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伊豆半島を堪能する歩き旅7泊8日〜8日目〜

この思い出録、
とうとう最終日を綴る。

ここまでの僕たちは、地元住民の方と交流をし、途中で仲間が一人抜け、温泉を堪能し、ハイカー3人とすれ違ってきたがようやく3人目にして話すことができた
といった次第である。

最終日もまた、人に触れ、地域を知り、文化を眺める。
そんな1日であった。

ちなみに2人の精神状態はすこぶる良好だ。
ずっとケラケラと笑いふざけながら歩いている。
ただ1つ、カップルの多さに辟易していること以外は…。

〜おやすみからおはようまで〜

ガラスと貝殻を拾い集めて、東屋になにかを残そうという
今思い返すとなんだか気恥ずかしいまるで青春映画のようなことをした2人

寝床は簡素的に仕上げている。
野宿のハードルが実に低い。
屋根もあるので、ビビィだけで過ごす。

ベンチがベッドとなった。

風はそんなに強くなく、
満ち引きの潮の音が心地良かった。
この旅の野宿中、一番よく眠れたと思う。

キャンプは禁止されていないところでやっているんだが、
どうにも周囲の目線を気にしちゃうのが僕のサガ…

このときの海岸は、人が来る雰囲気もなく、こじんまりとした浜辺で周囲が岩で囲まれていたので快適だった。

明日はどこまで歩けるだろうか

そう思いながら、寝床についた。

目を瞑り、ゆっくりと体を休めるとふと思い出した。
フナムシの集合を見たT氏が
「フナムシって海のゴキブリらしいですよ」
その光景が脳に浮かんだ。

寝よう。

翌朝、遊歩道を歩き始める。
朝露がスネに当たって気持ちいい。

2人ともそこそこ疲れている。
きちんとしたゼロデイを取れていない。

温泉民宿の街を通ると、高通山へ続く道に入る。

上に上がると、なんとも見晴らしが良さそうなキャンプ場がある。
キャンパーの方々が設営を済ませた様子の時刻。

これから山へ入る。

高通山はツツジが美しく、街から一気に山深い景色になる。
見晴らしが良いところに行くと海が見える。
海はいい。

とってもいい海である。

ここで一息ついて、山頂を目指す。
斜度がきつめでなかなかハードな道だ。

ぜぇぜぇ言いながら2人は登頂した。

そこにカップルのハイカーが休憩していた。
挨拶を交わし、各々の時間を過ごしていると
「よかったら、黒飴どうぞ」
なんて爽やかなんだ
なんて…すみませんこんな汚いおじさんですみません
と思いながら
"ハイカーはもらえるものはもらう"
の精神で
「いいんですか?ありがとうございます!うわーウマァアアァァイ!」
と遠慮なくいただいた。

伊豆名物の黒飴だった。
その後、T氏は黒飴の正体を突き止めるべくGoogle先生とお友達になっていた。


下山ルートに進んでいく。


この細道を通ると、猿がお出迎え。
ちょっと興奮気味でちょっと怖い。
トレッキングポールを武器に警戒しながら歩いた。

この先にモンキーパークがあるらしい。

腹が…減った…モンキーパークの駐車場で昼にでもしよう。
と話していた。

…しかし駐車場に着くと「猿がたくさんいます。敷地内での飲食はご遠慮ください。」
的な張り紙が貼ってあり、僕たちは膝を落とした。

もう少し歩こう。

なんだか2人とも精神的にも疲れてきている様子だった。

また住宅地を通ると海が見える。
流木のベンチがあったので、そこで腰を下ろして昼食にすることにした。

海を眺めながら、あるだけの食料を口に運ぶ。

ふと「もう帰ろう」という気になり、
自然と口から漏れた。
「帰りますか。」
T氏も少し驚いた様子ながら「そうしますか」
と帰ることを決めた。
もう少し歩けばバス停がある。

そこのバス停まで歩いて下田駅に帰ることにした。

温泉に入って帰りたい…
と下田駅から少し電車に乗ったところの金谷旅館へと向かった。


〜終わり〜

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