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伝統の一戦『関関戦』観戦記

『5戦0勝3敗2分』

勝てない。

関学に勝てない。

これは私の「関大vs関学」の現地観戦の成績。


先日、8月ぶりに現地観戦をした。

後期、思ったように観戦に行けていなかったが、その日は「絶対」だった。
私にとって「行きたい試合」なだけでなく、
「行かなければならない試合」だった。

なぜなら、相手が関西学院大学だったから。

関西大学にとって因縁の相手。
関関戦と呼ばれるその戦いでは、両者の伝統や想いがぶつかり合う。

関学にどうしても勝ちたい。
関学に勝つところが見たい。

そう思い、万博記念競技場へ赴いた。


でも結果は悔しすぎるドローとなった。


「2年半勝ててないけどそろそろ勝てるやろ」

「学生最後の関関戦、最後やし勝つドラマ起こるやろ」

「このメンバーで関学に勝つところ見たすぎるやろ」


そういった私の想いは
本当に勝手でエゴな理想で、

そうは上手くもいかないことを知った。


前半11分

関西大学がカウンターから攻め込み、先制した。

先制するだけで「よしいける!」といった期待が勝手に膨らんだ感覚を忘れない。

もちろん嬉しかったが、かなり早い時間での先制点。
先制点は相手への脅威になると同時に、自身への重圧になることもある、厄介なもの。

相手はプロ内定者4人を擁するタレント揃いのチーム。
その1点は確かに希望であったが、そんな点差はすぐに覆されることを知っている。

はやく2点目を、、、と思いながら応援するも
なかなか関大らしいサッカーをさせてもらえない。

決して流れが悪いことはなかったが、
後半14分
一度もボールに触らせないまま完璧な崩しから同点弾を叩き込まれた。

そこからも決して力を緩めることなく応援席もベンチも全員で戦ったが、その後どちらのゴールネットも揺れることはなかった。


なんとも言えない未練が残る。


私がここまで関関戦に執着する理由。

やはり関関戦は私にとっても特別な想いがあるのが確かだったんだなと気づいた。

忘れもしない、昨シーズン前期の関関戦。

その日も同じ会場で、初めての関関戦の観戦だった。
その日のことを以前noteにこう記した。

伝統の一戦。関関戦。
観客席にはチア、応援団、スティックバルーン、大勢の観客。
いつもとは違う雰囲気が会場全体に漂う。
開会の催しや挨拶があって、やっと試合が始まった。

両者、大学のプライドを賭けた負けられない一戦。開始早々、激しいプレーが続く。


かと思えば、彼が倒れ込む姿が視界に入った。
すぐには起き上がれない苦しみに悶えたあと、
彼はわずか開始2分でピッチを去った。


ピッチを出た瞬間、泣き崩れる姿から目が離せなかった。
私は再開された試合を見ていなかった。
ギュッと胸が苦しかった。


重大な怪我だったらどうしよう。
四日後のC大阪戦は出れるのかな。
めちゃくちゃ悔しいだろうな。
今日、彼がいなくて勝てるのだろうか。

いろいろなマイナスな思考が次々と浮かんだことを覚えている。



そしてその時に決めた。
彼が報われるまで応援しよう、と。



診断は肉離れ。ウォーミングアップから時間があいたのが原因だ。
もちろん4日後のC大阪戦への出場辞退を余儀なくされた。



大阪サッカー選手権大会後のインタビューで天皇杯本戦に向けて意気込む彼の言葉が虚しく反芻した。


ここでの「彼」とは百田真登選手のこと。

彼を応援するきっかけとなったこの日から関関戦は私にとっても特別なものとなった。


あと、関学と対戦するチャンスはといえばインカレ。

関西同士の潰し合いは見たくないというのも率直な感想だが、

日本一を決める大会。

できたら、1月1日。
決勝でそのカードを観たい。



私ももう大学4回生。

なにをするにも「最後の」といった言葉がつきまとう。

関関戦の日だけ紫紺の戦士たちが纏う赤いユニフォーム。

その姿を見るのも、
そのユニフォームに合わせて赤と白で私がコーデを組むのも最後となった。

特別な日がまたこうして、消化されていく。

泣いても笑ってもあとリーグは2試合。

首位の背中はすぐそこ。

絶対に勝ちきってインカレにつなげよう。

バモス!関大!


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