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4.ロンドンの滞在中にできるアイデアあれこれ

こちらの記事は前回の「3.ロンドンに着いたら注意した方がいいこと」(https://note.com/yagi_san/n/nb513c0f940e0)の続きとなります。

1.ロンドンで暮らす前に意識しておきたいこと
2.ロンドンに来る前に準備すべきこと
3.ロンドンに着いたら注意した方がいいこと
4.ロンドンの滞在中にできるアイデアあれこれ ← 今回はこれ

今まで散々「ロンドンって怖いところだぞ~」と脅してまいりましたが、私はロンドンに4年滞在して、とってもとっても良かったなぁと思っておりますので、今回は「せっかく海外にいるのだし、こんなことしてみてはどう?」というアイデアをいくつか提案してみようかと。
イギリスのワーホリ(YMS)はたったの2年、他の国でも1年が標準ですから、たったの1,2年!後悔はしたくないよね。

ワーホリでできたこと

やっぱり世界中に友人ができたというのは大きいよね~~~~~!!!!

ロンドンは世界中から人が集まっているので、外国人が本当に多い。裏を返せば、自分の国に戻る一時的な滞在者も多いので、彼らと友人になると「今度遊びに来てよ」なんてお誘いを受けて本当に遊びにいけることもある。

別に自分のために相手を利用するというのではなく、自分の交友関係を広げることで視野を広げて、より自分の環境を客観的に見れるようになったり、友人を日本にお迎えして歓迎したりすることができるのだ。

海外に滞在している間にどの文化も国も特別ではなく優劣というものは存在しないということをしっかり学んでいれば、尊大な愛国心(自国を他国よりも優れていると過信する態度)を持つこともなく、謙虚すぎる劣等感を抱くこともなく、バランスの取れた人になれる…気がする。(大それたことを言ってしまった…あかん)

なお、当然のことなのですが、日本に帰国した後、海外に滞在した期間があったことを鼻にかけて自慢するのはカッコ悪いので気を付けよう!

言語を取得できるのももちろん利点。自分が学んだ言語を使って何をしたいのか、イメージが具体的にあればあるに越したことなし。ないとしても、いろんな可能性が広がっているはずだから、日本に帰ってその言語を使って仕事をしてみたいのか、それともずっとその国で働いてみたいのか、あるいは1つ目の外国語を会得できたのでもう1つ勉強してみて様子を見るのか、選択は人それぞれ。

念頭に入れておくべきは、多くの場合言語は手段であり、目的ではないということ。たまに「語学留学から帰ってきて日本で翻訳の仕事を探したけど採用されなくて」なんて話を聞くけど、たいていの場合、翻訳は言語だけではなくそれ以外の知識が必要になるので、翻訳家や通訳を目指すなら、語学留学の他に専門の教育を受ける必要があることも覚えておこう。

使う言語によっても利点は異なってくるので、やっぱり英語は人気が高いよね。
私の親族はイタリアのプラダに20年務めて、社員割でカバンや香水を買って、私にもプレゼントしてくれたけど(20年前のとあるプラダのバッグは、今でも毎日使っているのに全然くたびれない!)、日本に帰国したらイタリア語の需要はほとんどなかったらしく、がっかりしていた。

あとは日本では当たり前だと思っていたことが、海外だと当たり前ではないと気づけたことも大きな利点。特に、会話の仕方

例えばchatGPTやdeepLを使っていて、「あれ?何か回答が思ったのと違うなぁ…」と思ったこと、ありませんか。

そのモヤモヤ、もしかしたら日本語特有の「察して」文化のせいかも。
英語やドイツ語などのゲルマン語派(インド・ヨーロッパ語族のうちの一つ)では、文章の中で主語を明示することが必要とされていますが、日本語の場合「もうやった?」「ああ、やったよ」なんて会話も可能なわけで、「やった」の意味のあいまいさだけでなく、「誰が」やったのかも状況や文脈から判断する必要があります。
つまり、この会話だけを抜き出しただけでは完全な対話として成り立ちません。

