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新田龍「炎上回避マニュアル」」

新田龍「炎上回避マニュアル」」(徳間書店)。電子書籍版はこちら↓
https://www.amazon.co.jp/dp/B0BNJ47PXC/
 著者は「働き方改革総合研究所」の代表で、労働環境の改善やトラブル予防及び解決サポートを手がける。ブラック企業アナリストとして、厚生労働省のハラスメント対策企画委員も務めている。炎上の元祖「東芝クレーマー事件」、フジテレビ「底辺の職業ランキング」、ディズニー「なんでもない日おめでとう」、品川駅「今日の仕事は、楽しみですか」、「100日後に死ぬワニ」ステマ騒動、吉野家「生娘をシャブ漬け戦略」、グルーポン「スカスカおせち」など、いずれも記憶に新しい。なぜあの企業・人は炎上したのか? 問題発言の数々の、何がいけなかったのかを徹底分析。その予防策、火消し方法までを伝授。
 インターネットにおける炎上は、大きく3つの段階「火種」「延焼」「炎上」に分類される。「火種」とはネット上に投稿された不祥事や失言、非常識な振舞いや違法行為、または誤操作や誤爆である。「延焼」とは火種となる投稿が、SNSや匿名掲示板などに転載され、拡散されること。「炎上」とは最初のSNSの枠組みを超え「まとめサイト」やニュースなどへ情報拡散され、ネットユーザーから集中砲火を浴びる現象。
 著者は「炎上さ・し・す・せ・そ」で禁忌領域を説く。 なるほどいずれも触ると危ない項目である。主観的かつセンシティブなテーマである。
さ:災害・差別
し:思想・宗教・社会保障
す:スパム・ステマ・スキャンダル
せ:政治・セクシャル(※LGBT、ジェンダー含む)
そ:操作ミス・粗相(※誤投稿、誤爆含む)
 そして炎上発生時における「3つの心得」。
1️⃣落ち着いて現状把握
2️⃣迅速対応(ただし拙速は避ける)
3️⃣積極的な情報開示
 インターネットが社会インフラとなり、スマホやSNSが日常不可欠な存在となって、炎上件数は天文学的に増加している。自分も数々の失言で苦汁を飲んできた口である。炎上案件には頷ける案件もあれば、当該の担当者や企業にとって『なぜ?』と思える不可解な世の中の反応もある。しかし理由のないところに結果はない。巻末に「お天道様が見てる」という下りがある。全てはそこに帰結するのだろう。


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