マガジンのカバー画像

紅茶パルプまとめ

11
つのが書いた「紅茶パルプ」作品(2018年11月-12月)のまとめとかです。
運営しているクリエイター

#ゾンビ

【これまでのあらすじ】三宅つの、紅茶パルプを書く。

おれだ。もう知ってるだろうが、noteでは11月1日の「紅茶の日」にあわせて、「紅茶のある風景」というタグでそういう作品(エッセイ、小説、イラスト、漫画など)を募集している。12月2日までだ。賞金と賞品も出る。 ハッシュタグをジャラジャラつけていると、そういうのも目には入る。どうせハイソなバターコーヒー野郎どもが紅茶にバターを入れて喜ぶような集まりだろう。おれはそう思って、特に興味も抱かずにいた。 だが……なんたることか、逆噴射小説大賞が終わった10月31日、ハロウィンの

マッド・ティーパーティー・オブ・ザ・デッド

「フーッ……」 紅茶エッセンスを静脈注射し、オレは溜息をつく。時計を確認する。午後三時。ここが下水道の奥底で、地上をゾンビどもがうろついてなきゃ、優雅な午後のティータイムだ。 英国、ロンドン。ここはもはや生者の都じゃない。晴れない霧で閉ざされた市街地を、数百万のゾンビがうろつく地獄だ。数日前の午後三時、突然それは襲ってきた。テロリストのウイルス攻撃か、悪魔の呪いか。パニックの中、誰もなにもわかっていない。外へ脱出しようとした奴らは、霧にまかれて戻ってきた。出られないのだ。