そのため、人間様以上に気が利かない?deepLやchatGPTにも「誰が」という主語を付け、意味をはっきりさせる必要があるそうです。

日本人同士なら通じ合う「適当にやってよ」の「適当」という言葉も、ドンピシャ単語が英語にはないので、(アジア文化圏の中国語にはあるらしい)、「適当」が「ふさわしい程度に」「適切に」という意味なのか、はたまた「手を抜いて」「いい加減に」というニュアンスなのか理解できず、日本で初めて働く海外の方は驚かれるといいます。

これと同じことが外国でも実生活の中で起きるわけで、特に多民族国家や多文化都市では、互いに誤解がないようYesかNoかはっきり明示させられる場面があります。仕事や法的な処理などのケースです。

だがまあしかしイギリスの場合は全部が全部、白黒はっきりさせるわけではなくて、例えば何かを提案された相手が「I'm OK(大丈夫です)」と言った時、このニュアンスはYesとNoどっちなのかという論争がイギリスでもたまに勃発します。

イギリスは意外に日本と似通って、相手と自分を傷つけないようにぼんやりさせたまま会話を終わらせることもよくあるので、「あれ、海外でははっきり物事を言えって教えられたんだがなぁ…?」と肩透かしを食らうこともたまにあります。

余談ですが、イギリス人男性は気が弱い方が意外と多くて、以前Instagramで「私の彼氏はwarden(ウォーデン。違法駐車/駐輪を取り締まる人)に切符を切られても人がいいから「Thank you」ってポリスに言っちゃうの!」という動画がバズって、コメント欄は「うちの旦那もそう!」と大いに盛り上がりを見せていました。
特に若いイギリス人男性は他人との衝突を避けたがる傾向があるので、何か質問してもyesなのかnoなのかわからず「まあ、この言い方は多分Noなんだろうな…」と、日本で培った空気を読む能力を発揮することもしばしば。

ただ、ロンドンは移民が多く、その移民の2世3世が大変多いので、彼らは半分イギリス人、半分外国人というようなアイデンティティの危機に襲われていることも多い。例を挙げれば、全然空気読まなさそうな顔しているインド系の人が(大変失礼!ユルシテネ、ナマステ!)超イギリス人風吹かせていることもあったりして、人間はやはり外見で判断してはいけないなぁと肝に銘じることも多々。

ロンドン特有の、「移民の子孫とアイデンティティ問題」については、KADOKAWA/エンターブレインから出版されている「ロスト・ラッド・ロンドン」という漫画がなかなか味があって面白いので興味があったら是非お勧め。

紀伊国屋書店「ロスト・ラッド・ロンドン」1巻↓
https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-01-9784047364844

本筋からそれてしまいましたが、「物事をはっきり伝えることの大切さ」と「ぼんやりさせるタイミング」など、日本とはまた別の意味で感覚が鋭く磨かれたのはいい経験でした。

あとは、世界の潮流に巻き込まれた感があるのも好きでした。説明が難しいのですが、日本にいると淀みにいる感覚にとらわれるというか、「世界がこんなに激しい動きをしているのに、私の周りはまるで何も変化していないのはなぜ?」と思っていました。ですがロンドンにいるとウクライナやロシアから避難してきた方々に出会うわ、友人夫婦がイスラエル旅行中に戦争が始まって急いで帰国してくるわ、まさに「ニュースで聞いたこと」がまじかに迫っている緊迫感がありました。

そうそう、ロンドンは世界のハブ空港であるヒースロー空港がありますし、日本以上にLCC(格安航空)が充実していますから、旅行なんてなんぼしたっていいですからね!特にアイスランドアイルランドは、日本から来る場合もたいていイギリス経由になることも多いので今のうちに行っておくのが吉ですね✨

