会社でキットカットをもらった。
新しく入った会社はいろんな人がお菓子をくれる。
実は会社でお菓子を食べるのが好きではなく、いつも家に持って帰り、家族共用のお菓子ボックスに入れている。
今日もすぐに鞄にしまった。

帰ってきて、いつものように祖父に線香をあげると、私が会社でもらってきたお菓子が供えられていることに気づいた。
出張のお土産にもらったお菓子だから、結構いいお菓子。
母にいいお菓子なのに、供えたら食べられないよと伝える。
「お供えしたものは供えた後食べて供養するのよ。」
なんと食べてもいいらしかった。知らなかった。
そういえば、今日もらったキットカットが鞄にある。折角だしお供えすることにした。
鞄からキットカットを取り出し、裏面を見た。
キットカットの裏面には文字を書ける空欄があり、空欄を埋めると人を元気付ける文書になり、人に渡すことができる。
私がもらったキットカットには、「キット、(空欄)なら大丈夫！」と書いてあった。

空欄に自分の名前を書いた。
祖父は自身が癌になっても、自分のことより、働けない私をずっと心配してくれていた。

もうキット、私なら大丈夫だよ。

明日、供えたキットカットを食べよう。
お菓子はあんまり好きじゃないけど。
祖父と一緒になら、お菓子を食べたいと思った。