのミームはここから生まれた。役者もキャクラタも構成も最高。

  • 映画「タイタニック」(1997)をみた。沈没シーン・パニックシーンが印象的。ロマンス部分はデカプリオ扮する若きジャック・ドーシー(後にTwitterを創業)が身分違いの恋に活躍する。

  • 映画「ピアノ・レッスン」(1993)をみた。失語症になったシングルマザーが再婚するも、彼女は手話とピアノでしか自己表現することができない。これもロマンスを中心とした映画だが、女性の情緒の動きを敢えて言葉で表さないところに妙味ありか。


2月14日

  • 映画「ワイルド・バンチ」(1969、DC版)をみた。西部開拓が終わっても馬に乗って活動を続ける中年強盗団の話。米国とメキシコの時代劇。賞金首、爆薬、馬車、金貨、街、岩場、鉄道、蒸気機関車、カウボーイハット、リボルバー、西部劇のほとんどの要素が詰まっているが決闘はない。命は安く義理は重い。

  • 映画「七人の侍」(1954)をみた。苛烈な殺陣(たて)。意外とユーモアあふれる描写。そして一人一人は朴訥(ぼくとつ)だが、とにもかくにもたくましい百姓たちの生き方が印象的である。多勢に無勢の戦いであったが、侍たちは巧みに村を要塞化し、ランチェスター戦略で敵戦力を少しずつ削る。

  • 映画「俺たちに明日はない」(1967)をみた。マジで明日というか今日すら無いという筋書き。大恐慌時代のテキサス民には警官を呼ぶ暇も無い。自動車は秒で盗まれる。


2月15日

  • 映画「雨に唄えば」(1952)をみた。ミュージカルだが、とにかく役者の運動性能が高く、勢いがある。ボードビルでダンスができる芸人を使っている。内容はメタフィクションでトーキー映画が開発され始めた頃のドタバタを扱ったもの。

  • 映画「バンビ」(1962)をみた。冒頭の立体感を出した撮影技術、とにかく多動性のある動物の描写、水面の表現とどれをとっても一流の出来栄えという他ない。手塚治虫が何度もみたのは当然だろう。

  • 映画「クレイマー、クレイマー」(1979)をみた。タイトルがわかりにくいが原題はKramer vs. Kramer で子供を巡って親権裁判をする夫婦をテーマとしたもの。妻に逃げられた夫は子供と二人暮らしをすることを通じて仕事に失敗するが、成長する。

  • 映画「サムライ」(1967)をみた。ゴルゴ13のような殺し屋(アラン・ドロン)が自分を擁護する女と出会って……という話。終始上品で冷たい雰囲気が続く。

2月17日

  • 映画「バッド・チューニング」(1993)をみた。1976年、建国200周年を前にした夏休みが始まり、ティーンズが羽目を外しまくる。セックス、ドラッグ、軽犯罪。エアロスミスが現役で、マッチは靴のカカトでこすって着火できる。当時の陽キャ層の様子をよく描写しているのだろうが、あまり共感はしない。

  • 映画「風と共に去りぬ」(1939)。「おもしれー女」が活躍するなろう小説もの。

2月18日

  • 映画「ドゥ・ザ・ライト・シング」(1989)。黒人の町ブルックリンの1970年代。

  • 映画「ナッシュヴィル」(1975)。音楽の町ナッシュビルの1970年代。実在アーティスト24名出演。多過ぎる。

  • 映画「ブギーナイツ」(1997)。舞台はポルノ産業盛えるサンフェルナンドバレー。誇りをもってポルノ映画をつくる監督が若きポルノスターを発掘し大ヒット。だがスランプや不仲、こだわりが軋轢を生みまた関係者逮捕などトラブルが続く。しかし最終的には関係者がそれぞれに立ち直りの道を模索。若者が男一本(意味深)で身を立てる。

2月20日

  • 映画「素晴らしき哉、人生!」(1946)。ピンチに絶望して入水自殺を考える利他的な主人公の半生をなぞる話。主人公は町で小口の住宅ローンを提供しているが、まるで「将太の寿司」のようなイジメを受けるなど不運が続く。一言で言うと逆クリスマスキャロル。

  • 映画「奇跡の海」(1996)。メンタルがヤバい女性の信仰vsカルヴァン主義の因習村。トリアーが監督なら納得。

  • 映画「ザ・コンサルタント」(2016)。会計士が活躍する映画がみたいと思ってみたら、自閉症をテーマにしたアクション映画だった。

2月22日

  • 映画「イブの総て」(1950)。演劇界でしたたかに成功する女性の物語だが、女性の社会進出もテーマとなっている。

  • 映画「ダークナイト」(2008)。テンポがいい。自分の力を信じ、陰謀が好きな点はバットマンもマフィアも警察は共通。検事ハービーは正義感がある一方、運頼みなのか、反対に何にでも意図を見出すのかスイングする。そしてジョーカーは現象主義者でありアンチ陰謀論者であり、なぜかタフガイだ。

  • 映画「ローズマリーの赤ちゃん」(1968)をみた。モノクロ。旦那が妻を売り渡すという人身売買もの、悪魔モノの古典なのだろうか。妊娠というテーマにはいろんなアイデアが接続される。また、専業主婦という立場は依存せざるを得ず、いざというときの逃げ場が少ない(ホールドアップ)。

  • 映画「ウォール街」(1987)。日本の全盛期で米国がNo.1を失った時代のインサイダー取引の話。したがって、東アジアのアイコン(孫子や寿司など)もわりかし出てくる。ウォール街モノの典型(もっと旧くは「大逆転」などがある)だが、それでもお行儀が良い部類。マイケル・ダグラス演じるゴードン・ゲッコーの"Greed is Good."が有名。

(2,979字、2024.02.23)

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