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DVD「SUPER BOOK」で観る「ヨハネの黙示録」

先日にレポートしたDVD「SUPER BOOK」の話しの続き。先に説明した通り、現代の少年・クリス、少女・ジョイ、ロボット・ロビットの3人組が、時空のトンネルから聖書の名場面の過去に飛んでゆく映像だ。尾久キリスト教会の日曜学校における子供たちへの教材に使われている。僕は第4話のモーゼのエジプト脱出をYouTubeで観た(英語だったが)。追って来るローマ帝国軍を背後にして、モーゼの祈りで紅海が真っ二つに別れるシーンである。ディズニー仕立ての「トイ・ストーリー」のような精緻なアニメで、これなら子供たちも抵抗なく聖書の世界に馴染めるだろう。

「SUPER BOOK」はシーズン1〜3まであり、全39話ある。これを21巻のDVDに収録している。いずれも聖書の有名な場面を取り上げている。この中で自分が興味を激しく示したのはシーズン1の第13話に収録されている「地球最後の日〜僕たちの黙示録」である。「ヨハネの黙示録」は新約聖書の巻末に収録されている。その内容はマタイ伝やヨハネ伝とは一変して、世界の終末を容赦なく描写している。龍や悪魔が跋扈して、天地が鳴動する地球最後の日である。七つの教会への警告→七人の天使の喇叭→天変地異と最後の審判→キリストの再臨→千年王国の樹立などが預言されている。地球温暖化や核戦争が現実となりつつある今、絵空事には感じられない下りである。DVDでは天使と悪夢の闘い→イエスの再臨→千年王国の始まりと単純化されている。

 教会では「ヨハネの黙示録」を極力避ける。それは内容が他の福音書とはほど遠く、まるでファンタジーゲームのような刺激的なシーンであるからだろう。悪魔の存在も勧善懲悪的に単純化されると、本来ならば堕天使である経緯などが無視される。更に終末思想を示すことによって、新興宗教的な脅迫的な伝道しか生まれないことから、避けられていると理解している。たしかに扱いが難しい。しかし多くの芸術作品などに取り上げられており、何しろ新約聖書には必ず収録されているのだから、誰もが存在を知っている。そこまで腫れ物に触るような扱いもないのではないかという気もしていた。そういう意味で単純化されてはいるが「ヨハネの黙示録」が映像化されているのは、禁忌の書としてではなく触れる良い機会ではないかと思っている。

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