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PPP的関心記事まとめ【公民連携 ケース/事例視察篇】

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これまで書き溜めてきた「PPP的関心」記事の中から、公民連携事例やまちづくりに関わる取り組みなど「現地・事例」を実際に自分が訪問して見聞した内容やその中で考えたこと、感じたことに… もっと読む
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記事一覧

台湾視察:DAY3。社團法人亞太公私合夥建設 (PPP) 發展協會、國家發展委員會、空港PPP事業者 訪問記録

とても長いタイトルになってしまいましたが、2024年3月初旬に行った東洋大学PPPスクールの現役院生・OB・客員を含む教員との台湾公民連携関連の視察ツアー記録 3日目の記録です。 3日目は台湾においてPPP事業の拡大、発展を支援する民間団体(と言っても元政府関係者や大学関係者、実務家など「主役級」の多彩な顔ぶれの団体)の訪問、「JOIN」という台湾の国家発展に関わる政策推進のためのデジタルプラットフォームを運営する部門への実態ヒアリング、最後に松山、桃園という主な国際空港の「

台湾視察:DAY2。台中駅PPP事例視察と財務部PPP当局&台北市政府メンバーとの交流・ディスカション

バタバタしていてあっという間に1ヶ月が経ってしまいました…(反省) 2024年3月初旬に東洋大学PPPスクールの現役院生・OB・客員を含む教員とともに台湾の公民連携取り組みに関する視察ツアーを行いました。 二日目は2か所を訪問。午前中はTHSRを使って台中に移動し旧・台中駅という歴史的建物の保存・活用+台鉄保有資産の有効活用(駅前再開発)を一体化したPPP(対象不動産とゾーンによってBTOとROTとOTを組み合わせた公民連携)についてお話しを伺いました。 午後は台北に戻って台

台湾視察記録:DAY1 MaaS推進のPPP@台湾政府(高雄市の事例ヒアリング)

2024年3月6日から10日まで、東洋大学PPPスクールの現役院生・OB・客員を含む教員と台湾の公民連携取り組みに関する視察ツアーに出かけました。 6日は現地に入る移動日ということで、その日の午後から活動。 初日は台湾政府交通部(Ministry of transportation and Communication)の運輸研究所(Institute of Transportation Technology and Information System Division )の

PPP的関心2024【視察メモ@廿日市市・広島、山陽小野田・山口③「注目のLABV方式」先行事業例】

東洋大学PPPスクールの先生、メンバーと一緒に行った「視察メモ@廿日市市・広島、山陽小野田・山口」のその①、その②(以下のリンク) に続く第三弾。2日目に訪問した山陽小野田市のLABVプロジェクトについての記録メモです。 山陽小野田市LABVプロジェクトとはLABV方式については過去(H26のレポート)の内閣府のHPにも「英国における定義」などについて示されています。そこには「一般的に公共が不動産、民間が資金を出資して、議決権 50:50(*矢部注:事業体形式によって議決

PPP的関心2024【視察メモ@廿日市市・広島、山陽小野田・山口②「廿日市市地域医療拠点等整備 PRE事業」】

東洋大学PPPスクールの先生方、メンバーと一緒に行った視察メモ@廿日市市・広島、山陽小野田・山口の①は「まるくる大野」に続き、今回はその2として廿日市市が行った地域医療拠点等整備事業の視察記録です。 廿日市市地域医療拠点等整備事業とは個人的な注目点1。地域課題への対応方針と先手を打つ不動産取引への参入今回の事業用地はもともとは大手SCの店舗だったそうです。地域の変化に伴いSCが撤退することになった際、跡地の行方は民間による土地取引に委ねられるのが一般的なわけですが、一方で行

PPP的関心2024【視察メモ@廿日市市・広島、山陽小野田・山口①「まるくる大野」】

年が明けて3週目。今週は広島・山口・栃木・大阪と結構動き回りました。それなりに疲れましたが、とても学びの多い1週間でもありました。 今回は動き回った記録の中から、東洋大学PPPスクールの先生、メンバーと一緒に視察にお邪魔した廿日市市・広島、山陽小野田・山口の公民連携事例の視察記録を記事にします。 「まるくる大野」視察メモまるくる大野は従来から提供されていた行政サービス(市民センター、体育館、図書館)に加えて新たに「子育て支援機能」を備えた複合施設です。 行政の視点で言えば、

PPP的関心2023#34【リサイクル率日本一、サーキュラーヴィレッジ・大崎町を訪問】

酷暑が続いた8月の終わり、熊本でいただいた仕事の機会に合わせて、サーキュラーヴィレッジ・鹿児島県大崎町を訪問するツアーにもお誘いいただきました。今回は大崎町で見聞したことのメモです。 きっかけは焼却炉を持たない町のごみ処理問題 人や建物が集積して暮らしが起これば、少なから動脈としてのエネルギーや食糧の取り込み(自給も含め)をどうするか、静脈として廃棄物の排出をどうするかという都市的問題が生じるわけですが、今回視察した取組は大崎町で25年前に顕在化した都市の静脈問題がきっかけ

