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フィンランドではたらく30代。北欧ゲーム会社マーケター。 広告代理店プランナー ☞ 多…

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フィンランドではたらく30代。北欧ゲーム会社マーケター。 広告代理店プランナー ☞ 多国籍 IT 企業営業 ☞ 同クリエイティブ専門職 ☞ 現職。 2023年、ヘルシンキへ転職と同時に移住。二児の父。釣りとテニスのファン。

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ChatGPTの力で欧州に海外転職した話

かつてのサッカー日本代表監督、イビチャオシムは言った。 「ChatGPTを走らせろ、ChatGPTは汗をかかない*」 これは、転職準備ほぼゼロの状態から誰でも使える AI ツールだけを使って英語オンリーの選考を潜り抜け、海外企業への転職を果たした私の実体験の記録 & それを元にした海外就職マニュアルです。海外だけでなく国内の外資系転職にも使える内容になっているかと思います。 私はプロのヘッドハンターでもなければ、絶大な採用権を持つエグゼクティブでもなく、AI 関連の驚き屋

    • 毎日がエイプリルフール

      写真は4月23日、今朝の様子。−2℃。急な積雪で、除雪車が間に合ってない。市内のトラムが停止してオフィスに来れなくなった人も続出。これは訓練ではない。我が家も流石にベビーカーでの保育園送迎をあきらめて、車を出した。 4月に入ってからというもの、日中の最高気温が10℃を超えてついに春!という日もあれば、急に1-2℃まで低下する日もあり、ヘルシンキっ子たちは歓喜と落胆を繰り返している。雪が舞う日も一週間に一回はある。 朝起きて窓を見て、何度「嘘でしょ!?」と叫んだことか。毎日

      • CEOが組織図のいちばん下にいるフィンランドの会社

        フィンランドの企業で働くようになって驚いたことのひとつ、それは独特の組織図スタイル。社長や部門長が、スライド隅のまるで目立たない位置に描かれているのだ。 たとえば、僕が働くゲーム会社の全体組織図はこうなっている。 まず大きく開発 / マーケティング / 管理部門 とボックス分けされており、その下に CTO, CMO, CFO, COO などの C-level (上級管理職) が配置されている。そして、最高経営責任者である CEO はそのまた一番下にちょこんと名前が書かれて

        • ひとりの時間に済ませたこと。P0-P2

          妻子が日本に1ヶ月程一時帰国していました。その間にやろうと思っていたことは、冬のフィンランドでどの程度やれたのか? 自分的な達成度合いプライオリティ別に振り返った記録です。 P0 最優先でやるべきだったこと。 フィンランドの運転免許取得 これはできました。大使館と免許センターに行く必要があるのですが、ストライキで免許センターのアポがリスケになったトラブルがあったくらいで。 自動車の入手 これは間に合いませんでしたが、まだスノータイヤの季節だったのでむしろ遅れて正解かも

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        ChatGPTの力で欧州に海外転職した話

          妻子が実家に帰ると伝えた時の反応の違い。日本、アメリカ、フィンランド

          会社員のあなたには配偶者と小さい子供がいるとする。その家族が自分を残し、用事で二週間ほど向こうの実家に帰ることになった。そのことを同僚に伝えた時、どんな反応があるだろうか? これまで日系企業、米国系企業、フィンランド企業と異なる企業文化の中で働いてきた自分が、相手の第一声をシミュレーションしてみるとこうなる。 🇯🇵「おーそっか!じゃあ時間できるんだからさ、飲み行こうか!」 「飲み」の部分はBBQでもゴルフでもカラオケでも、何に置き換えてもいい。実際にこういう誘いを経験し

          妻子が実家に帰ると伝えた時の反応の違い。日本、アメリカ、フィンランド

          炎と水の支配者

          サウナハットを突き破って角が生えてきそうな、海賊のような男が部屋の隅からこちらを睨み、フィンランド語で何か言っている。英語は通じない。でも言っていることはわかる。しゃべるな、耐えろ。直後、地獄の蓋を開けたような音がして視界が高熱の蒸気に覆われた。正面に座った裸の婦人が喉の奥から声にならない声を上げ、膝に顔を埋めた。猛烈な熱さが肌を襲う。怒れる蜂の大群が耳や鼻に噛みついているようだ。 男は誰かを鞭で打つかのような厳しさで、石に水をかけ続けている。熱に包囲されて、俺は立ち上がる

          炎と水の支配者

          行く年来た年@フィンランド

          こういう年末振り返りポストって SNS で見かけると誰トク案件なことも多いんですが… note なら許されるはず。 1月 人生を変えるメールを受け取る。 2月 来日したその会社に自分を売り込む。 3月 四半期最終日にオファーを得る。桜が満開。 4月 怒涛の移住関連手続き、および退職報告の日々。 5月 グーグル最終勤務日。この時点で家も仕事も手放す。 6月 ヘルシンキ到着。新天地への入社と同時に体調を崩す。 7月 復活。束の間の夏休みをエストニアや地方都市で過ごす。 8月 家

          行く年来た年@フィンランド

          一家で北欧移住。渡航してからの試練トップ10

          前回のエントリー(渡航前編)に続き、6月にフィンランド転職 & 移住をしてからの体験談です。渡航後にも当然、想定外に次ぐ想定外、緊急事態の連続があったわけで… 少し長くなりますが記録しておきます。 10 買い物が RPG こちらでは Amazon のような総合通販が日本ほど発達しておらず、食品や日用品の買い出しは近所のスーパーが基本となる。そして自分のような外国人はフィンランド語がわからないために、最初は買い物の時間が日本での3倍くらいになった。都度 Google レンズ

