overwriting.

ことばで世界を上書きする
あったことをなかったことにするんじゃなくて
あったことの意味そのものをあるがままの形にするために
閉じた理解をもういちど僕たちの手元に引き寄せて
それがまだ生きてるってことをたしかめて
神経をつなぎ直し
呼吸がしやすいように胸元のボタンをひとつ外して
そうすればきっとまた
きみは光を身にまとい
過去も未来も引き連れて違う姿で現れる
ことばは壁じゃなく
皮膚に沿って走る皮膜のように
僕たちそのもののすぐそばにいて
僕たちとは決して交わりはしないけど
僕たちがここにいる理由のすべてが
その皮膜にぜんぶ内蔵されている

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