ひかりの環

伝播する恐怖
乗じる憎悪
踏みつけにされるささやかな過ち
粉々に砕けてちりと化すまで
だれもが意識を失い
昏倒し
そこは無意識の帝国となる
われ先に群がる人の波が
うねるたびに間違った方向へと現象を導いて
あたりまえだったことたちは
いつだって顧みられることはなく
もちろんいまでも
・・・
目を覚ませ
踏みとどまれ
ぬるぬるとすり抜けろ
騒乱の中からひとつのちいさな声をさがして
耳をかたむけ
そこに向かえ
それは待っている
ずっと前から
そしてこの先も
つねにそこにいる

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