世界信者の少女の執着【創作】
「私は、悪い子なのだろうか?」
少女は世界に訪ねども、誰も返事はしなかった。
「私は、ふつうの人になりたい。」
1人、誰もいない空間の中で
少女はひたすらに呟いた。
「どうして普通が分からない。
みんな、できているはずなのに。」
だんだん、落ち着かなくなっていく心を
少女は静かに抱えているしかなく。
「助けて、助けて。」
また、呟いた。
「助けて、助けて、助けて。」
少女は、助けを求めるように、
過去の自分からの手紙を開いた。
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落ち着けなくなった私へ
これを見ているあなたはしんどいでしょう、苦しいでしょう。理解しえない気持ちかもしれません。ただ、忘れないでいてほしいことがあります。
周りに大して危害を加えないでください。好意を無下にされたり辛いこともあるかもしれません。それでもみんなには幸せになって欲しい。関わらないことが幸せになるというなら、関わらない。ただ、私はみんなに幸せになって欲しいんです。
そして周りから助けてもらったことは忘れない。メンヘラで過去からも抜け出せない。戻れない私にまともに生きることを考えさせてくれて、選ばせてくれた。それを忘れることはない、みんなが何よりも嫌であろう昔の私には戻らない。それはみんなが望んでくれたことだから。何より嘘だとしても、私を助けてくれたことに変わりはない。だから、必要な時でもいつでも何を言ってくれてもいいから。私には何もかも忘れることははできない。幸せだったし楽しかったしそれは今も消えない思い出で、助けてくれたことには何よりも感謝してるから。
だから、みんなが幸せになってくれるという条件じゃないと認めない。私は、この世界を手放すことができない。
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少女は、安心したかのように
世界に戻り始めた。
「みんなを守って、普通になろう。」
その考えは、自我を優しく包み込んで、
苦しみから逃れるよう、レッテルを与えた。
きっと幸せなのだろうか?
なぜ、これだけで落ち着くのだろうか?
それは、誰にも分からない。
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