過剰に丁寧な接客と、名前を考えることが苦手

はじめまして、インターネットではおソースと名乗っています。
特撮や映画などが好きです。都内在住です。最近はライターや編集者のお仕事をちょこちょことやらせていただいております。

一時的なものとして情報が流れていきがちなTwitterに投稿するよりも、文章として残るかたちにしたいけれど、かっちりとブログの記事にするほどではない......というようなことを書く場所が欲しいと思い、noteに登録しました。

さっそく一記事目から好きなものではなく苦手なものの話で恐縮なのですが、タイトルの通り私は過剰に丁寧な接客が苦手です。
そして、得意なものではなく不得意なものの話なのですが、私は「名前を考える」ということが昔からずっと得意ではありません。

前者について、「過剰」というのはこちら側の主観であり、そもそもサービスを受け取る側が、それが行き届いていないならまだしも、自分の思うレベルを上回るサービスをして”いただいた”ことに対し何かしら苦言を呈するというのは傲慢であり、恩を仇で返すということであり、善意を踏みにじるということであると十分承知した上で書かせてください。私は人の善意を素直に受け止めることができないカスでいいです。後者に関してはのちほど。

私は某ファストフード店が好きで、というか某店に限らず安くておいしいものが食べられるお店は全部好きです。
某店に関しては、職場に近いということもあり、一時期毎日のように昼休憩をその店舗で過ごしていました。
某店はとにかくメニューがバラエティに富んでいますが、サイドメニューの中ではナゲットが一番好きです。あれ、ソースが二種類から選べるんですよね。更に、たまにチーズとかなんか期間限定のやつもありますよね。私は大体いつもバーベキューをお願いしています。
その日もしっかりとスマホにDLした割引クーポンアプリを提示し、ナゲットを頼みました。
そこまではよかったんですけど、その日レジを担当してくれた店員さんが、とてもにこやかに、丁寧な態度で

「おソースはどちらになさいますか?」

と聞いてきたんですよね。

「おソース……? まぁナゲットが食えればそれでいいや」
と若干引っかかりつつも、その日は特にそれ以上考えることはしませんでした。

ただその店舗のその店員さんは、その翌日も毎度私がナゲットを頼むたびに

「おソースはどちらになさいますか?」

と聞いてきました。

最初は気にならなかったけど、なんかやっぱりおかしくないか?
というか、「ソース」ごときに「お」をわざわざつける??????
そしてこの居心地の悪さみたいなものはなんだ。と、違和感はどんどん膨らんでしまい……。

ただ、「そもそも外来語に丁寧語表現で『お』をつけるのは日本語の使い方として正しいのか」「おソースに違和感を覚えるのなら、なぜおばあちゃんが生前よく言っていた『おビール』は気にならなかったのか」
みたいなことを言い出すとキリがないし、実際調べてみたら諸説あるようだし、私もこの件に日本語警察として切り込んで、「正しい日本語表現」について真剣に議論をしたいわけではなく。自分もそこまで正しく日本語を扱えているのかと言われると、そこまで自信はないので……。

ちなみに先日、まぁ普段ファストフードとかコンビニしか行っていないような自分からしたら、そこそこなお値段のする、ホテルのスイーツブュッフェに行ったことがあって。その日はちょうど結婚式なんかもやっていて、華やかな雰囲気もあり、スタッフさん達もピシッとしていて、いかにも質の高いサービスが提供されるんだなぁという空間でした。
そこで私たちがスイーツを楽しみつつ写真を撮っていたりしたら、スタッフさんのほうから「お写真お撮りいたしましょうか?」とお声がけいただいて。
それで撮ってもらって、最後に「ありがとうございます」と伝えたら

「とんでもないことでございます」

と微笑みながら返されたということがあり。

そのときは「おソース」のときのような違和感は全くなく、ただただ感じの良い、おそらく接客マナーなどもきちんと学ばれている方なのかなぁという印象でした。

やっぱり自分の中では無意識的にも、お値段の張るような、いわゆる本格的な場による、丁寧なサービス、丁寧な言葉遣いは説得力があるのでそのままスンと受け入れられるし「過剰」だとも思わないけど
そうでない、質より値段、速さ!みたいな感じの場だと、ミスマッチな感じがして、丁寧「すぎる」「過剰」だと感じて、うっとなってしまうのかもしれない。
多分ファストフード店とかで商品を受け取るときに、ありがとうございますって言って「とんでもないことでございます」って返されたら、あまり耳慣れない言葉ということを差し引いても「え!?」ってなりませんかね……。

そして、これは私が学生時代にバイトしていた某ファミレスチェーンのお話なんですけど
ある日、同じ店舗の先輩が、シフトが終わったので私服に着替えて、あとはもう帰るだけっていう状態で、わざわざ常連さんの席まで歩いていったということがあって。
何やってるんだこの人……? と思って見ていたら、その先輩は私服姿の状態で常連さんに
「いつもありがとうございます」
と、店員目線での挨拶をしていました。
そのお客さんがどう感じたかはわからないけど、私自身は、いやこの人なんか勘違いしてないか? タイムカードを切って、私服に着替えた時点でもうこの場においては店員ではないからボーダーラインを越えているのでは、と思った記憶があります。見た感じ、その常連さんとプライベートで付き合いがあるようにも見えなかったし……。
まぁ、先輩の行為に関しては私が勝手に「うわっ」となっただけで、その常連さん自身は挨拶されて嬉しかったかもしれないし、もしそうだったら別にいいんですけどね。

……ということを思い出しつつ、もしかしたら、自分の過剰な接客アレルギー的な部分はそこから来ているのかもしれないと思いました。
別の日に、別の常連さんが入店されたとき、店の制服を着た状態で店長が同じ言葉をかけたのを見たときは特になんとも思わなかったので、「私服に着替えたうえで」「わざわざ席まで行って」挨拶したというのが自分的には違和感があったんだなぁ。

