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私が異端と言われても活動をしているわけ

私の実の弟には、障害があります。
知的な障害ではなく、身体に障害があるんですが、
実の母は息子をちゃんと産むことができなかったことを大変悔やんでいました。

いつも「私がこんな姿に産まなければ、この子はこんなに大変じゃなかった」「かわいそうだ・・・」「私がなんとかしなければ」
そう言っては、弟のお世話をしていました。

ある時、近所のおばさんに
「毎日、この子(おとうと)のために、自分を殺して、外にも出ないで
何をしてるの。もっと息子さんを外に出したらいいの。あなたの人生なんだからね。」と言われて、はっと気づいた母は、仕事に出かけていくようになりました。
おしゃれもして、バリバリ働く母の姿は、かっこよくもあり、頼もしくもあり、ちょっと自慢の母になりました・・・・。

でも・・・・・。それも長くは続きませんでした。
父や世間の方がそれを許さなかったんです。
子供たちを置いて、何をしてるんだ。
障害のある子供がいるのに、おしゃれをして毎日、仕事に出かけていくなんて、なんて母親だ。

そう言われてしまいました。
それを聞いてから、母はまた、「弟のために・・・・」と自分を殺して
ひたすらに弟のために、おしゃれをすることもなく、やりたいこともグッと我慢してお世話をするようになりました。

弟も成人して、母のことや周りのことが色々と見えてくるようになって、
母の姿をみて、がっくりときたそうです。
自分のために、母はすっかり老け込んで、疲れてしまっていたので・・・。

母とある日喧嘩をして、ついに言ってしまったんです。
「お母さん、僕は、そんなお母さんになって欲しいとは思っていないし。
なんで、そうやって僕のため、僕ため・・・って自分を殺して何をやってるの。重いんだよ」と。

母は、とても落ち込みました。そうですよね。自分を殺してまで弟の世話をしていたのに、重いなんて言われたのですから・・・。
そして、ずっと泣いていました。

その時、私は思いました。
母が生き生きと仕事をしていた時、おしゃれでかっこいい母が自慢だった。
自分は、あの時の母でいようと。

障害があったり、あまり色々と気づいていないようにしている子でも
親の気持ちや様子は敏感に感じ取ってしまうようです。
特に近くにいて、自分のことを一番みてくれている人の様子は一番感じるみたいです。

だから、息子も私には私の弟のようにいうことはできないけれど、
心の中だったり、こんなふうに、自分のことで、やりたいことを我慢したり、自分を殺して、気持ちを落ち込ませたり、疲れたりしないで・・・・
と思っているんじゃないかと思います。

だから、私は周りから、異端と言われても、あの人は変わっていると
言われても、子供たちからは、生き生きして、素敵だなーっと思ってもらえるようにいたいと、活動をしています。

今、自分を殺して、お子さんのことなどに心が傾いてしまっていたら、
ちょっと自分に気持ちをむけてみたらいいのではないでしょうか。





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