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素人は手を出すな!信用取引とは?

「信用?大丈夫!俺上司に信用されてるから!」


…ちゃうねん。そうやないねん。

信用とは…金!


<株式購入時の現物・信用の選択>

株を購入するとき、現物取引と信用取引が表示されると思います。
下はSBI証券の画面ですが、赤く囲ったところですね。

はじめて見た時はどっちにすれば良いのか分からないと思いますが、必ず「現物買」「現物売」を選んでください。
決して「信用買」「信用売」は選ばないようにしてください。

なぜならば、信用売買とは、破産への入り口になりうるからです。
いわゆる株の怖いところです。

<信用取引とは>

信用取引とは、証券会社に保証金などの担保を差し出して資金や株を借り、その借りたもので取引をすることです。

「信用とは…金!」と書いたように、換金性のある担保を差し出すことで資金や株を貸してもらいます。
で、証券会社が「お前信用ならん!思いっきり大損しとるやんけ!」と考えた場合、追証(追加証拠金)と言って追加で担保の差出を要求されます。

余談ですが銀行や企業が相手に融資や資金の立替をすることを、「(信)用を(与)える」と書いて与信(よしん)と言います。金は信用の証なのです。


<信用買いとは>

信用買いとは証券会社に保証金を委託し、その数倍の資金を証券会社から借りて株を買うことを言います。

例えば50万円を保証金として証券会社に委託すると、大体その3倍の資金を借りることができますので150万円で取引することができます。FXで言うところのレバレッジ(てこの原理)と同じですね。

1株1万円の株が存在するとして、50万円ならば50株、150万円ならば150株買うことができますね。
後日その1万円の株が3万円に値上がりしました。1株当たりの利益は2万円です。

ここで、50万円投資した人は50株×2万円で100万円の利益を得ることができました。対して信用買いで150万円の投資をした人は、150株×2万円で何と300万円もの利益を得ることができました。3倍の資金を投入することで、利益も3倍になったのです。

このように株取引は投入する資金が多ければ多いほど儲かるようになっているので、信用買いを使えば現物買いよりも早いペースで資金を増やすことができます。株価が本当に上がるのならば…。


<信用売りとは>

信用売りとは信用買いの逆で、俗にいう「空売り」のことです。証券会社から株を借りてその株を売り、株価が下がったところで借りていた株と同じものを買い戻して証券会社に返すことで利益を得ます。

例えば三菱商事の株が1株2,500円だとしましょう。この状態で証券会社から三菱商事の株を1株借ります。

そして数か月後、三菱商事の株価が1株2,000円まで下がったところで買い戻し、証券会社に返します。その場合、証券会社から借りた時点の株価2,500円と、買い戻した時の株価2,000円の差額500円が利益となります。

昔アメリカにジェシー・リバモアという空売りの達人がいました。彼はブラックマンデーと呼ばれる金融危機の時にも空売りで大儲けしたそうです。

この空売りという手段は証券会社のトレーダーも使っている手法になります。証券会社がどれだけ空売りしているかは、専門のネットサイトがありますのでそこから知ることができます。


<信用取引の怖い所>

信用取引は上手くいけば大金を稼ぐことができます。実際、信用取引で何億円稼いだという方が書いた本も存在していて、信用取引のすばらしさを説いています。

問題なのは、上手くいかなかった場合なのです。


信用買いのところで保証金の3倍の取引をした例を出しましたが、もしこのときに1万円の株が100円まで値下がりしたら、50万円で50株買ったほうは約50万円(正確には(10,000円-100円)×50株=495,000円)の損失で済みます。
これでも多いとは思いますが150万円で150株買った方はどうなるか。そう、およそ150万円の損失が発生するのです。

信用売りの方も同じです。三菱商事の株が2,500円の時に証券会社から株を100株借りて、もしその後株価が7,500円まで上がったら…。借りた株は必ず返さなければならないので、(7,500円 - 2,500円)×100株 = 50万円の損失になります。

今回は金額を抑えた例を出しましたが、これが例えば元金100万円で300万円の取引を行っていたら…、あるいは元金1,000万円で3,000万円の取引をしていたら…。破産という文字がうっすらと目の前に現れてきます。


「人の行く 裏に道あり 花の山」という言葉があります。人のやらないことをやった方が得をするという意味ですが、一方「旨い話にゃ裏がある」とも言います。簡単に儲かる方法なんてものは存在しないのです。
ましてや金融の世界では「ローリスク、ハイリターン」なんてものは存在しません。金持ちに手っ取り早くなるために存在するのは「ハイリスク、ハイリターン」のみです。

まあ少し希望を残しておくと、堅実に時間をかければハイリスクを取らなくてもお金持ちになる可能性は高いとされています。投資の神様、ウォーレン・バフェットも長期投資で増やしていきました。ただバフェット曰く、
「ゆっくり金持ちになりたい人はいないよ」とのこと。短期的に大きな利益を求めるのは人間の性なのかもしれません。

<信用倍率とは>

最後に信用倍率の話をして終わりにします。信用倍率とは、その銘柄において信用買いをしている人(金額)が信用売りをしている人(金額)の何倍いるのかを示した数値です。数式にすると、

信用買いの金額 ÷ 信用売りの金額

となります。上で三菱商事の画面を添付しましたが、左下にある「貸借倍率9.85倍」というのが信用倍率ですね。

これが何を示しているのかというと、今後の株価の動きを暗示しているとされています。信用買いにしろ信用売りにしろ、取引してから半年以内に反対取引を行わなければなりません。つまり、信用買いの金額が多いのならば、将来その金額分だけ株が売られる=株価が下がると考えられるのです。

まあ信用倍率はあてにならないという意見もありますので、ご参考までに。

株取引に関する難しい用語もこれで用が足ります。

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