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読書「SNOW FLAKE」 ケネス・リブレクト写真 パトリシア・ラスムッセン文 山と渓谷社 翻訳者2名を加えて異文化4名による最高のアンサンブル

1 この本との出会い
この本、日本語翻訳者が2名クレジットされています。一人は、広田さん。海外戯曲の翻訳が専門と書かれいます。もう一人は、現在、日本雪崩ネットワーク(JAN:Japan Avalanche Network)、冬季アウトドア活動の雪崩安全に係わる非営利の専門団体で活動されている、スキー関係者の、でがわさんです。でがわさんの講演は何度も聞き、安全登山について学びました。雪の山が好きな、知っている人が関わっている本なので、購入しました。
私の持っているのは初版のハードカバーですが、後に再販したものがあるようです。

2 本書
軟らかいトーンで誌的とも感じる文章に、美しい雪の結晶写真が組み合わされています。文章を書いているパトリシアさんは、CALTECH(カルフォルニア工科大学)の物理学者です。雪を科学の眼と誌的な眼の両方で捉えています。そこにケネスさんの写真が加わり、日本語版ではさらに、戯曲のプロの広田さん、山とスキーのプロの、でがわさんが関わっています。物理学者、写真家、演劇(戯曲)の翻訳家、山とスキーのプロ。異文化4名の感性が奏でる最高のアンサンブルです。
本の中頃に、北海道で雪の結晶を研究した中谷宇吉郎さんのことが書かれています。中谷さんは、パトリシアさんと同じ物理学者です。

3 誰にも雪は楽しく、美しい
先に紹介した「雪はじゃまものか?―新・雪国ものがたり」で書いたように、私は雪国に住んでいなくて、雪が大好きです。雪が作る景色、雪がもたらす自然の幸、スキー・・・・全部が好きです。
子供の頃、雪が降ると外にでて、はしゃぎました。空を見あげ、口を開けて、雪が口に入る感覚を楽しみました。今でも雪山を登っている時、思い出して、空に向かって口を開けたくなります。
周りに雪が好きな人がいっぱいいます。東京に雪が降ると、自分が子供の頃と変わらず、子供たちは遊んでます。
大人も子供も、誰もがこの本の魅力、わかるはずです。

図1 東京で大雪の翌日、近所の公園で


図2 会津駒ヶ岳 2パーティでラッセル中
図3 本書の表紙(著者撮影)

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