見出し画像

次世代リーダーによる社会課題解決に向けた、'本質的な課題' 認識の重要性について

 主宰する異業種混合型社会課題解決プロジェクト「ALIVE」では、4回のセッションのうち、セッション1で3つの答申先からテーマを提示し、各テーマごと3〜5つのチームからセッション2・3・4で毎回提案をブラッシュアップしたプレゼンテーションを実施。答申先と外部のアドバイザーからフィードバックを受ける。
 最終のセッション4では具体的な解決策が、「できそう(実現可能性)」で「やりたい(ワクワク)」かを答申先が判断し、採用するか不採用かを決定する。

 もちろん、答申先がやりたくてもどうしてもやれなかったテーマに対する提案は、いくら各企業から選ばれた優秀な次世代リーダーが集結したチームであっても簡単には解決策を提案できない。
 ただでさえ困難な社会の課題の解決策を考えるという一般的な難しさももちろんあると思うが、これまで過去39の答申先の150以上のチームを見る中で私が感じている大企業の次世代リーダーならではの難しさは、少し別の観点だ。

 それは、’本質的な課題’を考えること、だ。
 ここで言う'本質的課題'とは、’ありたい状態に現状を変えていく、最も解きやすく・効果を呼び起こしうる問い’というほどの意味で使っている。単なる問題点の羅列であったり、なぜなぜの繰り返しがなく効果的な解決策が見えなかったり、その課題を解いたとて効果が見えにくいような感触をよびおこすようなものでない。

 なぜ大企業の次世代リーダーならでは、’本質的な課題’を考えるのが難しいのか。効率的な大企業のシステムの中では、上層部や経営中枢からの大きな課題設定を経て、現場や若手に近いほど具体的な解決策を考え実行している。この落ちてきた課題への解決策を考え実行していく能力で評価されたのが、ALIVEにも参加している次世代リーダーだからなのではないだろうか。

 ALIVEではこのような側面も考え、セッション3以降が’具体的な解決策’にフォーカスが当たるのに対して、セッション2では一気に解決策まで求めず、'本質的な課題'をメインに'解決の方向性'をサブに提案をし、フィードバックするステップとなっている。
 このステップをふまないと、企業と比較にならない僅少なリソースでなおかつ社会の課題という課題解決としては非効率で非定型の課題を解決したいと願う答申先に寄り添えず、机上の空論を振り回した安易な企業目線の解決策の提案となってしまう場合が多いからだ。
 セッション2時点では、ほとんどのチームはアドバイザー・答申先から良い評価を得れないものの、まずは’本質的な課題’に意識をあて、’本質的な課題’=’ありたい状態に現状を変えていく最も解きやすく効果を呼び起こしうる問い立て’をしないと決して解けない課題であることを認識することが重要だと考えている。

 次回は、その中でセッション2時点でチームがよく陥るワナとそこに対し響くフィードバックについて、考えをまとめたいと思う。

https://note.com/y_shoji/n/na9de3d3ce1d7



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?