その日の湯気は、やけに白く見えた。
最高気温5度。
今年の冬初めてヒートテックを出した。
劈くような寒さ。耳がもぎれるかと思う。
寒さを忘れるために音楽で耳を満たす。
1〜2月の寒い時期、よくチャットモンチーの湯気を聴く。
短くしたスカート分の寒さ。教室についた時のストーブの匂い。受験に向かう氷のような緊張感。その緊張感を溶かすようなあったかい、でも、張り詰めた教室。
受験への不安を認めないのに、慰め合った私たちはもう、受験の色を忘れてる。
当時、絶望しきっていた私は未来の自分を全く想像できなくて、壊れてしまい