見出し画像

メタマテリアルを設計するNature Architects社の実情について.      新しい人材も募集します.

はじめに
Nature Architectsでは今で人類が設計不可能であった対象であるメタマテリアル(*のちに解説)を設計可能にし、振動、変形、熱など様々な物理現象を制御するための形状設計ソリューションを提供しています。

これだけ聞いても意味がわからない人もいるかもしれませんが、このnoteを読み進める中で弊社が何をする会社なのかは理解できると思います。

本noteではこれまで具体的に語られることがなかった弊社が行う業務の全体像について述べ、新たに募集する人物像についてお伝えします。

はじめに、我々の事業を理解するためには少なくともメタマテリアルとは何か?をざっくり理解する必要があるので、サっと解説します。

メタマテリアルとは何か?
ちょっとカタイ言葉で定義すると,,,,,

"メタマテリアルという用語にはいくつかの定義が存在しますが、最も広い意味でメタマテリアルとは、特定の材料に人工的に幾何形状を設計する、あるいは空間的に異素材を適切に配置して複合化させるなど、幾何構造や材料配置を適切に設計することで目的の”マクロな物性”がコントロールされたモノを指します。"

という感じになってしまいますが、メタマテリアルの考え方ははそんなに難しいものではありません。

具体的には下の図にあるように、ある材料例えば金属に特定の幾何構造(カタチ)を設計・加工します。すると一方(図右上)は水に浮いてしまうほど軽く、金属にちかいカタサを持つモノが出来上がり、もう一方(図右下)は特定の方向にのみスポンジのように柔らかいモノが出来上がります。この様に出来上がったモノの物理的機能が明示的に幾何構造(カタチ)によってコントロールされたモノを広い意味でメタマテリアルと呼びます。

スクリーンショット 2021-10-17 18.53.41

メタマテリアルに関して少し詳しく論じた記事も以前書きましたので、もう少し詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
https://note.com/xdxdto/n/n45520849c2bd

多様なメタマテリアルの可能性
メタマテリアルは3Dプリンタでしか造形できない複雑な形状のものから、射出成形やプレス成形などで造形可能な単純な形状のものまで多岐にわたります。さらに、メタマテリアルによって制御・拡張することのできる物理的性質も光、電磁気、音響、熱、振動など多岐に渡っています。

Nature Architectsでは社内研究開発を通して主に
・振動制御
・変形による動きの制御
・熱の制御
などを自在に制御可能な設計ソリューションを開発しています。具体的には例えば、

図左:バネやゴムなどの防振材を使用することなく、Nの部分にだけ振動を伝えない適切に板に穴が空いた独自の防振構造。
図中央:熱を効率よく交換する表面積の多いジャイロイド構造。
図右:ゲームのスティックの動きを組み立て不要な構造の変形でうみだしたもの。
などを設計ソリューションによって生み出すことができます。

スクリーンショット 2021-10-17 19.04.17

設計ソリューションとは何か?
Nature Architectsが提供する設計ソリューションは、メーカー企業とプロダクトを共同開発する中で、従来技術では不可能なメタマテリアルによる機能設計を請負い、具体的な設計図を最終的に提供するサービスです。

これまで、弊社は設計ソリューションとして具体的に「〇〇を提供します」ということは名言することがありませんでした。しかし今年度からはいくつかの領域(例えば、防振、ハプティックフィードバックなど)で弊社にしかできない設計ソリューションを様々なメーカー企業に提供していきます。
設計ソリューションを開発するとは、弊社独自の設計として何が新しく実現できるかを技術的明確化しサービスとして顧客に利用してもらえる状態を構築することを意味します。

防振設計ソリューションとは
例えば、10月末頃にプレスリリース予定の振動制御ソリューションはバネやゴムなどの従来の防振材用いることなく、独自の形状設計技術のみで防振機能をプロダクトに埋め込むことができる技術です。これにより、
・省スペースな防振
・組み立て不要な防振機能の埋め込み
・異素材の複合化させることなく防振機能の埋め込み
などを実現することができます。
弊社の防振設計ソリューションはすでにダイキン工業株式会社様との協業で一定の成果を上げています。(以下URL参照)
https://www.daikin.co.jp/press/2020/20200529/

