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友人が狐に憑かれた話

ちょうど1年前の出来事で、まとめるのもいい機会だと思ってここに書く。最初に言っておくが、これは俺とその周りが実際に体験した話だ。正直この話は2chによくある怖い話のテンプレそのままだが、実際この話を体験してる途中も「いやこれテンプレやんwwwwそんなことある???」と思っていたぐらい現実感がなかった。また、かなり長いのでご注意を。1つ面白い話のネタになると思って読んでほしい。

登場人物

A:友人
B:友人の彼女
K:俺の知り合い

俺とAは高校からの友人で、大学に入ってからも遊ぶ仲だった。最近は彼女(以後B)ができて調子に乗っているようだった(以前彼女さんも交えて3人で会ったことがある)。そんなAから突然電話が来た。

A「Bの様子がおかしい。早く来てくれ」

俺「とりあえず落ち着け。どうやら本当にやばそうだから明日泊まりに行くわ、それまでは我慢してな」

普段はちゃらんぽらんなAが真剣なトーンで話しているのが電話越しにも伝わってきたため、俺も並々ならぬものを感じ、次の日にはそいつの家に向かうことにした。

俺「何があった」

A「Bが突然動物みたいになって怖くなった(以下説明)」

昨晩Bと過ごしていたところ(AとBは同棲している)、Bが突然Aに離れろ、こっちに来るなと怒り出したのだという。Bは大人しい子で、怒るようなタイプでもないから俺もおかしいと思った。そして怖くなったAが玄関の方に離れると、今度はBが動物がじゃれているような感じになり、毛づくろいのような動作をし始めたのだという。Aがその様子に困惑していると、Bが突然我に返ったように、「私何してたの…?」と言ったそうだ。怒った時点からの記憶がないようで、Bも困惑。

と、ここまでなら気のせいで済ませたいところだが、それ以降Bが「左肩を掴まれている、時折腕を引っ張られるような感覚がある」と言い始めたらしい。そこで単なる体調不良にしては不可解だということで、俺を呼んだのだそうだ。いや何でやねん。霊感とかないが。

とにかく一晩様子を見てみようということで、その日はオールをした。人生ゲームをやったりして時間を潰していたが、徐々にBが辛そうにし始めた。A曰く、午前4時前後が一番おかしな空気になるとのこと。

そしてそれを自分もひしひしと感じていた。明らかに部屋の空気がおかしくなっている。廃墟や古い建物に行くと溜まった空気が淀んでいるのがわかるだろう、あの感じだ。あれからカビ臭さだけを取り除いた感じの重苦しさで、霊感なんて特にないはずの自分も呼吸がしづらい。

そして朝6時を迎えた。当然のようにラップ音が鳴り響いており、Bも辛そうではあったが、特にそれ以上のことは起きなかった。とは言え自分もこの部屋は明らかにおかしいと感じていた。

Kに連絡を取る決定打になったのは、そのすぐ後のこと。流石に寝たいなと思っていると、「ガシャン!!」大きな物音がした。
炊飯器のコンセントが外れていたのだ。
俺達は部屋の入り口から見て右のベッドにおり、手を伸ばしても届かない距離だった。何よりコンセントがそんな簡単に抜けるはずがない。

これはいよいよ本格的におかしいと思った俺は、部屋を見て回ることにした。
一般的な1Kをイメージして欲しいのだが、玄関があり正面には短い廊下、両サイドにそれぞれキッチンとユニットバスがあり、奥が部屋という間取りだ。
そしてキッチンの前に立った時、「なんか座標被ってる」と感じた(全身がピリピリする感じ、寒気のない鳥肌を想像して欲しい)。
これは自分の手に負えないと感じた俺は、誰か頼れる知り合いがいないか逡巡した。そこで思いついたのがKだった。
その手の話をしたことはなかったが、Kは俺にとって姉貴的な存在で、どこか人と違う雰囲気を放っていた。本能的にそれを見える人だと判断したのだろう。
そこでKに気になる場所を写真に撮って、「何か見えたりする?」という質問と一緒に送ってみた。
するとすぐにKから返事があった。(出来れば当時のやり取り貼ります)

