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お腹いっぱいになった、オンライン・イベントを超えて

コロナ禍になって日本社会は多くの厳しい環境を経験したが、逆に少ししかないよくなったことの一つにオンラインへの適応があるだろう。

もちろん環境や年齢によってはオンラインへの対応の難しさがあった人もいるかもしれないが、オンラインによっての選択肢が広がったことはほとんどの人は認めることだろう。

この恩恵の一つが、オンライン・イベント。数年前まではイベントといえばほぼリアルで、その頃では想像もつかなかった面白いオンラインでのイベントがずらりとPEATIXやFacebookから毎日流れ込んでくる。

イベントを主催する立場も多い私としても、過去にないほど気軽にイベントを計画し、実行できる。参加する立場としても、他のスケジュールとのバッティングをリアルほどは気にせず、今までわざわざ行かないと聞けなかった話を移動時間がかからないメリットを感じながら気軽に参加できる。

気軽に実施でき、気軽に参加できる。実に結構なことだが、最近ほとんどの人はオンライン・イベントにお腹いっぱいになっていないだろうか。

主催者から直接声をかけられたら「興味持っていた」と答える興味深いイベントにも、なかなか一歩踏み出して参加しようという気にならない自分がいたりする。「興味持っていた」レベルでは自分の身が持たないほど参加したいイベントが多すぎる。


コロナ前からすると、実に贅沢な状態ではある。インターネットが出現して、今まで人の頭の中や図書館に眠っていた知識に広くアクセスできるようになった恩恵が、オンライン・イベントにもやってきたのだ。

ただ、主催する立場としてはなかなか悩ましい状況でもある。気軽に実施できるのはいいが、そのイベントに来てもらいたい参加者の気を引くのが大変である。「興味を持っていた」レベルではなかなか参加してくれないのだ。

その解決策として自分が思うものは、まずは「興味を持っていた」から「どうしても参加したい」にイベントのレベルを上げていくこと。

とは言ってもなかなか簡単ではない。コンテンツを「どうしても参加したい」というレベルを実施しようと思うとハードルが上がるし、そもそも「どうしても参加したい」ものであってもすでに満腹状態の参加者候補に伝えるためには、インフルエンサーでない一般ピープルにとってはなかなか難しいものがある。

そこで私が個人的に勧めるのが、登壇者を多く作ること。この前は登壇者9人、登壇者以外の参加者3人というイベントを実施したが、かなり面白いものとなった。

登壇するとなると、そのイベントを楽しんだり意味あるものにしたいとなり「どうしても参加したい」ものに一緒にしようと考えてくれやすい。参加者になってほしい人に、'参加してよ'と営業活動的にプッシュするよりも、'登壇者として一緒に面白いイベントをしない?'と誘う方が誘いやすくないだろうか?

基本的に情報がインターネットで民主化された現在、この延長線上には、一方通行の情報伝達的なイベントはどんどん少なくなり、全員が登壇者的な発信者となる双方向の場になっていくんだろう。

※キュレーター務める、自由大学の「場の主催学」の2期の募集開始!
 https://freedom-univ.com/lecture/organize.html/

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