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ふたたび

気づけば蝉の声がする季節となった。
自分の身体に難しい病気があることがわかって、初めて迎える夏となる。

春には一時的に歩けるようになったものの、梅雨から下降気味となった私の身体。
今も全身の硬直と脱力を繰り返す日々が続いている。


でも、そんな中、嬉しいことがあった。
ふたたび大学の試験を受けることができたのだ。

「5分だけでも」
体調がよい時間を見つけ、やれる時に学び続けた成果が、ようやく実を結んだ瞬間だった。
試験を受けるところまで漕ぎ着けることができたことで、少し自分を褒めることができた気がする。

歩けなくても。
呼吸が苦しくても。
身体中に痛みが走っても。

まだできることがある。
ふたたび挑戦できるものがある。

秋は何をしようか。
そう考えると、もう心が躍る私がいる。



人生は一瞬。
私の喜びや悲しみは、太陽から見れば、木の葉を揺らしては過ぎ去る、あの風と同じくらい儚いものであろう。

今を大切にして、毅然と前を見つめ、今年も実りの秋を迎えたい。


育てているフウセンカズラ。
フウセンカズラのように、心は自由に風に揺られていたい。

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