K「あ〜玄関になんかいるね」

俺「まじすか。うわ本当にピリピリきたwww」

K「アホなんwwwあと、女の人が部屋を歩き回ってるような感じがする」

…はい、当時俺は楽しんでましたw。完全に自分には関係ないと思ってたので。
ここで夜勤明けだったKには多少無理をしてもらったが、その場でさっきまでの出来事を相談することに(視える人は電話越しにでも見られるそうです)。

K「彼女さん初めまして。怪しい者ではないですwwwそこら辺は俺君から後で聞いて。」

B「はい、よろしくお願いします。」

K「えーと…今どんな感じ?」

B「右腕を掴まれてる感覚があるとの、肩が痛いです。あとさっきから頭も痛いです。」

K「なるほどねー。あ、痛いの右肩?あとはどんな感じかな」

B「えっそうです…なんでわかったんですか!?他にはこんな感じです(さっきまでの出来事説明)」

K「Bさんと話してる時右肩が痛くなったから。話聞いてて思ったのだけど、Bさんは青っぽいイメージが湧いてきた。髪は短い?身長は高めで細身だね。」

何それ草wwwwwwって感じでしたが全部当たってる。この時電話越しなのでお互いの顔すらわかってない。Kネキ恐るべし。

K「だいたいわかったよ。さっき俺君には言ったんだけど、女の人が歩き回ってるのを感じたんだよね、巫女姿で狐みたいな顔をしてる。この女は狐が化けた姿だと解釈すれば、Bさんが動物っぽくなったことも辻褄が合うね。ただ今回は私の手に負えなそうだから神社に頼るね。少し調べてみるからちょっと待ってて。」

B「お願いします。」

しばらくして、

K「うん、○○神社に行こう(浅草近辺)。そこなら助けてくれそう!」

というわけで、急遽1週間後Kは自分の住んでいる東北から飛んで来て、○○神社で除霊的なものをすることに。その前に部屋も見て詳しい状況を把握することになった。
俺は内心「いや2chの怖い話やんwwwww主人公の知り合いに霊能者がいて急遽遠くの地方から駆けつけるとかwwwww」とめちゃくちゃテンション上がってました。一応は当事者ですが完全に2chの怪談の世界に迷い込んだ第三者視点で楽しんでました、すみませんw

1週間後、Kが来て、まずはAとBの部屋を見ることに。

K「とりあえず玄関と水回りに塩を撒こうか。次に全員これをひと舐めして。お母さん特製のお清めの塩だから!」

俺「はえ〜」

そして部屋に入った。正直この時の記憶は曖昧なので、ここだけ雑になるのを許して欲しい。

K「実はここが霊道になってるのも疑ったけど、違うみたい。最初に送られた写真には数体の霊が写り込んでたのだけど、それらはどうやら地縛霊らしいね。で、他に女の人が歩き回ってた。これは俺君が感じた物だし、Bさんに憑いてるものだね。」

その後浅草にある○○神社に向かった。

K「じゃあ神頼みしようか。一例して鳥居潜って」

A「普通の作法ですね。」

K「まあまあ気にしない。手水やって次、お参りね。この時、3人とも狐のことを思い浮かべず、ただ力を貸してくださいとだけお願いして。」

一同「はい。…やりました。で、次は?」

K「終わり!実はこれだけであとは神様が何とかしてくれるんだよねw」

一同「えぇ…w」

とまあこんな感じで除霊は想像の1億倍ぐらいあっさり終わった。
一応この後Kが作ったパワーストーンをあしらったお守りをABが購入し、終了。
その後AとBには特に何もなく、無事解決。