そして色々考えた結果、
「自分は、その店の値段に釣り合わない接客は、たとえポジティブなものだったとしても苦手なんだ」
という結論に落ち着きました。

なんというか、パーソナルスペースを侵略されている感じがあるんですよね。
自分はそういったファストフードやファミレス、コンビニや100円ショップなどを使うときなどは、丁寧なサービスを求めて入店しているわけではないし。
とにかく安く、時間もかからず、人との関わりは最小限で目当てのものが手に入ればそれでいいと、それ以上のことは思っていない、求めていないわけなので。

日本のコンビニはサービス精神がありすぎる、テキトーな接客の海外を見習えみたいな話題もネットで見たことはありますが、その発言をしている人たちももしかしたら私と同じような感覚なのかも?

ただ、そうは言っても、ひどければひどいほどいいというわけでももちろんないし、「接客が店の値段に釣り合っているか否か」なんて完全にこちら側の主観で、人によって感じ方におそらくかなりの幅はあることなので、これを解決したい、問題提起したいとかでは全然ないんですけどね。

というか、「飲食チェーン」という概念がそもそも不思議なところがあるなと思っていて。
多分なんですけど、バイトの先輩の「いつもありがとうございます」は、そこがファミレスではなく個人経営の飲み屋とかだったら、たとえ退勤を切って私服姿だったとしても、自分にはそこまでおかしなものには見えなかったかもしれない。

高校生や大学生でもバイトできるような、大衆的なチェーン店って「そこまで丁寧なサービスは求めていない」「店員は店員、客は客、そのボーダーラインを超えることはない」という受け手側の風潮がいつの間にかできているなぁ、と感じるのですが、そう思っているのは私だけなのでしょうか。

例えば昭和の駄菓子屋だったり、商店街の肉屋さんとか魚屋さんのような
かつての個人商店。
私はその時代を生きていないので本当のことはわからないけど、
手に入りやすい価格で、いわゆる一般庶民が使うという点ではこれまで挙げてきたようなお店そう変わらない立ち位置であったと思います。
でも、多分そういうお店は客とのコミュニケーション、私が「過剰な接客」と勝手に思っているようなサービスもおそらくあっただろうし、完全に憶測ですけど、多分その時代のその場において、前述のようなサービスはそこまでミスマッチではなかったかもしれない。
というか、個人でやっているお店だからこそ、顧客とのコミュニケーションをしっかりとやっておかないと商売に直接響きかねないですよね。

かつての商店街、個人商店は「その地域のそのお店」であることがアイデンティティであり、そこでの、まぁおそらくそもそも存在しないであろうマニュアルから外れたサービス、丁寧な接客というのは、たんに「優しさ、暖かさ」であり、それ以上でも以下でもなかったんじゃないかなぁと。

で、もしかすると私がウッとなってしまった「おソース」の店員さんは、そういった時代の経験が多少なりともある方だったのかもしれないですね。
よく思い返してみると、おソースの人に限らず、安いチェーン店で自分が過剰だと感じる接客をしてきていたのは、年配の方ばかりでした。

「その地域のそのお店」であることがアイデンティティではなく、どこの店舗でもメニューや味、価格帯や店の空気感がほぼ変わらず、半ば機械的なサービスのみを提供する飲食チェーンという比較的新しい形態の本質は、かつてのサービス業とは真逆のところにあり、実はまだ完全には世の中に浸透していないために、「おソースはどちらになさいますか」と丁寧に接客するおばちゃんもいれば、「丁寧すぎて居心地が悪い」と思ってしまう自分のような人間もいるんじゃないかなぁと。

まぁ、「おソースはどちらになさいますか」と聞かれたその当時はここまで考える余裕はなかったですよ。
ふつうに「え、なんかヤダ…」と思って、Twitterでもしばらく、ネタ半分文句?半分みたいな感じでぶつぶつ言ってました。

で、気に食わないことがあったとしても、いつまでもなんか愚痴みたいな形でゴチャゴチャ言うよりは、名前とかにしちゃってウケとして昇華したほうが精神的にもいいのでは? と思って、ある時からTwitterでおソースと名乗るようになりました。なかなか良いHNが思い浮かばなくて名前をコロコロ変えている時期でもあったので。
実際、私の連日のくだらない文句に付き合ってくれていたフォロワーの何人かはそこそこウケてくれたのでよかったです。

ただ、そういう一時的な、ノリみたいなものでつけた名前なので、別にそこまで気に入っているわけではないんですよね。インターネット関係の集まりに呼んでもらったときとかも、初めての人に「おソースって名前です」って自己紹介するの、まあまあ恥ずかしいし。
けど、名前をつけるのが本当に、小学生の頃からずっと苦手なので未だにおソースを名乗らざるをえない状態になっています。
誰かおソースに代わる、キャッチーかつ背伸びしすぎていなくてちょっとクリエイティブな感じもある、かつ私が名乗っても違和感のない名前考えてくれないかな。採用するかは約束できませんが……

最初この記事を書こうと思ったとき、ここまで考察して長い話にするつもりはなかったんですよね。
「ブログと分けてゆるい感じにしよう」とか言ってたのに全然そんなことないし、これからどうしよう。

ちなみにこの前、
「某ファストフード店でおソースと言われてなんかすごい嫌悪感があった」
と友達に話したら、
「めんどくさすぎる。将来クレーマーのババアになりそう」
と言われました。その通りだと思います。
いつか私が本当にクレーマーになってしまいそうになったら、私と仲良くしてくれている皆さんにはどうか止めてほしいです。よろしくお願いします。


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