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ハヤブサ消防団 池井戸潤 集英社

さすが、と唸ってしまうような筆力、描写力。
自然に囲まれた地域の、四季折々の空気の匂いや、植物の「イキテル」感、都会にはない闇の深い感じまで、まるで自分がそこにいるかのような臨場感で迫ってくる。
この地域(と思われる近隣の山道)をドライブしたことがあるから、余計にその凄さが分かる。本当に、その場にいるような気分になれる。

登場する人物の見た目や、住んでいる家の間取りまで目に浮かぶ。映画よりも映画を見ているような気分。
ミステリー仕立てのストーリーも隙がなくて面白かった。
さすがに終盤は少しだけ先が読めてしまうようなところもあったけれど、それを差し引いても十分引き込まれ、眠気も吹き飛ぶ面白さ。小説で5つ星を付けることは滅多にないのだけれど、、、これは文句なし。もう一回読みたいくらいだった。

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