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行きたい場所が、私の行くべき場所であったらいい。



飛行機に乗りこみ、シートベルトをする。

日本語と外国語のアナウンスが聞こえて、少しだけ胸が高鳴る。
この場所を離れるという事実がただある、この乗り物に、こんなにも心惹かれるのは何故だろう。


離陸する瞬間、心の高揚とともにあるものは、涙に似た寂しさだ。
急に何かを後悔したりする時のように、もう戻れないよ、と何かに言われているようで。

背中を押されているのか、後ろ髪を引かれているのかわからない時間が、飛行機という非日常がもたらしてくれる。

もしかすると、その気持ちを求めて乗っているのだろうかと思ったりもする今日。
整備不良か何かで引き返すことがあったら、もういっそ、そのまま行くのをやめてしまおうと思いながら、いつも無事に飛んでくれる彼ら。



目の前に広がる雲海を見ながら、これまで何度この景色を見てきただろう、そしてこれから何度見ることが出来るのだろうかと、ふと思う。

涙が、溢れそうになる。
わたし、大好き、この景色が。


心の中のつっかえを取るために、満たされない部分を埋めるために、どこかの場所に頼る。
去年は何回かあったその行為が、今年はもっとあればいいと思う。
向き合う時間は必要だから、まだ若い今の心には。
お金と時間は必要だけど、何とかなる。そうしてまで見たい景色、知りたい何かもある。


世界地図の行きたい場所、それが一つ一つ塗られていく。濃く塗られていく場所もある。
そう、それだけで、私の人生は良い方に向いていると思う。
行きたい場所に行くことが、心の沢山の欲求を満たしてくれて、癒してくれる。人生を変えてくれることだって、あるかもしれない、なんて。

行きたいと思う場所はあなたが行くべき場所だと、誰かは言っていたけれど、本当にそうだといい。


毎年一つずつ遠くの行きたい場所に行けるように。そのためなら頑張れると着陸態勢に入った空の上で思う。
今年はまだ見たことのない、想像でしか知らない新しい場所に行けたら、きっと素晴らしいだろうな。
そんな期待を抱いて。


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