スクリーンショット 2021-10-17 19.27.48


Nature Architectsの研究開発の全体像

弊社の社内開発は大きく以下の4つのレイヤーで構成されています。
1. メタマテリアル設計のためのソフトウェ開発
2. 特定の物理現象を制御するためのメタマテリアル研究・開発
3. 2を具体的に発展させアプリケーションが設計可能な技術を開発
4. 3を設計ソリューション化する設計事例づくりおよびマーケティング

スクリーンショット 2021-10-17 19.46.11

1.メタマテリアル設計のためのソフトウェ開発
は人類がメタマテリアルを自在に設計するために確実に必要となる設計技術を抽象化し開発します。今すぐソフトウェアは販売はしませんが、ソフトウェアモジュールを部分的に切り出してクライアント企業に提供することもあります。

2. 特定の物理現象を制御するためのメタマテリアル研究・開発
は弊社でしか設計できない領域で具体的な価値を出せるのか、メタマテリアルとしてどの様に従来の物質や部材の機能を拡張できるのか検証します。さらに拡張された機能領域が新たに市場を開拓するポテンシャルがあるのかを見極めるためのPoCを行います。

3. 2を具体的に発展させアプリケーションが設計可能な技術を開発
は2で検証された様々な構造や設計技術をサービスとして提供するために求められる仕様や要件をチェックし技術検証を行います。そしてクライアントに提供可能なレベルの技術にまで発展させます。

4. 3を設計ソリューション化する設計事例づくりおよびマーケティング
は3で検証されたさまざまな仕様や要件を元に象徴的な設計事例を試作し、動画やwebや展示会で発表します。メタマテリアルの技術はあまりにも目新しく、象徴的なプロダクトがなければ人々に価値や概念が伝わりません。単純なマーケティングではなく「今までになかった技術が現れた時、本質的に人間が求めることは何か?」という大きな視点を持った上で象徴的なプロダクトを社内で試作し社会に提示します。

例えば、以下の動画の様に板金に穴を開けてスリットを加工するとどの様なプロダクトが象徴的に作れるのかを動画にします*。
(*実際、この技術では最終製品レベルの家具というよりは、建築内装の関節照明や人の手に触れない部分で溶接がオーダーメイドで必要となる領域なので動画としては50点くらいではあります.....)

Nature Architectsが求める人材
Nature Architectsではこれまで述べてきた様な研究開発とクライアントワークを各々50%の比率で行なっています。現在は数学科、物理学科、建築学科、物質科学、一級建築士など多様なバックグラウンドを持つ人間が働いています。

しかし現状は、研究した結果をさらに開発・発展させ象徴的な試作を行う人材が不足しています!弊社内では応用研究に位置付けられる業務を担当する人材は、
・材料力学、機械工学の基礎知識
・3Dモデリング、簡易プログラミングのスキル・経験
・ハードウェア設計のスキル・経験
などスキルや経験が求められる圧倒的に学祭的な業務となります。

また、こうした業務には、
・機械工学科出身だけど全く新しい具体的なモノまでつくりたい人
・HCI研究出身で産業に根ざした深い研究をアプリケーション
 として結実させたい人
・建築構造系出身であるが建築に限らないプロダクトを
 構造力学の視点から再構築したい人
などが向いていると思います。

弊社で働くことに興味がある人へ
ここ5年ほどでメタマテリアルを標榜するベンチャーは世界にもちらほら現れ始め、メタマテリアルに特化したVCも現れてきました。弊社も創業5年目で世界と比較しても見劣りしない技術開発を行なっていると自負しています。しかしいくら社内で面白い技術を開発しても、世の中に適切に価値を提示しなければ技術は存在せず死蔵していることになります。
Nature Architectsの技術の全体像を深く理解し社内ソフトウェアをフル活用し技術価値を最大化する応用研究やプロダクトづくりを一緒にしてくれる方がジョインいただければ、弊社で眠っている技術を全て世の中に提示し、潜在的な需要や実現できるプロダクトがどんなものであるかをクイックに検証することができます。そして、新たなメンバーと共にこうした検証を行うことで、今まで誰も見たことのなかったプロダクトや社会現象を生み出せたらと思っています。

応募内容
・週2~フルタイムまで
・学生も応募可能
・フルフレックス
・給与は能力に応じて要相談
・材料力学、機械工学の知識を優遇
・3Dモデリングやプログラミング経験者を優遇
・ハードウェア設計経験者を優遇

興味を持った方は
info@nature-architects.com
まで履歴書と共にご連絡ください。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?