【番外編8】自分の練習を考える(重点練習項目編)Jazz Sax:アドリブ練習の目的別構造化
ずいぶん時間が経ってしまったが、前回は私の自己評価をしてみた。それに基づいて、今後、何を重点的に練習すればよいかを考えてみたいと思う。なにせ時間は腐るほどあるのでwあとは実際やるかやらないかの問題なのだ。前回評価の通り、サックスそのもののテクニックと言うよりは、「吹きたいことを思いついて表現する」ための練習が中心になってきますね。
重点項目1:ロングトーン/オーバートーン
(1) 目的
長年(40年w)諦めていたフラジオをどうにかしたいというのが主な目的だ。よってオーバートーンが練習の中心になる。
(2) 方法
まずはロングトーンはウォームアップとして10分程度をめどに。以前書いたBPM60で12拍吹いて4拍休むというのを上から下までやる。以前は真ん中喉から始まって一番下まで降りて(普通のフィンガリングの)一番上まで行って戻ってくるというのをやっていたのだが、片道でいいかな。これで7分ぐらい。
問題はオーバートーンだ。これはひたすら音を出してみるしか無かろう。正直言うと第二倍音もおぼつかない状況なのだが、とりあえず、元の音とオーバートーンを繰り返しロングトーンして、喉の状態や息の出し方のコツを習得出来たらと思っている。でも、あんまり自信無いなあ。年とってさらにできなくなってるような気もするし。なんかコツがあったら誰か教えてください。
(2) 定量/定性目標
定量目標としては、練習できるときは、まずロングトーン/オーバートーンをメニューに入れるということだろう。時間で区切って、とにかく一回30分程度は足掻いてみるということにするか。それで半年ぐらい続けてどうなるかをモニターしたい。
重点項目2:苦手なキーの克服
(理論からのアプローチ+音感の醸成)
(1) 目的
前回「音感(思い付いたものを正確にドレミファで再現する)の一段の強化」が必要であると書いた。改めて考えてみると、サックスで簡単なキー(実音FとかBbとかEbとか) であれば適当に吹けるのだが、面倒くさいキー(実音EとかBとか)が出てくると上記定義の「音感」が発動せず、途端にフレーズが出てこなくなってしまうのだ。恐らく、それを補完するのが理論なのだが、これも前回書いた通り、何もやっていないに等しいw というわけで、目的は理論的なアプローチと「指で覚える」アプローチを絡めて「面倒くさいキーでも、それなりにジャズっぽいことを唄える(吹ける)ようになる」と定義してみたい。
(2) 方法
さて、そのためには何をやればよいかを考えていたのだが、普通に考えれば、フレーズやリックの12 key 練習だ。まあ、何かしら地道にやろうかなとは思っていたのだが、そんな時、金沢でテナーの濱西さんから「ジャズを始めたころ、川島哲郎さん?から、とにかくDonna Leeを12 Keyで吹けるようにしろ、と言われた」という話を聞いて、なるほど、確かにDonna Leeはいわゆるバップイディオムテンコ盛りだし、指癖を付けるという意味でも、ビバップ的な音使いを学ぶという意味でも実に適切だなと改めて思ったわけです。というわけで、まずはDonna Lee 12 Keyにチャレンジということにしようかなと。今更ですが。
(3) 定量/定性目標
元のキー(Ab)はまあ吹けるとして、残りは11 Key。一週間に1 Keyとして11週。ということで、なんだかんだ3カ月ぐらいで一通り吹けるようになることを目標としよう。やり方としては「譜面に書かないで頭と指で覚える」。コードとフレーズの関係、あるいはそれぞれのフレーズのインターバルを理解して、頭の中だけで移調して指で覚えることとしたい。
というわけで、現在、Abの真逆のEから始めてます。いや、これ時間が掛かるわ。幸い、現代の私にはiRealという強い味方がいるので、移調済みの伴奏に合わせて何百回でも練習ができるので助かります。E⇒B⇒F#⇒Dbとかの順番でやってみようかと思っています。続くかな。
重点項目3:インターバル(パターン)の移調練習
(1) 目的
これも「音感の醸成」が主な目的かな。Donna Leeでやろうとしていることとほぼ同じで、様々なパターンを移調して吹けるように、頭と指のトレーニングをしたい。
(2) 方法
Donna Leeは曲丸ごとだが、こちらは3ー4音程度のパターンを決めてそれを何らかの決め事で転調させるというのをやってみる。
