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私の1日が終わる音。街の今日が始まる音。

仕事が終わって家に帰る途中。
スマホを見たら母親からラインが入っていた。
私の通勤途中の街にいるから、買い物終わったら一緒に車で帰ろうとのことだった。
合流し、母の買い物が終わるのを待つ。
母は買い物の目的があっても、通った店で気になったら全部寄り、全部買うか悩む。
そのため、帰りには想定の3倍くらいのものを買っているし、想定時間の3倍はかかる。
母は楽しそうに「これ買おうかどうしようかな〜」と私に話しかける。
私は目的のものを買ったらすぐ買い物を終わらすタイプなので正反対である。
いつもは「早く買い物おわらんかな。」と思って適当に話を流してたけど、こんなに楽しそうな母ってあんまり見たことないなと今更ながら気づいた。
たくさんの荷物を代わりに持って、母の話を聞いた。
父も母とのデートの時はこんな気持ちだったのだろう。
ああ。とか、うん。とか相槌を打って寡黙に荷物を持って歩く父の姿が浮かんだ。

帰ってきたら母に、Google Homeが音楽を流してくれなくなったのを直してほしいと言われた。
わが家のGoogle Homeは回線を古いものを使っているためか、すぐにエラーになってしまう。
母親はClovaのがお利口だったのにとよく愚痴をこぼしていた。
アプリから接続を直していると、「この家を削除」という項目があった。
すでにこの家はGoogle Homeの管理下にある。このままではまず母がやられる。
また母親が愚痴をこぼしたので、「Google Homeだって頑張っているんだよ!」と声を荒げてしまった。申し訳ない。母を救うためだ。許してくれ。

寝る時、今日もいつものように街の動く音がする。
家の近くの道路がもう何年も工事をしているのだ。
地面が揺れ、地面を掘る音がする。
私の1日が終わる音。街の今日が始まる音。

爆弾のスイッチ

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