最後はあっさり終わってしまったが、後からKに聞いてみたところ、いくつかわかったことがある。

・AとBは霊的なものを寄せやすい体質だとのこと。その割にどちらも霊感がなく、また心霊を信じていないからこそ物理的なダメージがあるまで気づかなかったのだろうとのこと。
・ちなみにAとBはこの後引っ越すのですが、直後に別れています。K曰く「まあ単に運が悪かったんだねw」とのことでこれは今回の一件とは関係なさそう。
・Bに憑いていた狐についてだが、長くなるので別で説明する。

前提としてだが、K曰くかなり強い(神社が見つからなければお手上げだったらしい)ので、ABには下手に怖がらせないよう詳しくは説明していなかった。後から俺だけが聞いた話だ。
で、正体だが、「神様に仕えていた存在(眷属)」が堕ちた物だという。その原因はわからないが、狐が何かしらの悪行を働いて神の元から去らざるを得なくなり、彷徨っていたものらしい。
なぜBに憑いたかは不明だったが、「まあ嫉妬したんでしょw」とのこと。元眷属の割には欲深いな。
Bの初期の異常な行動や、腕を引っ張られるなどの症状も全て狐の仕業らしい。
最初に電話越しに感じた女の人についても、狐が化けた姿だと解釈するのが自然だとのこと。色々ガバガバだけどまあそんなもんなのか…
とは言え一応は神に仕えるだけの力があるので、下手に刺激すると我々の命ごと持ってかれてた可能性もあると言っていた。神社に行ったのも実は賭けに近く、たまたま上手く行ったのでよかったそうだ。もし上手くいかなかったら…いやこええよ。

解決後は神社にお礼参りに行った。どうもこれをしないと稲荷系だと特に罰が当たることもあるらしい。

最後にKに狐がどうなったのか聞いてみたところ、「まあ今もどっかで人に憑いて回ってるんじゃないかなあ」と言っていた。


以上が本編で、ここからは後日談になる。実はこの後日談の方が個人的には面白いと感じている。ここまで読んでくれた皆様には是非最後まで楽しんでいって欲しい。
後日談は
1.友人が狐に憑かれた話番外編-俺とKのところにも実は来ていた
2.Kは何者?霊媒師って??
の2つだ。ちなみに2に関してはKに「霊媒師だけど質問ある?」みたいなスレ(不思議netでまとめてあります)を読ませたところほぼほぼこんな感じだと言っていたので参考に読んでみると面白いだろう。


では1.狐に憑かれた話番外編-俺とKのところにも実は来ていた、から始める。
まずKのところ。実は電話したその日に来ていたらしいww(ここでKの発言を思い出してほしい。霊は電磁波の塊のようなものなので、通話越しに相手のところに飛ぶことも存在によっては可能なのだ)

K母「あんた変なの連れてきた?何かの気配するし、キツネ顔の女がたまにいるんだけど…」

K「まじか、そんなにアピールしてんの?」

こんな感じの会話だったそうだ。ちなみにK一家は両親と姉の4人家族ですが全員見えるらしい。霊能力者一家楽しそう。

Kは魔除けのブレスレットを付けているのですが、実はこっちに飛んでくる1週間の間にそのブレスレットが切れてしまってKはブチギレてたらしいwwwなんでもかなり大事にしてた物だったらしく。
ただ、その切れ目があまりにも綺麗で、それをたまたま見たK父は「絶対に手は貸さないぞ。変なのには関わりたくないから。お前も下手に関わるな、やめておけ」と言ったそうだ。実際Kの手には負えない存在だったのだがブレスレットの紐だけでそれを見抜く父恐ろし。

