2011年2月10日。

乾いた瞳
襲いかかる日々の光景に
無防備にさらされて

指先で神経をなぞられるような
吐き気のする外の寒さに放り込まれて

生きることそのものが
執拗な痛みを伴う様になって

悲しみが
もはや激しい感情を伴わなくなって

懐かしい全てのものが
腐れ落ちて

息ができない

自分がかつてなりたかったものが
なれなかったものに変わって

思うままに言葉を発したり
形づくったりすることすら規制されて

怒りが過大な体力と努力を必要とするようになって

美しいものすべてがそれほどでもなくなって

義務という罠を皆がお互いにしかけあって

息ができない

だけど
いつだって
生きることをあきらめさせない命令が
ぼくの細胞ひとつひとつから発せられる
その多くは次々に弊れ
ぼくそのものだって今日という日々を無事終われる保証はない
だけど
ぼくはあえぎながらも
お前の懐に飛び込んで
お前が溜め込んだままの自由な空気を
最後のひと息分まで吐き出させてやる


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?