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【エンタメ日記】『罪と悪』『春画先生』『地雷グリコ』編 2024/02/01~02/04

2024/02/01(木)

【ミステリ小説】『地雷グリコ』青崎優吾・著

アニメ化にドラマ化と、いつの間にか売れっ子になっている青崎優吾。引っ張りだこなのは、様々な方向性の作品を量産しているからであろう。
新作『地雷グリコ』は、たとえば文化祭で屋上スペースを使用する権利をかけてなど、高校生たちがオリジナルの頭脳ゲームで対決する連作集。ちゃらんぽらんなフリして圧倒的な天才である主人公の女子高校生が大逆転を決めるのは解り切っており、安心して読めるキャラクターモノである。全ての話で主人公がまったくピンチにならないのは物足りない気もするが、のちのシリーズ化を見据えて初回はファン獲得に全力を注いでいるためか。最初の「地雷グリコ」については、少なくない読者はルールを聞いた時点でオチが予想できるし、キレ者の対戦相手が気づかないのも不自然ではある。しかし話が進むごとにルールが複雑になり、それとともにやり口の大胆になっていく。その突拍子の無さだけでも見応えがあり、充分に楽しい。


2024/02/02(金)

先日の内視鏡検査の結果が出る。5%の確率で大腸ガンの可能性があると言われていてびびっていたが、特に異常なしだった。良かったけど、じゃあなんで健康診断では引っかかるのかという疑問も。

【邦画新作】『熱のあとに』

シネクイント・スクリーン2で鑑賞。渋谷での映画鑑賞は今年初めて。
舞台が完全に地元だった。『怪物』とか、最近妙にこの辺でロケをしている邦画が多い。何かあるのだろうか。もっとも、諏訪湖はよく出てくるけど、白樺湖をフィーチャーした邦画は珍しいかもしれない。
別ブログに長文レビューをUPしました↓


【邦画新作】『罪と悪』

TOHOシネマズ日比谷・スクリーン7で鑑賞。ネットで調べた上映時間を見誤ったため、渋谷から池袋に行ってしまい、気づいて慌てて日比谷に向かうという無駄な移動をしていた。
福井の小さな町で男子中学生の遺体が発見される。その同級生3人は、町外れに住む老人が犯人に違いないと住処に乗り込み、誤って殺してしまう。それから22年後、3人はそれぞれの立場で再会するが、あの時と同じ状況で少年の死体が発見される。
というわけで明らかに『ミスティック・リバー』をなぞっているのだが、結局は”閉塞した地方都市”をコンテンツとして消費する、邦画では食傷気味のパターン。地元警察とアウトロー集団との微妙な共存関係など、社会問題の表層をなぞっているだけで深みがない。事件の真相は取ってつけた感が強いうえにテーマ性も皆無だし、特に現在のほうの殺害動機が無理矢理すぎる。

2024/02/04(日)

【邦画旧作】『春画先生』

旧作といっても去年10月公開なのだけれど。やっとこさ「邦画の値打ち2024」に着手したため、公開時の取りこぼしを埋めるべく、まずはこの作品からU-NEXT鑑賞。
冒頭のカフェのシーンからして、非常に虚構性の強い作品。それは本作の主題である春画における、本来は生々しい性的描写を平面に落とし込むために変換する技法を、この映画そのものにも適用しているからである。北伽耶の体当たりヌードも、安達祐実の背伸びしたサディズムも、柄本佑のブーメランパンツも、浮世絵と同じく平面的な虚構に作り替えられているのだ。しかしそれでも生身の人間であるがゆえ、押し込もうとしている虚構の枠からヌルヌルとはみ出してきており、まさにそこに映画とは何たるかが宿っている。なんというか、印象としては生暖かい。

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