その後も家の中をうろついていたりしたのだが、彼らからするとよくあることなので特にリアクションもなかったそうだ。Kだけはブチギレてたけど。

一方俺はくそびびった。というのも想定外の場所で出てきたからだ。
Kが来るまでの1週間のある日、俺は友人の家で駄弁っていた。
友人宅はベランダに出ると正面に畑、左手に道路が見えるのだが、煙草を吸おうとベランダに出た時だ。
道路の方をふと見ていると、電柱の灯りの下に黒い塊が見えた。最初は酔った人でも倒れているのかと思って見ていたのだが、ここは閑静な住宅街なのでどうも不自然だ。
そこでよくよく見てみると、四 つ 足 で 耳 が 生 え て い る 。
気付いた瞬間になんで俺やねんと恐怖と怒りが混じった意味不明な感情になった。が、一瞬で冷静になり、「いやこれは霊的なものを信じない友人に信じ込ませるチャンスでは…?」と思い、友人を呼んでみた。
しかし、目を離した一瞬の隙に消えていた。友人にはお前いよいよ本気で頭おかしいなwwwwと爆笑されました。こっちはこええっての。

とまあK一家と俺が体験したものはこんな感じです。その後は誰のところにも出ていません。

あ、蛇足ですが俺はこの後稲荷神社に入れない体質になりましたw
物理的には入れるのだが、入ると悪寒や気持ち悪さが出てきてどうも居心地が悪くなる。
これをKに言ったところ、「まあ狐の匂いがついたんじゃないのwあっちも心あるから異質なものは遠ざけたいんだよw」と言っていた。伏見稲荷好きなのになぁ


最後に、2.Kは何者?霊媒師って??について語る。まあこれが最後だ、ゆっくりしていってくれ。

当然めちゃくちゃ気になるのでKに聞いてみたところ、知り合い限定でいわゆる視える人の仕事を請け負っているらしい。しかもボランティアで、実際この件でも交通費とお守り代しか払っていない。なんていい人だ。
流石に商売にしたほうがいいんじゃないの?と言ってみたが、「いいのいいの、気持ちでやってるだけだから。それに私より凄い人なんていくらでもいるよ」と言っていた。
私より凄い人とは???と益々疑問が湧きそこも突っ込んでみたら、いわゆる視える人の業界があるらしい。Kも師匠的な存在がいたのだとか(ただ、師匠はKに教える前に亡くなっており、除霊は完全な我流らしい)。
正直オカルトマニアの俺はここでもうテンション爆上がりだった。だってあの2chの怪談によく出てくる全国から飛んでくる除霊師達は実在するってことだからなwww

霊感についても聞いてみたところ、はっきりと見えるわけではないらしい。いわゆる「脳に直接…」みたいな感じで、イメージとして感じ取れるのだとか。テレパシーの類と同じ認識らしく、なるほどそれは電磁波の塊という表現にも頷ける。
除霊は無限にできるわけではなくて、MPのようなものを消費しているらしい。だから、自分のMPで相手に出来ない存在は払えないし、消費してしまうとそのあとはしばらく回復のために寝込むこともあるとか(この一件の後も2日ほど仕事を休んで寝込んだそうだ、ありがたい)。更に言うと命そのものを削ってやっているようなものなので、自分の能力の限界の除霊をすれば何らかの形で死んでしまうし、そもそもあまり長く生きられるタチでもないとか。
霊の強さだが、どうも霊にも階級があるらしく、最上位が神、次が眷属、次が怨霊の類…と言う感じで、今回相手にしたのは2番目に強い存在。だからK自身の手ではどうしようもなかったらしい。K曰く宜保愛子や緒方玲子は本物の霊能者で、これぐらいのクラスになったら眷属でも除霊できるんじゃね?と言っていた。

他にもKとは普段からよく通話で本人の霊体験の話を聞いたりしているが、座敷わらしを見たとか餓鬼を払ったとかとにかく面白い話が多いwww
コンテンツとして消費させてもらって申し訳ないけど。

以上でこの話は終わりだ。質問があれば(特にKについては敢えて深く触れていない)受け付ける。

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