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小説、創作、作家

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記事一覧

 今日は40歳の誕生日

 5月8日、私の誕生日だ。色んな事を振り返る。特に、女性と金に縁の無い人生だったなと思う。  女性に関してはだらしないだけ、付き合うとかステディな関係になった人は学生の頃(高校時代)少し居ただけ。有頂天になる程幸せだったが、その関係も三ヶ月で終わってしまった。  それからも好きな人はできた。けど大体が彼氏持ち、高嶺の花。結局大学時代が一番女性と縁があったんだけど、セックスまで持ち込めた人なんて居ない。童貞は五反田のヘルスで21歳の時に捨てた。  小さな頃はなんでも一番を

 成瀬は信じた道をいく 著:宮島未奈

 成瀬の偉業を讃えるコメディタッチのこのシリーズだが、結局、成瀬はゼゼカラと言うお笑いコンビとして地域起こしに精を出し、平和堂でアルバイトをして万引犯を捕まえる。そして大津市の観光大使に就任し、もちろん京都大学の学生にもなった。成瀬に憧れた北川みらいちゃんと言う八学年下の後輩の面倒をパトロールでして、最後の年の瀬、成瀬は探さないで下さい。と書き置きを残し、居なくなってしまう。当然家族と島崎みゆきも探すのだが、紅白歌合戦で大津観光大使の制服でけん玉チャレンジに参加していたのだ。

 成瀬は天下を取りにいく 著:宮島未奈

 いやぁ〜大爆笑だった。スルスルと昨日の夜、今朝で読み終えてしまった。大津西部百貨店の閉店を機に、閉店までずっとテレビに映り込もうと画策する成瀬あかり。ライオンズのユニフォームを着て滋賀放送のぐるりんワイドと言うローカル放送に映り込む事をこの夏の青春に決めた成瀬あかり。それを同じマンションでずっと育った島崎みゆきの視点で捉えて書き始めていた。  コロナ禍やソーシャルディスタンスなど、日本に多くの影響を与えた騒動だったが、そんな中にも、こんな事に熱意を費やし、青春を送る中学生

 書いてはいけない 著:森永卓郎

 二日で読了。結局、日航機墜落事故は自衛隊がミサイル誤射をして、エンジンに追撃して、墜落したのをもみ消す為に火炎放射器で証拠隠滅した大事故と言うかテロみたいな物だったのをアメリカのボーイング社に泥を被って貰ったが理由に、アメリカに反論できなくなった史上最悪の墜落事故だったと言う事。  これを機に日本は年次要望書を毎年策定され、アメリカ隷従が加速した。その時、小泉政権誕生にバブル崩壊、竹中平蔵に日本の資産は二束三文でアメリカのハゲタカファンドに買い取られ、絶望の日本経済へと舵

 日本はなぜ「基地」と「原発」を止められないのか 著:矢部 宏治

 現在の沖縄基地問題から70年前の戦後史まで一気に遡る凄い著作だった。結局、日本は憲法の上に日米合同委員会があって憲法違反も受け入れる形で米兵を養ってる。それは戦前、天皇の下に大日本帝国憲法があったのが戦後、昭和天皇の導きで天皇+米軍の下に国連憲章に則った日本国憲法ができて、思いの外良かったから70年も続いちゃったってわけなのだ。  しかし、昭和天皇は崩御され米軍つまり日本国憲法の上に日米合同委員会が鎮座し、アメリカ隷従の日本安保村の中で日本人は生きていると言うことだ。憲法

 ともぐい 著:河﨑 秋子

 話の筋書きが面白いんじゃない。自然の描写が凄かった。描写力が特筆すべく高い作品だった。そしてラストはネタバレになるから言えない。  熊爪と言う主人公が鹿を狩るシーンから物語は始まる。すぐに捌いて食べれる所を食べ、犬にも食わせる。あとは毛皮を売るか干し肉にするかと白糠と言う町に降りてお金に換える。それで銃弾を買い、米を買いして暮らしていた。熊爪の山での生活と熊との戦いが延々描写されている。  白糠で繁盛してる良輔の所にお世話になってそこで猟をした物を現金化していたのだが、

 八月の御所グラウンド 著:万城目 学

 204ページ読了。十二月の都大路上下ルと八月の御所グラウンドの二作が封入されている。そしてそれは関連された物語では無い。  47都道府県対抗駅伝を京都の都大路で駆けるのだ。京都は上ル下ルと地名の後ろに付くようで、上下ルでカケルと読ませている。方向音痴の主人公が先輩の貧血の具合でピンチヒッターとなり走る事になった。まだ一年生である。でも、駅伝はみんなで走ると言うのを合言葉に頑張って来た同志であり、キャプテンも走るのを離脱する事を決めた先輩も主人公を推し先生から告げられ走る事

