・2023/10/09（月）

【邦画新作】『BAD LANDS』原田眞人監督
新宿バルト9にて鑑賞。
相変わらずセリフが聞き取りづらいのは原田監督のポリシーなのか。役者はその佇まいが全てであり、そこにはセリフなど余計なのだと。いや、さすがにそれは穿ちすぎなのは解っているが。とはいえ、役者の持つ潜在的な存在感に全幅の信頼をおいているのは確かであり、それによって本作の成功は保証されている。安藤サクラの、いくら感情が昂ろうとも常に達観したもう1人の渇いた自分がいる感じとか（それは多分に大阪的でもある）。そして、どこから見つけてきたのか、出てきただけで只者ではないと周囲に理解させるサリngROCKという人。それらの一方、シークレットにされている某役者の使い方は、あまり効果的ではない。

・2023/10/12（水）

【本】『シュルレアリスムとは何か』著：巌谷國士　ちくま学芸文庫
なんとなく読んでみた。講演の文字起こしなので読みやすい。シュルレアリスムよりも第3章の「ユートピアとは何か」が、個人的には興味深かった。日本ではユートピアという言葉は「楽園」「桃源郷」というイメージが強いが、ヨーロッパ人の考えるユートピアは楽園とは真逆で、たしかに理想国家ではあるのだが、国家である以上は法律によって統制され都市の形態をとっている。現代の作品だとジョージ・オーウェル『1984年』もユートピア。ヨーロッパ文学に登場するユートピアは、多くは島だったり城壁で囲まれていたりして、周囲から隔絶している。また、道は碁盤の目のように直線で形成されており、幾何学的な線を主体としている。ユートピア文学が流行るのはヨーロッパがアジアから攻められている時で、アジアの国家を有機的に増幅していく得体の知れない存在として捉え、幾何学的な構成によって守備固めするという意識の表れらしい。このヨーロッパとアジアの対比は、面白いし納得できる。

・2023/10/15（土）

【邦画新作】『ゆとりですがなにか インターナショナル』水田伸生監督
新宿ピカデリー・シアター３にて鑑賞。
ライトなコメディの中に、性差別など昨今話題の重いテーマを放り込んで、そのギャップを突きつけるという狙いなのだろう。だがその構図が機能していないのは、ひとえに表の物語がグダグダだから、というより物語が完成していないからである。「得意先からの取引を一方的に中止された蔵元が新商品を開発して一発逆転をねらう」というベタなパターンがあるだけ。冒頭で、常軌を逸したヤバい人たちばかりだぞと紹介しながら、いつの間にか誰もが常識人になっているのは理解に苦しむ。

【邦画新作】『女子大小路の名探偵』松岡達矢監督
池袋シネマロサ・2Fにて鑑賞。
以下のブログにて長文レビュー書きました。常軌を逸した怪作なので、みんなに観てほしいです。

【TV】『オールスター後夜祭’23秋』TBS
解答者が66名まで増えたが、それでも「誰？」という謎の人がいないのは物足りない。しかし見せ場は多く、コロナ禍以降の放送では一番良かったかも。いきなり呼ばれて最前列に座らせられるコウメ太夫、逆に呼ばれたのに参加できないどんぐりたけし、ちゃんハメられるおみおくり芸人しんいち。全員相撲では、3時のヒロイン・かなで無双と、女性には優しく振舞うパーティーちゃん・すがちゃんが印象に残る。そして、最下位になって罰ゲームを喰らうも、諸事情でズボンを捲れないうえに、全く足ツボが効かず真顔のアップのまま番組が終了していった、持ってなさすぎて逆に持っているウエストランド・河本。

・2023/10/16（日）

【競馬】第28回 秋華賞
リバティアイランド1着はほぼ確定していたので、2着ハーパーに絞り、見事に撃沈。こんなガチガチのレースで外すのは痛い。

【TV】『千鳥の鬼レンチャン』フジテレビ
今回はそういうターンだと決めていたのか抑え気味だったほいけんたと、もはや笑いの範疇を超えてきているかまいたち・山内の丘みどりイビリは引っかかるが、新たなスター・宇徳敬子を発掘しており、やっぱり侮れない番組。

【みんはや】フリーマッチ・ノンジャンル
問題と解答を下記のブログにUPしました。「テレホンショッキング」クイズが、個人的にはお気に入り。

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【お知らせ】
ここ1年の間に新作公開された日本映画95本のレビューを書いた同人誌「邦画の値打ち2023」を、以下の場所で頒布します。
・2023/11/03（金・祝）「おもしろ同人誌バザール神保町」
・2023/11/11（土）「文学フリマ東京」

既刊は、以下で通信販売しています。