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夕遊の紀実文学・記録片

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映画のドキュメンタリーや書籍のノンフィクションが大好き。実話ベースともまた違う、おもしろさがあります。おすすめです。
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記事一覧

『東洋の至宝を世界に売った美術商ーハウス・オブ・ヤマナカ』朽木ゆり子

京都の泉屋博古館にいくと、とんでもなく古い青銅器がたくさんあって、しかもそのうちのいくつ…

夕遊
1か月前
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ホームドラマみたいなドキュメンタリー映画『◯月◯日、区長になる女』2024年。

たまたまSNSで宣伝見つけて、家族で見に行きました。久しぶりの大阪十三の第七藝術劇場は、別…

夕遊
3か月前
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ダサいけど無視できない。『戦狼中国の対日工作』安田峰俊

今から50年ほど前、当時国交のなかった中国と交渉するために訪中した田中角栄は、ホテルの部…

夕遊
5か月前
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静かな強いドキュメンタリー映画。『燃えあがる女性記者たち』インド、2021年

先日、大阪民博の特別展『交感する神と人』を見に行ったんです。とってもエキゾチックなのに親…

夕遊
6か月前
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草原の魅力が満載。『まんぷくモンゴル! 公邸料理人、大草原で肉を食う』鈴木裕子

保育園の調理室勤務だった鈴木さん。保育園の仕事を18年間続けながら勉強し、日本、西洋、中…

夕遊
7か月前
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心のよりどころを求める人たちの暮らし。『信仰の現代中国』イアン・ジョンソン

最初、この本は著者のイアン・ジョンソンが、外国人の目で見た不思議な、理解しにくい中国を書…

夕遊
11か月前
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女性たちのクラフト・アート ドキュメンタリー映画『YARN 人生を彩る糸』アイスランド・ポーランド、2016年

記憶の中の祖母は、いつも編み物をしていました。色やデザインは正直、ダサかったですが、純毛のいい毛糸を使っていたので、何度も解いては編み直しできました。純毛は温かいけれど、耐久性がイマイチなので、穴をつくろうことも当たり前。最後は意味不明の配色になっていた、祖母のセーターやベスト。懐かしい思い出です。 今では、わざわざ自分で編み物をする人は、多分よっぽどの達人。でも、この映画では達人を超えて、アートになっていました。まず、冒頭のアイスランドの荒涼とした風景と、モコモコの羊がイ

日本生まれの台湾人で、北京放送のアナウンサー。『陳真』野田正彰

私が初めて、NHK中国語講座をみたときに、穏やかな笑顔で発音を担当されていた陳真さん。て…

夕遊
1年前
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糸を引くおもしろさ。『幻のアフリカ納豆を追え!』高野秀行

定期的に読みたくなる高野さんの本。今回のテーマは、納豆。この本より先に『謎のアジア納豆』…

夕遊
3年前
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もうひとつの中国とオリンピック『北緯43度の雪 』河野啓

1971年、中華人民共和国(中国)の国連加盟に反対して、国連から脱退した中華民国(台湾)…

夕遊
3年前
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夏が近づくと思い出す。『スローカーブをもう一球』山際淳司

ものすごく有名なスポーツ・ノンフィクション。大昔、野球を見るのが好きだったときに読んだの…

夕遊
3年前
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有名な作家さんとその家族の物語。『星新一 1001話をつくった人』最相葉月

星新一『明治の人物誌』がおもしろかったので、評判の本書も読んでみました。そして、期待通り…

夕遊
2年前
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よりよい未来を求める中国の女性たち。『現代中国女工哀史』レスリー・T・チャン

通勤電車で読みましたが、結構時間がかかりました。なんせ、400ページ以上というボリュームだ…

夕遊
2年前
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ニンゲンの根源的欲求からみる隣国。『性と欲望の中国』安田峰俊

安田峰俊さんはBlog時代からのファン。書かれた本はだいたい読んでいます。その中でも、他の中国クラスタの追随を許さないのが「エロ」部分。 女性ライターの福島香織さんにも、女性側のルポがあるけれど、やはり彼女は女性視点。中国の厳しい女性の現状で、やむにやまれず売春しないといけない女性や、政治状況の中で犠牲になった女性にフォーカスした取材が多いです。 安田さんは男性的視点でblog時代から日本製のAVや女優さんについて書かれていますが、女性目線への配慮もあるので、私でも読める