 東京都同情塔 著:九段理江

 シンパシー・タワー・トウキョウをコンペで勝ち取って建築する建築家の牧名沙羅。沙羅がナンパした男、拓人(タクト)。三流外人記者のマックス。この三人の語りだけで良くもまぁここまで書いたなと。生成AIに質問して答えを得る、Twitterやオリンピックとジャニーズ問題など、トピックはとても現代的であるが、言葉についての描写が目立った難解な作品だった。  拓人が閃いた東京都同情塔と言う言葉が気に入った沙羅だったがザハ・ハディドが建築した国立競技場がある異世界の話だ。それと対になる東

 オーデュボンの祈り 著:伊坂幸太郎

 いや〜エンジンが掛かるまで間延びしちゃったなぁ〜。でも伊坂さんの原風景を垣間見て、面白かった。殺人犯やら超能力やらが実際にある作品も伊坂さんの語り口だと格好良く読める。335ページだったけど見開き四段だからね、原稿用紙に直すと何枚になるんだろう。凄い量だった。湾岸ラプソディを読んだ時と同じくらいの長さだったかなぁ。湾岸ラプソディは800枚だって言うからそれくらいの長さなのかな?まぁでも区切り良く進んでくれたから読み易い事この上ない。知らなかった字と言うのも無かった。  シ

 このままでいいわけはない

 今日、通院して来た。今のままで問題ないと先生はいつも言って来たが、今日、私が今のままで何も不満は無いんです。でもいつまでもこのままでいいわけじゃないと思ってと零したら、出来るだけ若いうちに、法廷規則の週に20時間を働く体力をつけないとな。と仰った。今まで、そのままで良いって言って来たのに、手のひら返しされた気分だった。でも、そうなのだ。若ければ若い方が良い。体力を付けてチャンスを待つようにしなければならない。先生も、今の私になら本当の事言っても大丈夫だって思ったから言ってく

 シューカツ! 著:石田衣良

 主人公は水越千晴、鷲田大学の三年生。同じマスコミ志望の面々とシューカツチームを作り、七人で全員内定を目指すと言うもの。OBOG訪問だったり、エントリーシートの書き方で合宿をしたり、インターンでテレビ局の仕事をしたり、筆記試験、面接の繰り返しでテレビ局と出版社、男子は新聞社などに就職に漕ぎ着けるまでを作品として描いている。  一般的に名門大学に入ったら、こんなシューカツ戦線が待っているのかとマスコミと言う狭き門に2,000倍を超える倍率を突破する為に仲間と協力してシューカツ

 晩年 著:太宰治

 読んでみたきっかけはFacebookで外国人が薦めてくれたからであった。図書館に行くと晩年一作で借りるのは難しい、全集になっちゃうと諦めていたが出版年が戦後の古めかしい一冊を借りる事ができ、昔の文字に悪戦苦闘しながら読み終えた。  思い出と女生徒は面白かった。けれど、他の作品もいっぱい収められているのだが、それはなんでこの作品が入っているのかわからない。と言うような謎の奇譚が多かった。太宰の文章は決して読み易いわけじゃない。どう展開するのかが奇想天外で、ここで終わるのか。

 私たちの特別な一日 冠婚葬祭アンソロジー

 人生も節目で催される行事を総じて冠婚葬祭という言葉があります。冠は成人として認められる成人式を、婚は婚姻の契約を結ぶ結婚式を、葬は死者の霊を弔う葬式を祭は先祖の霊を祀る祭事を指します。四つの行事は、人生の始まりから終わりへ、そして当人が死してなおその先まで縁を繋いでいきます。故に冠婚葬祭は多くの物語で描かれてきましたが、連綿と変わりなく続いているように見えながら、私たちの社会や文化と同じように絶えず変化が生まれているはずです。現在の、そしてこれからの私たちと冠婚葬祭をテーマ

 夜明けのはざま 著:町田そのこ

 せめて、自分自身には嘘をつかずに生きていきたい。地方都市の寂れた町にある葬儀社「芥子実庵」。仕事のやりがいと結婚の間で揺れる中、親友の自死の知らせを受けた葬祭ディレクター、元夫の恋人の葬儀を手伝う事になった花屋、世界で一番会いたくなかった男に再会した葬儀社の新人社員、夫との関係に悩む中、元恋人の訃報を受け取った主婦………。  死を見つめることで、自分らしく生きることへの葛藤と決意を力強く描き出す。自分の情けなさに歯噛みしたことのない人間なんて、いない。自分らしく生きること