弓は骨で引くもの??(百射会)

こんにちは。

2/11は国体の自主強化練習でした。
この日は通常の練習ではなく、遠近的混合の百射会を行ないました。

今までの人生で百射会は2回経験しています(自主練時の百射は除く)。
最初の百射会は大学2年のときで76中、2度目は大学3年生のときで87中でした。

百射会というと百射引いて何本中るかということに注目されがちですが、実際に参加してみると大半の方は百本引き切れるかに必死になることと思います。実際私も百射引ききれるか微妙なところでした。普段から全身のトレーニングは欠かさないものの、弓を引くための筋肉とトレーニングマシンや自重トレーニングで鍛えられる筋肉はやや異なるためです。これは弓を引くとほぼ必ずといっていいほど翌日筋肉痛に襲われることからも明らかです(経験則)。

しかし上記のようなことをいうとえらーい高段者の先生からこのようにツッコまれそうです。

「弓は骨で引くものなのだから、筋肉はいらない。弓を引いて疲れるのであれば、それは引き方がなっていない」 と。
私も初心者のころからこのように教わってきました。そもそも弓を骨で引く、ということが可能なのでしょうか?

その答えは『×』です。
なぜなら骨は筋肉の伸縮によって動かされているからです。つまり骨を動かす=筋肉を動かすであり、骨で引く=筋肉で引く、ということができます。

しかしやたらめったらと筋肉を使って引くのは、決して良いことではありません。
弓は馬手(右手)で弦を引きしぼりますが、このとき拳に思いっきり力を入れていると離れができなくなります。離れをするときに拳を開くときに力を抜かなければならないからです。また両肩をすくめて力を入れて引くと、伸び合いが上手く働かずこれもまた良い離れには繋がりません。それに筋肉に力を込めて引いていては、冒頭でお話した百射会など完走できようがありません。

では、「骨を使って引く」の正しい意味とは一体なんなのでしょうか?

これは個人的な解釈ですが、「自分の骨格に合う様に、身体と弓を一体化させるようにして、余計な力を加えず弓を引く」ことではないでしょうか。

骨格はまさに千差万別で、性差や身長の違いの他、生活習慣でも変わってきます。「Aさんの言う通りに引いても上手くいかなかったけど、Bさんの言う通りに引くとしっくりきた」という場合は、教え方の上手さ以外に骨格に合った引き方を教えてもらえたという可能性もあります。
骨格に合わない引き方をするとどうなるかわかりますか?身体にとって不自然な動きをしなければならないので余計な力を加えなければなりません。そうなると一射ごとに微妙なばらつきができてしまいますから、再現性がなくなります。要は、的中率が落ちます。
また、弓を身体に近づけて引くことも余計な力をかけないうえでとても重要です。例えば大三を近くにとるのと遠くにとるのでは、引分けをしたときの疲労具合が違うことがわかると思います。疲労する引き方は、本数を重ねる毎に身体を庇おうとして、徐々に変化してしまい再現性を失います。

自分の骨格に合った、弓と身体を近づける引き方を身につけること、つまり「骨で弓を引く」やり方を身につけることで、本数を重ねても試合で緊張しても再現性の高い射を発揮することができます。わずかでも無駄な力を使ってしまうとそれが一射ごとのブレを生じさせて、中りを遠ざけてしまいます。
必要最低限の力で最も楽な引き方で弓を引くことが高的中を出すために必要なのです。

というようなことを今回の百射会で考えたのでした。参考になれば幸いです。

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

余談:百射会は80中でした。練習不足にしてはがんばったほうです。いつか90中したいな〜……

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