第2話【物語】パパの仕事は「むしょく」

【第2話 ボクの誕生日②】

みー姉ちゃんがクリームコロッケをつくってくれて、スパゲッテーも玉子のサラダもつくってくれて、テーブルの上がとってもにぎやかになった。

こんなお誕生日会ははじめてだ!
そしたらなんと、なんと、パパが「ケーキ」を買ってきてくれたんだ!

ケーキは白くて、赤いイチゴがたくさんかざってあって、とってもキレイで食べるのがもったいないよ。

ケーキはテレビで見たことあったけど、本物はやっぱりすごいや。
ボクなんかムネがいっぱいになっちゃった。
まだ食べてないのに、おなかまで入るかな。

パパは
「小さいケーキでごめんな。ちゃんとはたらいて、来年はもっと大きなケーキを買ってきてやるからな」
って言ってくれたけど、パパはちゃんとはたらいているし、ケーキはシュークリームよりうーんと大きくて、うーんとキレイでボクは大満足だ!

そうパパに答えたら、みー姉ちゃんが泣いちゃった。
なんでだろう?

パパは笑って頭をナデナデしてくれた。
ナデナデはとっても嬉しかったけど、でもちょっと悲しそうに見えた。
なんでだろう?

・・・こうして誕生日パーティが始まった。

ロウソクに火をつけてもらって、電気を消して、お誕生日の歌をうたってもらったときは、ちょっぴりはずかしかった。

あとね、はじめてろうそくに「フーッ」ってしたよ。
今日ははじめてがたくさんで夢みたいだ。
夢…じゃないよね。

先にケーキを食べて、みー姉ちゃんがつくってくれたごちそうを食べて、とーっても美味しくて嬉しくなっちゃった。

甘くないクリームが入っているクリームコロッケは、いつものコロッケより甘かったよ。
でも、ケーキのクリームよりは甘くなかった。

お口の中にいれたらトロってなって、ビックリした。
いつものコロッケも大好きだけど、クリームコロッケはもっと大好きになった。

大好きのもっと大好きは、大、大好きでいいのかな?

お誕生日会おわって欲しくなかったけれど、食べおわったらやっぱりおわるわけで…
でもね、いつもよりたくさんパパとお話できたよ。

パパは「むしょく」っていうお仕事で毎日忙しくて、あまりお話できないんだ。

だから嬉しかったな。
でもね…

パパに
「大きくなったら何になりたいんだ?」
って聞かれたから
「むしょく!」
って答えたら、みー姉ちゃんがまた泣いちゃった。

パパはやっぱり笑ってたけど、やっぱり悲しそうだった。
毎日違ういろーんなお仕事をやってるパパはスーパーマンなんだ。

スーパーマンっていうのは、パパが前に、おじいちゃんの友だちからもらったって、見せてくれた映画なんだけど、すごくかっこよかったんだ!
もう何回もみてる。

だからボクも、パパみたいに何でもできるむしょくになれば、スーパーマンみたいにかっこよくなれると思ったんだけどなあ。

だって僕
ボクのパパは最高にかっこいいんだよ。
ボクはパパが大大大大だーーい好きなんだ!


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