「おかあさんといっしょ」に子どもが戻った日
2023年11月10日。
今日、Eテレ史に残る出来事が起こりました。
「おかあさんといっしょ」、子どもたちと一緒に座るおにいさんおねえさんたちの回放送。
おかえり子どもたち。おかえり。
「おかあさんといっしょ」(以下、おかいつ)は、2~4歳の子どもを対象にした歌や人形劇を中心とした子ども番組です。
2023年現在64周年を迎えた長寿番組のため、お子さんがいらっしゃらない方でも、ご自身やご兄弟が子どもの頃に見たことあるかもしれません。
子どもたちに囲まれた歌のおにいさんおねえさんが「みんな、げんき~?」と優しく声を掛けてくれて始まるオープニング。
そこからスタジオのみんなで一曲歌うのが、当たり前の光景でした。
新型コロナウイルス感染症が流行するまでは。
日本国内でCovid-19が流行し、しばらくしてスタジオから子どもたちがいなくなりました。
たしか、世の中からマスクが消えて久しい頃だったと思います。
ああとうとう、おかいつまで。
当時自宅で1歳児を見ていたわたしは思いました。
当たり前だった光景が、なくなってしまった。
だんだんと迫る未知の感染症が、そこまで迫っているんだと実感した出来事でした。
それでも。
うたのおにいさんおねえさん、体操のおにいさんおねえさんの笑顔は、いつもと変わりませんでした。
スタジオに子どもは来なくなってしまったけれど、テレビの前のちいさなお友だちに少しでも楽しいひとときを。
そんな、心意気のようなものを勝手に感じていました。
そのうち、普段の放送ではやらないコーナーも始まりました。
おにいさんおねえさんたちがお題に沿ってお絵かきをするコーナーができたり。
本来なら子どもが参加するコーナーにおにいさんおねえさんが子ども役として出てくれたり。
スタジオ全体をステージのようにして、ライブを開いてくれたりもしました。
子どもがスタジオに戻らないまま、うたのおねえさん、小野あつこさんと人形劇ガラピコぷ~のみんなは卒業になりました。
新しく始まった人形劇ファンターネ。あわせて変わったエンディングでは、子どもがその場で参加する形式ではなく、テレビの前で一緒に体を動かせる曲になっていました。
そして、体操のおにいさん、福尾誠さんの卒業。
前年度から新しくうたのおねえさんにながたまやさん。
そして体操のおにいさんに佐久本和夢さんを迎えて始まった今年度。
子どもたちがスタジオに戻ってきました。
けれど、保護者の隣に座って、距離を開けての収録でした。
それでもここまで戻ったのだと。
おにいさんおねえさんたちが、子どもと一緒に楽しめるようになったのだと嬉しくなったのを覚えています。
そして今日。
本日の放送から、Covid-19以前と同じように、ひな壇に子どもたちと一緒に座るおにいさんおねえさんたちの姿が放送されました。
広いスタジオで、子どもにぶつからないようにいつもより小さく体を動かす体操のかずむおにいさんあづきおねえさん。
子どもたちを上手に誘導しながら、目を配りつつ素敵な歌声を響かせてくれる歌のゆういちろうおにいさんまやおねえさん。
テレビの前の子どもと体を動かすエンディング曲は、その部分の歌詞をすっぽり抜き、ファンターネのみんなが作るトンネルを子どもたちがくぐり抜ける“いつもの”エンディングになっていました。
一緒に歌って、一緒に体操をして、一緒にトンネルをくぐって。
出演している子どもたちにとっても、この形式のおかいつは見たことがないか記憶にないはずです。
そんな子どもたちが、おにいさんおねえさんたちと一緒に歌って踊って、最後に降ってくる風船を一生懸命につかまえにいって。
戻ってきたんだ。
長かったね。
よかったね。
わたしたち親にとっても、おかいつは強い味方です。
言うなれば、一緒に子育てをする戦友のような。
それでいて、大人もしっかり引き込む歌やコーナーがある。
4歳は今でもおかいつ大好きだし、毎月の歌も食い入るように見て楽しみにしています。
その戦友、おにいさんおねえさんたちがまた子どもに囲まれているところを見られて、わたしは今朝とっても幸せな気持ちになりました。
4年以上前からおかいつを見てきた、特に大人たちにとって、忘れられない日。
おかえり子どもたち。おかえり。
そして、今日まで番組をつないでくれたゆういちろうおにいさん、あつこおねえさん、まやおねえさん、まことおにいさん、あづきおねえさん、かずむおにいさん。
そのほか番組を作ってくださっているすべての皆さんに。
本当に、本当にありがとう。
コロナ禍が、あなたたちのおかげで、つらいだけの時間にならずにすみました。
これからも番組を、みなさんを応援します。
今日も読んでくれて、ありがとうございます。
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