          一家で北欧移住。渡航してからの試練トップ10

          一家で北欧移住。渡航までの試練トップ10

          東京から3歳と2歳を連れて海外転職 & 移住した我が家の渡航前の試練。もう半年前のことですが、ランキング形式でここに記録しておきます。すべて、転職のオファー承諾から出発までの2か月内の出来事です。 10 送別会に出れぬジレンマ 送別会ラッシュ、ではなくその逆。ありがたいことに送別会のお誘いはたくさん頂いたものの、通常の育児 & フィンランド側の移住エージェントとの打ち合わせ、書類の準備などに忙殺されてほぼ企画できず… 複数の飲み会にハシゴして参加したり、面識のない人同士

          一家で北欧移住。渡航までの試練トップ10

          note のしおり、うさぎの足跡。

          前回の投稿から4週間ほども経ってしまった!明日は国内旅行のため朝早いので今日はまとめて書いている時間がない。仕事やらクリスマスやらネタは溜まっているのだけど… 近日中にまた投稿するぞという自分へのリマインダーという意味で、この文章だけ投稿しておきます。note のしおり的な。写真は近所の公園。都市部なのにパウダースノーが積もってて、ウサギの足跡が…。それじゃあ、また。 12/15/2023 21:43

          note のしおり、うさぎの足跡。

          ヘルシンキの会社勤め、平日の過ごし方

          11月中旬。朝はマイナス1度、まだ暗いうちに出勤する。と言ってももう8時なのだが。家を出る前にプロテインとビタミンDとマルチビタミンのサプリを飲む。子どもが寝ぼけながら行ってらっしゃいと言ってくれる。 メトロは混んでいない。4人がけの席に3人以上が座ることはまずない。出社する前に、20分ほどオフィスの隣のジムで身体を動かす。筋トレというよりは体温を上げるためのエクササイズ。 その後、会社のカフェで冷蔵庫を開け、朝ごはんを食べる。ポリッジ(オートミール)、バナナ、ヨーグルト

          ヘルシンキの会社勤め、平日の過ごし方

          北欧転職:きっかけはコーヒーピッチ

          今年1月の営業日初日、フィンランド時代の同僚(7年前のメンターだった)から突然連絡が入った。「今度、自分たちのクライアントが日本に出張するから Japan の窓口として会ってやってくれないか」 クライアントは急成長のゲーム会社で、市場調査のために幹部数人が来日するらしい。この会社、一度 LinkedInでも見かけたような… と下調べをするうちに、突如「転職先」としての興味が湧いてきた。 僕はこの時点までは社内の海外転籍をメインで考えていのだが、2022年からの不況で採用フ

          北欧転職:きっかけはコーヒーピッチ

          フィンランドに来た理由その2

          7年前、3ヶ月のヘルシンキ生活は想像を超えて充実したものになった。まだ雪の残る4月からどんどん明るく暖かくなり、6月の夏至祭を迎えるという、言ってみればフィンランドで一番いい季節を過ごせたことが大きかった。 海辺の自然を楽しむかたわら、ほぼ毎週末、近郊の街やEU内の国々に惜しみなく出かけた。スウェーデンまで夜行フェリーで出張したり、ミラノで当時10番だった本田圭佑選手の試合を観たり、フィンランドの湖畔でサウナとBBQを楽しんだり…。 短期駐在で着任した仕事も、優秀な上司の

          フィンランドに来た理由その2

          7年前のきっかけ。Google Finland のこと

          会社も業界も国も変えてまで僕がフィンランドに来た理由を書いておこう。7年前、Google Japan から Google Finland への駐在を経験したことがきっかけだった。 駐在と言っても3ヶ月だけの海外ローテーションプログラムで、当時は Japan からだと毎四半期に一人くらいいた気がする。会社側から「今度 xx に行ってね」と内示される仕組みではなくて、世界中のオフィスを対象に社内公募が出て、そこに自分で応募するというもの。希望先にレジュメを送り、面接されて合格す

          7年前のきっかけ。Google Finland のこと

          フィンランドから再開します

          改めて自己紹介。今年、12年近く働いた Google を辞め、長年の目標だったフィンランドへの海外転職および移住をしました。今はヘルシンキのゲーム会社でマーケターをやっています。 4月頭にオファーを受けてから2ヶ月でのスピード出国、現地に着いてからも怒涛の移住作業をこなしているうちに早4ヶ月が経ちました。季節は梅雨のない夏を越え、秋をあっという間に通り過ぎて、暗く厳しい冬に入りました。 妻は日本での仕事を辞め、これからフィンランドで求職する予定です。3歳と2歳の子供たちは

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          「UNTOLD: 極限のテニスコート」に見るメンタルヘルス

          「さすがドキュメンタリーの Netflix!」という作品を鑑賞したので久々に投稿。 --- 10 年ほど前の話。アメリカに、派手派手なルックスとプレイで世界を沸かせた No.1 テニスプレイヤーのアンディ・ロディックがいた。この物語の主人公はそのロディックではなく、彼の陰に長らく隠れていた男マーディ・フィッシュ。恵まれた体格と技術を持ち、将来を嘱望されながら、フィッシュはずっとアメリカの 2 番手を歩いてきた。ロディックのような闘争心はなく、真面目で優しい男だった。 とこ

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