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セルフブランディングの鍵は?香川のアツい3人が語る

セルフブランディング」について、最近よく考えています。
ローカルTV局の記者として仕事をして15年ほど。「〇〇放送の山下です」と、取材のお願いをして相手が応じてくださる理由は「〇〇放送だから」であって、「山下洋平だから」ではない、という厳然たる事実。
記者個人としてのブランド価値をもっと高めなければならないと、Twitterやnoteでの発信を始めたところです。

そんな中、9月26日、この「セルフブランディング」をテーマにしたトークイベントが開かれたので参加&取材してきました。

主催したのは、地域ド密着コワーキングスペース「NEW ALKE(ニューアルケ)」。デザイン会社「スクルト」の事務所移転にあわせ、9月に高松市牟礼町に誕生したばかりです。

香川でも最近増えている「コワーキングスペース」。起業家やフリーランサーが対象で、一般の人には縁遠いイメージもありますが、「NEW ALKE」は、この記事のトップ画像に使わせてもらったイラストのとおり、農家や漁師さんといった一次産業の人や学生、そしてクリエーターなど様々な人が集まる場所を目指しています。
月額の利用料を「物々交換」でも可、としているのもユニークです。(自分の畑で採れた1万円分の野菜とか)

この場所で「ALKEKATA(アルケカタ)」と題して行われたこのイベント。
スクルトの社長で、香川のクリエイター集団「瀬ト内工芸ズ。」の部長も務めるアートディレクターの村上モリローさんとゲスト2人が、実例も交えながら「セルフブランディング」について語り合いました。

ゲストは、ヴィジュアル・グラフィックデザイナーにして、クラフトブランド「FRIKAKE」も手掛けるなど、モリローさんいわく「肩書不明のスーパークリエイター」得丸成人さん

そしてもう1人が「夢中のきっかけを作りつづける」をミッションに掲げる総合型地域スポーツクラブ「小豆島スポーティーズ」の渡部勝之さん
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テーマにぴったりの濃い面々です。以下、印象に残った点をまとめます。

まずは自分を知ってもらうこと

村上モリローさん:
「オモロいことをやっている人は世の中いっぱいいる。自分のことを知ってもらわないと信用してもらえない。やってる活動とは別に、『私はこういうことを思ってます』というのを発信し、人間性を分かってもらうことを、意識的にやっている」

得丸成人さん:
「いつも考えているのは『既視感を打ち破りたい』ということ。どこかに自分っぽさを出す。それは見た目からでも。眼鏡と帽子をいつもセットにしているし、派手な服装をするのは、『あ、得さんがいる』とすぐに見つけてもらえるし『得さん、○○におったよね』と印象付けることができる」

渡部勝之さん:
「セルフブランディングは、いわばポジションをとるということ。『自分はこういう人間ですよ、だから、いいと思ったら一緒にやりましょう』と。それを嫌う人、嫌わない人、無関心な人、に分かれる。『熱い』のが嫌いな人もいるし、調子に乗っていると言われることもあるが、ポジションをとらないとたどり着けない場所がある」

広告デザインやプロダクトのブランディングを手がけるモリローさんと得丸さん。そして、数々のプロジェクトの仕掛人である渡部さん。
マーケティングの世界では、「モノ」より「体験」、そして共感を生み出す「ストーリー」が重視されてきていますが、製品やプロジェクトに人を引き付ける・巻き込むためには、まず「自分」を知ってもらう、信用してもらう、共感してもらうことが不可欠になっているようです。

自分ではなく、隣の人のセルフブランディングをする

私が小豆島スポーティーズの渡部さんと知り合ったのは、去年12月に行われた「小豆島初のプロバスケ公式戦」の取材がきっかけでした。その後、様々なプロジェクトに密着取材させてもらっています。

接していて印象的なのが、渡部さん、自分の周りにいる人をとにかく褒めまくる!「あいつは、こういうときに、こんなことをしてくれた!」「すげぇやつだ」「あの子をぜひ(取材で)取り上げてやってほしい」…などなど。

「自分はすごいんだよ~」というセルフブランディングよりも、「こいつがすごい」という他人のブランディングの方が耳を傾けてくれやすいし、もちろん言われたほうもうれしいので、結果的に多くの人が周りに集まって、渡部さん自身の価値もあげているように感じます。

そして、「他人のセルフブランディング」に関連して、デザイナーとして様々な人とコミュニケーションの場を持っているモリローさん、得丸さんからは「自分のすごいところに気づいていない人が多い」という話も。

クライアントの方が「自分の業界ではこれくらいやるのは当たり前なんですよ…」とおっしゃることが、モリローさんや得丸さんから見ると「それは凄いこと=強みやアピールポイントになりますよ!」というケースも多いそうです。

ブレない“芯”を持つこと

その後、「ブレないこと、続けることがセルフブランディングにつながる」という話題になりました。

渡部さんは「ブレないって言っても、だいたいブレてる。大事なのは、ブレたときに、立ち返る港があることではないか」と問題提起。

これに対し、モリローさんは「ブレない“芯”、植物でいうと根や幹があったうえで、枝葉である手段・手法を変えていけることが大事」。

まさに、それを体現しているのが得丸さん。
グラフィックからVJ、クラフトと、様々なことをやっていて、一見するとブレているようでもありますが、本人の中では「一貫してオモロいと思うことだけをやってきた」。

「オモロい」こそが、得丸さんの唯一の“芯”であり、それを圧倒的に高いレベルで追求していることで、得丸さんがやってること=オモロいこと、というセルフブランディングができているのだと思います。

ちょっと本題からズレますが、ゲストの渡部さんと得丸さんは以前から関わりがありました。

小豆島に移住する前、プロバスケ・高松ファイブアローズ(現在、B2香川)でクラブ運営に携わっていた渡部さんは、成績も営業も振るわなかった中、得丸さんにタダで(!)選手のポスターデザインを依頼。
得丸さんは、その無茶ぶりに選手1人ひとりのカッコいいポスターで応えたというんです。
無料とか低い報酬に対し「これくらいでいいや」と仕事するのではなく、「どうせやるなら楽しんで最高のものを!」という姿勢、カッコよすぎます…。

見た目から熱さが伝わるモリローさんや渡部さんと違って、柔和な外見ながら中身は”激アツ”な得丸さんを感じたエピソードでした。
「ただ、俺はオモロくないことに対してはビックリするくらい冷徹やで」と得丸さん談(^_^; 

自分に正直であれ!

イベントのまとめとして「セルフブランディングというと、自分を積極的にPRする、前に出るイメージがあるが、決してそんなことはなく、控え目な人が後ろに下がるブランディングもあり得る」という話がありました。

「セルフブランドで最も大事なのは自分に正直であること、嘘はつかないこと。やることを遠慮するな。それを見つけてもらえる時代になってきた」

珠玉の言葉が満載のイベントでした。
ただ「刺激を受けました~」で終わらせず、自分はどんなアウトプットを積み上げられるのか!が問われます。


…そういえば、ゲスト自己紹介のパワポで渡部さんが出したのが、QRコード1つだけ!(笑)
参加者にスマホかざしてもらい、出てきたのは、自分のTwitterアカウント。速攻で10人フォロワー増やしてました。斬新!これもセルフブランディングw

現在、私もTwitterフォロワー増加キャンペーン中です。よろしければフォローを。

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