本の感想を書きます。

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最近の記事

再・住所不定無職日記85日目 ただやりたいことを続ければいいんだ

朝9時に起床。肌寒さがぶり返すここ数日は、目が覚めても布団から出られない。一週間ほど前にシェアハウスの棚を引っ掻き回していたら、子供の頃に使っていたタオルケットによく似たものを見つけた。パイル生地の肌触りが気持ちよくて、ずっと触れていたくなるようなところが似ていた。昔からふわふわしたものに弱いのだ。そいつを布団に迎えてからというものの、早起きできない言い訳が増えた。 今月の頭からルームメイトが入れ替わった。モンゴル人の隣室の子は出て行き、代わりに同い年の日本人が入居。昼から

    • 再・住所不定無職日記54日目 蒸しパンを蒸した

       朝は6時に目が覚めて、やっと早く起きれたと心でガッツポーズをした、までは覚えているが、もう一度スマホをみたら7時45分でがっかりした。すっかり早起きができなくなってしまった。  インドから帰ってきてから、急性の軽い気管支炎、急性腸炎、アレルギー性のひどい鼻炎と1週間おきにどこかの具合が悪くなり、病院のはしごをしては、ほとんど寝て過ごしていた。起き上がることもできないような胃の痛みにインドの生水でピロリ菌でも拾ったかと慌てて病院に行ったが、インドでぴんぴんしていて腹痛一つ起こ

      • 再・住所不定無職日記32日目 インド帰国後の初カレーは、人生で初めて食べた父親のカレー

        人生で初めて父親の作ったカレーを食べた。三十数年生きて初めて。正直驚いた。家族の形が去年から急激に変化していて、長くも短くもなく生きていると物事はこんなふうになるんだなあと思った。 フィリピンとインドの記録をしたためようにも長過ぎるので、なかなか進まず、ひな祭りなので1ヶ月ぶりに実家に顔を出した。 両親には無職になったこともインドにいた事も話していなかったし、これからも話す気はない。 親子の関係は昨年から様子を変えていた。きっかけは自営業の両親の退職だ。 30年続けたフラ

        • 再・住所不定無職日記30日目 帰国

          帰国した。 1ヶ月間、文字通り「ぶらぶらしていた」。ほっつき歩いて、気ままに、無責任に、誰にも邪魔されず、もう帰りたいと思うまでぶらぶらしようと決めて、帰りたくなったから帰ってきた。 結果的にマニラ、プエルトガレイ、シンガポール、バラナシ、アグラ、アムリトサル、デリーの3国7地域を旅していた。シンガポールはトランジットなのでご飯を食べただけ。ほぼフィリピンとインドにいた。国内の移動は船、夜行バス、寝台列車がほとんどだけど、国の移動は格安航空を乗り継いだので、経由した空港は9つ

        再・住所不定無職日記85日目 ただやりたいことを続ければいいんだ

        • 再・住所不定無職日記54日目 蒸しパンを蒸した

        • 再・住所不定無職日記32日目 インド帰国後の初カレーは、人生で初めて食べた父親のカレー

        • 再・住所不定無職日記30日目 帰国

          再・住所不定無職日記 1日目

          先に言うと、正確には「まだ」住所不定無職ではない。有給消化により一ヶ月は会社在籍扱いだし、家賃光熱費日用品Wi-Fi込み3.5万の激安シェアハウスに荷物は預け、住民票は5キロ離れた友人宅に移した。つまり今ニュースになるような目立つ死に方をしても、「会社員」と出るはずだ。 そんな不穏な心配をするのは、昨日23時に最終出勤日として仕事を納め、たった今空港に向かっているからだ。帰りの日付けも決めてない。とりあえず友人のいるマニラに向かっている。 フィリピンは入国に帰りの飛行機が必要

          再・住所不定無職日記 1日目

          住所不定会社員日記63日目(住所不定無職日記144日目) 最後の日記

           今朝は6時半に目が覚めた。布団を出たのは8時だった。7時頃に荷造りをする音が聞こえたが、夏に入ってからは珍しくお客の少ない日で静かな朝だった。シャワーを浴び、昨日ドラックストアで買ったヘアパックをする。髪を乾かして、ツナマヨトーストを食べ、今日のベッドメイク数を調べる。どこのベッドを清掃するかを書いて、一階のロビーのカウンターに置き手紙する。昨日から新人の清掃スタッフが入り、指示を出してから宿を出る。  朝からいい天気の中、毎日の通勤ルートになっている公園を通り抜ける。地元

          住所不定会社員日記63日目(住所不定無職日記144日目) 最後の日記

          住所不定無職日記18日目 私は私が自分で決めるのを待ってる

           9時半に目覚めて断薬を決意。本来はショートスリーパーで物音ですぐ起きるから早起きなのに、こんな遅くまで寝てられるか。起きたらみんないなくなっていて、1週間前に会った清掃のおばさんと鉢合わせる。高齢者が働く横で働いてないのはやっぱ肩身狭いなと思いながらゆっくりコーヒーを淹れて身支度する。気がつけば宿の期限が明後日なので延長しないとと思って階下に移動するがカレー屋も休みで予約の人もいない。経営サイドの態度の悪いお兄さんたちが会議をしているので宿を出ることにした。    内定先の

