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(新々)三つ子の魂百までも 43



「遅いですね、林田さん。もう2時30分ですよ。
遅くなるのであれば連絡ぐらいくれればいいのに・・」
と、不満顔の桜町だ。

「そうですね。」
と飯島裕美が返す。

「私、電話してみます。・・・・。
電話に電話に出ないわ。( ´∀`)」
と、不機嫌な顔の桜町。
「^_^『何かすごい写真を撮った 』と、言ってましたね。何でしょうか?」

と、裕美は聞いた。

「霊の写真でしょうか?でも最近林田さん、
出版社にも顔を出す事も無いですし。
・・・本当に遅いですね。・・・」
と、裕美に気を配る桜町。

あの記事を書いて早いものでもう一年が過ぎていた。
裕美と杉田の関係は恋人同士。
そして結婚の約束を交わして、
今はラブラブ。

そんな事はさておき、

二時間待っても林田は来なかった。
連絡も取れない。
約束を反故にされ裕美は帰って行った。
桜町は不満だけが残った。
「林田に、揶揄われたのかな?」
と、独り言を云う桜町だ。

だけど、林田の事が気に掛かる。
林田の名刺に住所が書いてある。
明日、連絡が取れ無かったら、一度行ってみようと、決めた。

次の日も、林田から連絡が無い、こちらからの連絡も取れない。
不安が桜町に襲い掛かる。

林田さんに異変があったのかも知れない。
桜町は何故か居ても立ってもいられない、苛立ちを覚えた。
直ぐに同僚の太田と林田の住むアパートに
タクシーを飛ばした。

林田の住むアパートは木造の古びたアパート。
2階建ての2階に林田は住んでいる。
ドアには鍵が掛かっている。
林田を呼んでも、応答が無い。

桜町の嫌な予感は極限に達している。
……何なのこの胸騒ぎは?……
桜町は強い胸騒ぎを感じながらドアを強くノックした。

「林田さん、いるの?居たら返事して!」

「留守では」
と、太田が興奮する桜町を止める。
「留守だといいんだけど・・・。
何か胸騒ぎがするのよ。
管理人さんはどこかしら?」
と、聞いても二人しかこの場に居ない。
管理人の所在など知る由もない。
「警察に連絡したほうがいいかしら」
と、桜町は云うが
「まだ、連絡するのは早いと思いますが、
もう少し様子を見ましょうよ。
焦ってみても、仕方無いですよ。」

その言葉に一応納得する桜町だった。

そして、二日経ったても林田との連絡は
取れない。
桜町の不安は心配に変わり、恐怖に変わって行った。
桜町は意を決して警察に連絡する。

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