実はちょっと前にこんな動画を見てなるほどと思ったのでパクってみるのだ。これはマークターナーの勧めている練習だそうだが、「1-7th-(一オクターブ上の) 3rd」、Cなら「C-Bb-(一オクターブ上の) E」みたいなパターンをCycle of 4th に沿って演奏する、みたいな感じ。決め事的にはCycle of 4thじゃなくても、半音ずつ上がる(下がる)でも、全音上がる(下がる)でもいいし、なんなら実際の曲でもよいかもしれない。これも楽譜は書かずに、頭の中で転調させて、ゆっくり吹くことを心掛けたい。これもやってみると(私にとっては)非常に難しいのだ。そもそもコードの構成音とかあんまり分かってないしw
(3) 定量/定性目標
上記した通り、実際やってみると頭も指も混乱してうまくいかないので、これも一週間に1パターンを決めて20-30分程度の時間を切って毎日やってみる、くらいのノリで続けてみよう。
パターンはその時その時で決めるが、Pattern for Jazzからパクっても良いし、なんならトランスクライブしたフレーズの断片を使っても良いかもしれない。とにかくポイントは頭のなかで転調すること、ゆっくりでも良いからテンポを決めて練習することかな。
次点1:ジャズ理論の学習と理解
(1) 目的
まあ、前に書いた通りほとんど分かってないwので、一通り理論書を読むぐらいのことはしておきたいのだった。その中から、上記のパターン練習に使えるようなネタを見つけ、実践に応用していくのが目的かな。
(2) 方法
とりあえず、Mark Levinの "Jazz Theory" を頑張って最後まで読んでみるか(20年ぐらい前に本買ってあるが、ほとんど使ってない)。本来は、アレンジの勉強とかもやってみたいところだが、あまり欲張ると続かないのでまずは一つだけ。理論にしても今の世の中、You Tubeあたりに色々あるわけだが、これもあまり浮気せずに適当に眺めるぐらいにしておきたい。
(3) 定量/定性目標
1カ月もあれば "Jazz Theory" は読めると思うが、どこまで理解できるか、さらに応用できるかは謎。とはいえ、とりあえず一通り最初から最後までちょっとずつ、実際に音を出しながら読んでみます。
次点2:トランスクライブ
(1) 目的
このシリーズの「トランスクライブ」の回で「ソロを何回も聴いて楽譜に落とすことを通じて、ジャズ、あるいはジャズ奏者のちょっと特異な音使い/音楽的表現に慣れて、ジャズ耳を養成する→フレーズやスタイルを習得する」と書いている。まあそのままですな。ジャズ耳の養成が主な目的。さらに言えば、上で書いたパターン練習のネタをみつけることも目的の一つだろう。
(2) 方法
これもそのままで、とにかく面白そうな、あるいは好きなソロを譜面に落とすというだけ。自分が分かればよいので、記載の解像度に関してはあまり気にしない。できればある曲のソロ全部トランスクライブしてみたいところだが、それにこだわると続かないので、面白そうなところ2-3コーラスとか、特定のフレーズだけでも良しとする。
トランスクライブをしたら、必ず「コピー練習」も行いたい。音源に合わせて吹いてみる、ってやつね。同じスピードにならなくても良いし、細かいところはできなくても良いから、とにかく一緒に吹けるようにする。
ちなみに、これも誰かの記事で見て、トランスクライブおよびコピー練習にはこんなアプリを使っています。Apple Musicの曲ならなんでも読み込めて、再生速度変えたり、特定の場所のリピートができたり、ホント、今の世の中便利だよなあ。
(3) 定量/定性目標
とりあえず当面はDonna Lee 12 Key作戦に集中したいので、やりたくなったときにちょっとずつやる、くらいで考えておこうかな。そのためにも、時間のある時にはいろんな音源を聴いて題材を特定することが必要かと思っております。とにかく「これ面白いな」と思ったら1コーラスでも、なんなら1小節でも譜面にするという癖をつけたい。
おまけ:心構え
もういい歳だし、そう簡単にはうまくならない(効果が出ない)ことを覚悟しながら取り組むべし。下手にならないことを最低限の目標にして、とにかく半年ぐらい続けてみることとしたい。
毎日、といいたいところだが、サラリーマン仕事の代わりと考えて、週5日ぐらいは楽器に触りたいものだ。
練習については、上記の重点項目を中心にフレキシブルに続ける。そもそも面倒くさがりなのでなかなかできないのだが、簡単でいいので練習の記録を残しておく(というわけで、100年ぶりに手帳買ってきましたw)。
第三者の意見を取り入れる(要は誰かのレッスンを受ける)かどうかは半年たってから改めて考えてみる。
というわけで、あとは実行あるのみだな。今まで偉そうに書いてきたことを実証的に検証するという意味でも、半年ぐらいは続けてみたいものだ。全然効果なかったりしてw
練習の様子や進捗はたまに報告したいと思います。皆様も練習のアイディアやお勧めがあれば教えてください。
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