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メディアアーティスト。Nilverse/Anrealms/ポストパッションフルーツ主宰…

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メディアアーティスト。Nilverse/Anrealms/ポストパッションフルーツ主宰。ゲンロン カオス*ラウンジ 新芸術校 第4期/ゲンロン 佐々木敦 批評再生塾 第4期ダブルスクール。ゲンロン カオス*ラウンジ 新芸術校 第5期 コレクティブリーダー課程(CL課程)最優秀賞。

最近の記事

痕跡の上演:美を演ずること

「雨の降る日は天気が悪いとは思わなかった ●1点」(ゲンロン五反田アトリエ)会場風景(撮影:株式会社ゲンロン) 痕跡の上演。 神話と動物の骨、性と人工イクラ、迷い犬と白綿の布。エマニュエル・レヴィナスがいう痕跡とは、過去の行為や出来事を指し示すしるし(e.g. 足跡、化石、遺跡)、つまりそれ自体が記号として何か他の物事を指し示すための痕跡という意味の他に、そのような記号を超越した世界の外部や絶対的な他者、つまり神の痕跡という意味が含まれている。一方でジャック・デリダの

    • キュンチョメ《声枯れるまで》:揺らぎの声を聴くこと

      ジェンダーと政治の揺らぎ「ジェンダー平等」 あいちトリエンナーレ2019において掲げられたその理念は、参加作家の男女比率を等しくすることによって具現化され、大きな話題を呼んだ(1)。一方で「表現の不自由展・その後」の中止に伴う「表現の自由」対「検閲とテロ」という膠着した構図(2)の中で、ジェンダー平等に関する話題はほとんど吹き飛んでしまったかのように見える。しかし、本来これらの問題はジェンダーの問題と政治の問題として切り離されるべきものではない。むしろ地続きの問題として考え

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