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【前回のあらすじ】三宅つの、歩みを振り返る。

 おれだ。候補作は千をとうに超えたが、おれの撃った弾も十三発を数えた。1%ぐらいはおれの弾ってわけだ。どれかがコロナやドリトスに運良く命中するかも知れない。だが大切なのは実践して成長することだ。少々疲れてきたが、錆びついてたカラテがめきめき上昇するのを感じる。やってみるもんだ。もらったスキも合計100を超えたらしい。感謝しかない。

 引き続き、七発目から十二発目について見ていく。

 前回のまとめはこれだ。

 七発目。


 逆プラ海でなんか流行ってる、相撲だ。海底から古の巨人力士たちが蘇り、世界を脅かす。突然主人公を訪ねてきた谷松老人は超常的な力を持ち、深い事情があるようだ。主人公にも秘められた力があるのか。力士は神の化身だが、神は人間に幸だけを齎す存在ではない。独自の行動原理があり、災害となることもある。画像をよく見ると力士の胸像が見える気がする。
 怪獣ものの予定だったが、「クトゥルフ相撲」というのを見かけ、それに着想を得て力士に置き換えた。タイトルは「アポカリプス(黙示録)」と「力士」を混ぜた。黙示録の四力士だ。谷松はタニマチのもじりだろう。

 バズワードのせいか割と評価を頂いた。相撲ものは溢れ返ってるし乱発したくはないが、ネタに困ったら書くかも知れない。なお、おれの現在のアイコンはスモトリではなく、いらすとやにあったフクスケだ。

 八発目。


 人が死なない話。エドムとはヨルダンであり、石のアラビアだ。世界遺産ペトラでゆうめいだ。そこにヨブという男がいた。金持ちで男らしく、武芸も立つ。彼が牧童の首を断つ。しかして死なない。これは太陽神の仕業なのか。エリパズは何を知っているのか。登場人物は旧約聖書のヨブ記に出て来る奴らだ。宗教を押し付けはしないが、聖書は物書き物読みの基礎教養なので読んでおけ。結構パルプで暴力的だ。

 アラビアはメキシコであり、西にはエジプト、北にはキンメリアがある。『アラビアの夜の種族』はかつて音読で一気読みして語り口調と文体が伝染った。フリーゲーム『Ruina 廃都の物語』の元ネタとしてもゆうめいだ(オメメナイナイとか)。忍殺やTRPG、イスラム史を知ってから読むとニヤリとする。

 九発目。


 天狗だ。現在一番スキが多く、一番の問題作だ。ヘッズのニューロンに直撃する殺戮兵器・天狗。そりゃ多少はバズる。おれの自我もだいぶヤバイかも知れない。実はマジでそうとう危険なものを世に解き放ってしまったのではないか? タイトルに「リティショック」と続けたくなる。
 狂った推論の果てに恐怖の暗黒天狗真実(暗黒ヤング伝説に似ている)に辿り着いた男は、謎の天狗面の男に殺されたのか、あるいは。諸星大二郎よりは星野之宣っぽい絵が見えてくる。伝奇名物の偽史、野史、古史古伝だ。天狗をニンジャに置き換えれば、割といつもの忍殺なような気もするが。

 昔『THE MOMOTAROH』という漫画に「テングリアン民族」を名乗る天狗ジジイが登場したが、その線から天狗を突き詰めて考えるとこうなった。モンゴル系やテュルク系のユーラシア遊牧民は、太古よりテングリ(天)を崇拝して来た。テングリ、モンゴル、天狗。天の国。てんぐのくに。そういうことだ。トルコではシュメル語で神をいうディンギルがテングリのことだとする学せつがあった。天狗のきげんはやはり宇宙にあるのか。宇宙へ……(フェードアウト)

 十発目。

 天狗で自我がヤバくなったので、右に無理やり戻した。自我を危うい線で保ちつつ、ブッダブッダとクローン兵をぶっ殺す仮面のクローン野郎、ジョイの戦いだ。冒頭に一番大事な独白をバンと持って来た。そういう物語だ。ドクターはジョイのオペレーターのようだが、彼らは何が目的なのか。クローン兵どもは何を守っているのか。最後に出現した存在は。そういうのを散りばめた。個人的にはタイトル、ヘッダー共々気に入ってる。アニーからの流れだ。「コープス」が軍団と死体のダブルミーニングなのはメガテンでゆうめいだ。よく狩って糧にした。「コピー」とも重なる。
 その中の一人のが、軍団を死体に変える。死んでも続く自我(魂)と学習によって。Budda Budda Budda!

 十一発目。


 右へ寄ったので再び左へ。溢れるおれの教養が、全裸の弁財天と孫悟空のロックバトルというえらいもんを生み出した。そうとうなビッグネームだ。
ロックンロールがばくはつ力を生み出すことはブーブスで完全に照明されているが、では神がロックをすれば? もはや災害だ。しかも音楽の神である弁財天が、真の男である悟空(悟空道のやつを思い浮かべてほしい)と全力全開で仏契バトルする。日本どころか地球がヤバイだろう。止めるには釈迦如来か阿弥陀仏でも連れてくるしかなさそうだが、「俺」たち台風観測者の一行に対抗手段はあるのか。
 タイトルにある「観音」とは、あの菩薩なのか? これは「音」を観測する物語なのかも知れない。仏教的に。

 十二発目。

 右、のはずだ。完全におれの趣味を詰め込んだ。荘厳なる古きエルフの神聖帝国に皇帝が君臨している。周辺には蛮族が棲む。なろう系のヨーロッパ風異世界を俗にナーロッパというそうだが、ではエルフがヨーロッパを支配していれば? そう、エールッフだ。ただ三大陸を支配しているので、エールッフ大陸という呼び名ではなさそうだ。ローマニア、というような国名だろう。

 エルフとはなんだろうか。光り、つよい。人類以前の支配種族。つまりセム諸語でいうエル、エローアハ、エロヒム(神々)だ。神の子ら(天使)は人類の女と結婚して巨人族を産ませたという。アルプスやアルビオンもエルフの住処なのだろう。天狗ともつながるかも知れない。
 いわゆる異世界ものだが、よくいる転生者や転移者は? 到来した使徒とやらのことだろうか? 彼は千年前に何を伝えたのか? 皇帝のあの一言を冒頭に持って来るという誘惑に駆られたが、アレがTwitterで多数の人の目に触れるとなんかヤバそうなのでやめた。

 今は以上だ。
 さあて、残りは一週間あまり、どこまで戦えるかな。互いに無事ならまた会おう。

【続く】

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