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『立夏』 詩と初夏に思うこと

『立夏』

立夏の風にカーテンが揺れる
春の足跡を吹き消すかの如く

見上げた空は
目が覚めるような濃い青に白い雲
夏の訪れを教えるかの如く

風の音に
空の色に
日に日に長くなる光の先に
初夏の気配は満ち満ちて

またひとつ風が吹く
舞い上がるカーテンから
橙色の日が溢れ落ちる

2023.5.6


今年も立夏を迎えました。
薄く繊細だった空の色は、いつのまにか目が覚めるような濃い青に変わり、白い雲との対比に生き生きとした美しさを感じます。

日が長くなる初夏といえば、カーテンから溢れる夕暮れの光の中で考え事をするのが私のお気に入りです。
移りゆく空の色は御伽の国をちらりと見せてくれるようで、現実と非現実の境とも言うべき特別な時間なのです。

辛い時、悲しい時、身体の調子が悪い時、私は夕暮れにすべてを任せます。
部屋の中が少しずつ暗くなる時間、その仄暗さも私の心へふわりと寄り添ってくれるようで、心の平穏を保つのに大切なひと時なのです。

光の色加減、鳥の鳴き声、風の音……
自然とおしゃべりする時間は、本当の自分を知るきっかけを与えてくれるのではないでしょうか。


新緑の季節、みなさんが素晴らしい時間を過ごせますように。

空の色にも夏の気配が。

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