PPP的関心2023#33【久しぶりに思い出したメモ。Value Creation and Capture Framework】

フェイスブックの「思い出」は、色々と昔の自分の記録を思い出させてくれますが、5年前のちょうど今頃(2018年8月12日〜19日)は「オーストラリアPPP視察ツアー」と銘打って社会人大学院のメンバーと一緒にメルボルンとシドニーに滞在していました。 今回は「短い言葉」ですが、その時の記録の中で改めてPPP的な取り組みが持つ意味みたいなものを再確認させてくれる「Value Creation and Capture」という言葉を記録しておこうと思います。 Value Creatio

PPP的関心2023#32【廃校Re活用にみる、官民双方に試される「変われる力」】

先週の投稿でNewマガジン計画中と書きましたが、今週はこれまでの続きのPPP的関心というタイトルで視察記録的な記事として、先日訪問した京都府福知山市の「廃校Re:活用プロジェクト」について見聞して再確認したことを整理して書こうと思います。 京都府福知山市。廃校Re活用プロジェクト京都府の北西部にある福知山市。実際に足を踏み入れたのは今回が初めてでした。いざ行ってみよう、となると案外アクセスはよく、「北近畿の交通の要衝で京都や大阪、神戸などの大都市へのアクセスも容易」というコ

PPP的関心2023#20【かみのやまランドバンクに学ぶ。地方・小規模都市の空き家対策】

先日「NPO法人かみのやまランドバンク」を訪問しました。ランドバンクについて改めて学びたいと考え、たまたま知人のネットワークで見つけた鏡氏にお願いして現地をご案内いただきました。 単なる情報収集・発信や土地整理や建物改修という不動産業的な取り組みにとどまらず、むしろ「不動産業+まちづくり会社」という領域で活動が行われていました。今回の記事は視察記録(要約的メモ)として。 写真は映画館跡地の広場活用(候補)地と特区で実現した街中ワイナリー。当日は休日で中まで拝見できず残念でし

PPP的関心2023#15【民間が行う地域課題解決。こみなと待合室・ガーデン@五井,視察"速報"】

五井(ごい)駅はいつ降りたのか?(いや、そもそも降りたこともなかったかも?)不明なほど珍しい訪問先なのですが、地元を元気にしようと活躍している市原の若者・大橋さんからお声がけいただいたことに加え、小湊鐵道の車両たちを間近で見ることができるっ!という鉄分的なワクワク動機も手伝って行ってきました。目的地は「こみなと待合室」、そしてこみなと待合室の横にできた新たな空間「こみなとガーデン」の プレオープンイベントにお邪魔しました。 今回はとりあえず「速報」ということで情報は少ないです

PPP的関心【まちづくりにおける時空一致という視点を学びました】

たまたまですが最近はいろんな場所にフラフラと出歩いているので、以前のようなニュースや各種トピックに対して気づきや自分の考えを述べるという記事だけではなく、訪問した場所で実際に見聞きしたことから考えたことをPPP的関心で書くことが増えています。今回も先日お邪魔した湯河原の万葉公園とその周辺のまちづくり活動、街の変化を見聞して考えたことを書こうと思います。 *写真は湯河原の万葉公園の中にある川の道の沿道(休憩ベンチ)の様子。 湯河原温泉湯元通りの修景と万葉公園のリノベーションを

PPP的関心2023#06【別府まち歩き記録】

久しぶりに出張続きの1週間。盛岡・秋田から横浜にワンバウンドして大分そして別府を訪問しました。 訪問した日は「宇宙ビジネス」のお話を聞く機会をいただきました。単なるインフラ整備といった話ではなく、その裾野は地域の経済活動の活性化起点でもあるというお話を、県として「宇宙港」事業化に取り組む職員の方から伺いました。説明のなかで見た実写映像は、私の世代的にはサンダーバード的な世界が「現実」に映るワクワク感でいっぱいでした(笑)。 と、まぁそれはそれとして、今回のPPP的関心は翌日に

PPP的関心2023#05【大企業が手掛ける細やかなPPP・おひさまテラス】

先日、総武線の特急「わかしお」に初めて乗りました。銚子方面に出かける機会もなかなか無かったので良い機会でした。 今回初めて特急に乗って移動した行き先は旭駅(千葉県旭市)。2022年4月にオープンした多世代交流施設「おひさまテラス」への訪問が目的でした。 今回はおひさまテラスの視察で得た学びや感想などを書こうと思います。 写真はおひさまテラスの様子(筆者撮影) おひさまテラスについて平成17年に1市3町の合併で誕生した旭市では「生涯活躍のまち・あさひ形成事業」として「旭市にし