ロンドンならではできること

お友達や家族が来てくれた時にガイドできるのって結構いいことなのでは。
自分は誇らしげ、相手は助かる、まさにWin-Win。
たまにお客さんがいすぎて、自分のスケジュールがパンクすることもロンドンではあるあるだけど、そこは自分の企画力やスケジュール管理能力を磨く場だと思って。

ガイドして喜んでもらえる大御所ポイントは以下の通り。

  • 大英博物館(2時間くらいでざっと見たい、という人結構多い)

  • 大英博物館~中華街~トラファルガー広場&ナショナル・ギャラリー~バッキンガム宮殿~ピカデリーサーカス~フォートナム・メイソンまでの流れ(歩いて行けると聞くとみんな驚いて、そのあと途中で疲れて後日自分たちだけで歩いたりする)

  • アビーロード(ここだけ中心地から外れているので、一緒に行ってあげて写真を撮ってあげると喜ばれる)

こんな感じ?

たまに「湖水地方に1泊2日弾丸で行きたい」という猛者がいますが、対応するかは自分の体力と能力次第。たいていどこかで電車が止まる。(2回経験済み)

やっておけばよかったなあと思うこと


現地で仕事してみたかった
ですね。

パンデミックが始まる前から日本とリモートワークしていたので(当時zoomは日本をサポートしておらず、すべて英語対応で米ドル払いだった)、日本の銀行に給料を日本円で振り込んでもらい、それをATMでロンドンからおろしていました。そのため毎回手数料がかかり、非効率だと感じていました。
※ 家賃はWise(旧:TransferWise)、友人とのお金のやり取りはMonzoでした。MonzoはPayPointというマークがあるコンビニなどで£1支払えば現金を入金できました。

仕事の対価や報酬として外貨を頂いた経験がほとんどなかったため、ちょっと外貨を稼いでおけばよかったなというのと、

あと現地の方々から聞く「こういうやばい同僚がいる」という話が面白くて、日本ではありえない猛者たちを見てみたかったという怖いもの見たさも手伝って、ますます現地で仕事してみたかったり。

あとは「海外で仕事したことあります」って転職活動の時に言えますし。ただ単に経験も積めますし。

どんな仕事がいいかと相談を受けたこともありましたが、これだけは未経験なので人から見聞きした話しかできず。もはや耳年増。

お仕事ってみんな苦労してますよね。
脱サラした友人が、「中心地から離れているZone4や5の、裕福な人が住んでいるエリアの中堅レストランや、チップをたくさんもらえるから楽に稼げて最高」と言っていたことだけお伝えしておきます。
彼女はピカデリーライン終着駅のCockfosterエリアの日本食料理店で働いていた。確かにあそこは観光客は来ないし、退職した裕福なご夫婦が住む豪邸が多いイメージなので、働くのにはよいのかも。車が必要なエリアなのでワーホリ組には縁遠い話ではありますが…。

(余談:この日本食料理店に当時日本人スタッフは1名もいなかった。2002年に独立国となった東ティモールの元兵士のスタッフが何名か働いており、血の気の多い彼らはフランス人のチーフとしょっちゅう衝突しては泣かせていたという話が印象的だった。ここでも文化の衝突が…)

ロンドンの日系企業でもよし、現地企業でもよし、働いてみたかった。これだけは、ワーホリが終わると難しくなるのでワーホリの期間だけの醍醐味ですからね~。

ワーホリその後

ワーホリでお友達を作った後は、日本にやってくる彼らをお迎えするターンです。現地ガイドになったつもりでおもてなししましょう!

あと帰国後にあちらの結婚式にもお呼ばれしたりして、現地に行けないのでビデオ会議アプリで参加したりと、珍しい経験ができます。

現地での滞在が終わった後もInstagramやWhatsAppでつながっていると、なんとなく相手の状況がわかるので、縁遠くなることもそんなになく、引き続きコンタクトを取り続けられるのはありがたいです。

以上、「4.ロンドンの滞在中にできるアイデアあれこれ」でした!

お読みいただきましてありがとうございました!✨


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