          住所不定無職日記18日目 私は私が自分で決めるのを待ってる

          住所不定無職日記15日目 友人と遊ぶだけの話

           共同生活のいいところは、誰かの生活スタイルを無視できないところだ。1時に薬を飲んで眠り込んでいたが、8時半に中国人留学生の女の子が電気をつけてくれて強制的に目が覚める。この子は23時前に勝手に消灯もしてくれるので、リズムが乱れがちな私の生活に良い影響を与えてくれる。つくづく誰かと暮らした方が絶対に自分には合っているなと感じる。  洗面所で顔を合わせ、部屋が寒いという話で盛り上がる。温かい日が続いたからか暖房が切られてしまい、夜はシルクの保温シーツにウルトラライトダウンを着込

          住所不定無職日記15日目 友人と遊ぶだけの話

          住所不定無職日記11日目 内定が出る

           ドミトリーに期待の新人が現れた。  0時過ぎにチェックインしてスーツケースをガラガラ引いてやってきた新しい宿泊者は、その時間からしっかりシャワーを浴びてドライヤーで髪を乾かし、やたらと動作音のうるさい電子レンジで食事を温め、ケトルでお湯を沸かして何か飲み食いしだした。その間中ひっきりなしにスマホの通知でバイブがブルブルと音を立てていた。(その頃にはしんと室内は寝静まっているが、不自然なくらいに寝息ひとつ聞こえないので実際はみんなスマホいじって起きていると思う)。やっと終わっ

          住所不定無職日記11日目 内定が出る

          住所不定無職日記9日目 飲んでも何も解決しないけど

           7時のアラームで目が覚めて持病の薬を飲んで、二度寝して起きたら8時半だった。慌ててシャワーを浴びて着替えた。9時半から予定があったのだ。昨日買ったデパ地下のおにぎりを食べてインスタントの味噌汁も飲む。梅と炙りたらこの2つで本来620円のものを半額で買った。正規価格は1つ300円となるが、最初はコンビニの三角じゃないちょっといいおにぎりと大きさも味も大差ないように感じた。だけどコンビニおにぎり特有のなんとも言えない生乾きみたいな時間が経ったお米の匂いがないのがまず良かった。あ

          住所不定無職日記9日目 飲んでも何も解決しないけど

          住所不定無職日記8日目 ひとりでも背中に薬くらい塗れる 

           睡眠についてここ数日抱いていた嫌な予感が現実になっていく。寝付けないで3時を過ぎた。  会社員の終わり頃から睡眠導入剤に手を出した。薬はどんどん強さを増して、気がつけば最初に服薬していた量の8倍の量が手放せなくなっていた。断薬に苦労して、何度も夜と地続きの重い朝を迎えた。やがて荒療治だが肉体労働がメインのバイトを始めると、あっさりと自然な眠りを取り戻すことができた。辞める頃には眠れなくて始めたことも忘れてしまうくらいに睡眠はまた当たり前のものになった。ここに来て最初の数日

          住所不定無職日記8日目 ひとりでも背中に薬くらい塗れる 

          住所不定無職日記7日目 現金尽きる

           昨夜もまた眠られなくて睡眠導入剤を少し多めに飲んだ。おかげですっかり寝坊して8時半に目が覚めた。部屋の出入り口近くのベッドの子は今日も早起きで、ケトルに水を汲んでいると外へ出て行くのが見えた。他に3ヶ所のカーテンがしまっている。思ったよりも連泊者が多い。  電子レンジについていたトースト機能を使ってみると、あまり美味しくないライ麦パンがしっかりこんがり焼けて当たり前だけど感動する。ただすっごくうるさいので毎朝使うのは難しいだろう。  天気が良かったので洗濯する。向かいのベッ

          住所不定無職日記7日目 現金尽きる

          住所不定無職日記6日目 だから私は旅に出た

           昨晩はよく眠れなかった。  新しい宿泊者が4人増えて今までで一番他人がいるからかもしれないし、取材の興奮やフリーライターについて考えていたからかもしれない。数日前に登録した語学学習のためのパートナーを見つけるアプリを開くと、50件くらいのメッセージが来ていて見ているだけで疲れる。古本屋で買った小説を開いて、弱めの睡眠導入剤を飲み、眠くなるまで少しだけ読んだ。  パウロ・コエーリョというブラジル人作家の「星の巡礼」という本だった。昼間に古本市で見かけて買った。この本を初めて

          住所不定無職日記6日目 だから私は旅に出た

          住所不定無職日記4-5日目 フリーライターデビュー

          4日目  8時を過ぎ、留学生を送り出すと、洗面台にお湯を貯めて洗濯物を洗った。下着とヒートテック、ワイシャツ、靴下をもみ洗いしてよくすすぐ。ついでに洗面ボウルも洗う。シャワーを浴びてコーヒーを沸かしパンを食べる。留学生が去って一人部屋になるかと思ったら隣と真正面のベッドのカーテンが新たに閉じていた。昨夜日付が変わる頃に聞こえた物音の正体だろう。  真正面のベッドがいつまでも動く気配がないから、そのまま日記を書きながら10時まで待った。もうチェックアウトの時間だし、連泊だろう

          住所不定無職日記4-5日目 フリーライターデビュー

          住所不定無職日記1日目 カレー屋に住む

           今日から住所不定無職だ。  昨日までは実家暮らしの住所特定アルバイターだったけれど、アルバイトをやめて実家も出たから晴れて住所不定無職となった。  昨日の夕方に実家を出て、歩いて40分くらいのところにあるホステルに移住した。歩いて40分と近いのは、そもそも実家が市街地のすぐそばにあり、ホステルも市街地の駅のすぐ近くにあるからだ。  この日は、ブッキングドットコムを使って1泊で予約していた。駅の裏手の人気のない通りを少し行くと、圧倒的に客の来なそうなカレー屋があった。宿と

          住所不定無職日記1日目 カレー屋に住む