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【閲覧、ネタバレ注意】 映画「Joker」感想

闇鍋です。

今回は一昨年にアカデミー賞を受賞したなど多数の賞を受賞した映画の「Joker」の感想を書いていこうと思います。
(映画自体は割と前に鑑賞したので思い出しながら書いています)

感想を述べる前に、この記事はネタバレ、センシティブな表現を含む可能性があるので、そういったものが苦手な方は閲覧をおやめください。
また、犯罪を助長するものでもないですのでご了承ください。
何でも許せる!と言う方のみスクロールしてください。










まず、自分の率直な感想としてはとてもおもしろかったです!!

元々、この映画は刺激的でとても憂鬱な映画だと評価されることが多く、
観ると精神的に大きなダメージを負う、重いうつ状態になる可能性が高いのでメンタルが弱い方は鑑賞を注意する、避けるなどの措置を取るようにと米軍が警鐘を鳴らしていたんですよね。

ですが恥ずかしながら、何度か精神的に危険な状態になったことのある自分としては日常的によくある光景やシーンがあったので、「それめちゃくちゃ分かる!」と共感したり、自分と重ねながら観ることのできた作品です。

主人公のアーサーは貧困な家庭に生まれて体の弱い母を介護しながら道化師として働き生活をしているのですが、彼は情動調節障害と呼ばれる疾患を持っており、突然笑い出してしまう症状を持っていて自分でコントロールができません。
その他にも幾つかの精神疾患を持ち、精神科に通院もしています。
劇中では笑い出してしまう症状を不審に思われて煙たがられたり、暴力を振るわれるシーンがありました。
私も無自覚で瞬きをたくさんしてしまうチック症があるみたいで、人の話を聞いていないように思われていたり、緊張しているように勘違いされてしまうことがよくありました。

最初は自覚していませんでしたが、母から「あなたは目の焦点が合わなくて目が泳いでしまうクセがある」と言われたり、自分が話している様子をカメラで撮ってから観てみてようやく分かってきたことです。
どうやら自分には目つきに違和感があるみたいです。

私も昔、チック症の方を何度か見かけて感じていたことですが、そういった方とコミュニケーションを取るのは難しく感じる、話しかけづらい、信頼したくてもなかなかしづらいという健常者の方の気持ちも分かります。
ですが、面と向かって「よく分からないけれどあなたとコミュニケーションを取るのが怖い」、「他の人と何かが違う」と言われた時の罪悪感や劣等感はとてつもなく大きいですし、周りから恣意的に取り残されているという感覚で全身が痛いのです。

話が少し逸れてしまいましたが
主人公は仕事中に護身用の銃を誤って落としてしまい、解雇されてしまいます。
一時はコメディアンになりたいという自分の夢を叶えるために、自分が突発的に笑い出してしまうというのを逆手に取りながらネタを作り、テレビ局からコメディアンとして一目置かれてテレビ番組に出演するというチャンスを掴み取りますが、
電車の中で富裕層の男性達が女性に嫌がらせをしているのを目撃した時に発作を起こしてしまい、大声で笑ってしまったのをキッカケに主人公は男性達からいちゃもんをつけられて暴力を振るわれてしまいます。
その瞬間に主人公は護身用の銃で男性達を殺してしまうのです。

主人公はしばらく放心状態になっていましたが、
・自分が今まで愛して止まなかった、唯一信頼していた母が幼い頃の自分に虐待をしていたことで発作が起こるようになったことが判明
・自分が富裕層の代表格であり、相反する存在として憎んでいた人物(バットマンの父)の隠し子であることが判明
・仕事がなくなってしまった悲しみ
・通院していた精神科や福祉サービスがゴッサムシティのコスト削減のため打ち切りになってしまった
という様々な不幸や災難を同時期に被ることで精神的に狂っていき
母やかつての仕事仲間をも殺害するようになり、やがてテレビ番組で「自分の人生は喜劇だ」と開き直るような人を殺したことを自白することになりました。

これは俗に言う「無敵の人」という状態ですかね。
失うもの全てを失い、もう失うものが何もなくなったからこそ、こういった危険で反社会的な行動ができてしまうのですね。

私自身も「無敵の人」と似た状態だったことがありました。
高校の時に学校に馴染めなくて1週間ほど不登校になった時期があり、
進路や目標が定まらず、内申点を犠牲にし、生き甲斐だったダンスのレッスンにも行けなくなり、食事ができなくなり、信頼できる友達や仲間もいなかったため何も失うことがない状態でしたので何も躊躇せずに首を絞めて自殺に臨んだことがあります。

「無敵の人」というのは荒んだメンタルを持っていますが、失うものが何もなければ皮肉にも、何でもできるような気がして、大きな自信を持つようになり、無限大に強くなれる病みつきの状態なのです。
病みつきな状態だからこそ、抜け出すのは難しいです。
しかし、この「無敵の状態」は一見禍々しいものには見えますが、実は私がダンスであらゆるものや感情を表現したい時にちょっと役立っています。
私はどちらかという「鬱蒼とした、暗いけど何か魅力的なもの」が好きで、それを表現できるのは精神を極限まで削った者にしかできません。だからその状態を自分に一時的に憑依させられるように頭の中でトレーニングを日々しています笑

しかし、主人公に降りかかったたくさんの悲劇を自ら「喜劇」と開き直る強さには惹かれるものがあります。
自分もこういった苦しい経験をプラスなものに、ポジティブなものに捉えられるようにしたいと思います!

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