【67】お嬢様は、今日も戦ってます~武闘派ですから狙った獲物は逃がしません~
67 第二章② 政略結婚の悪夢、ふたたび?
「ライガ、ちょっと落ち着いて」
「今すぐ、用意にかかろう! 荷物をまとめて、今日中に出発する。一刻も早く、この国から出る……」
「ライガ!! 私の目を見て!」
慌てるライガの肩を思い切りバシッと叩いて、私は低めの声を出した。パニクってる人には、やっぱり低い声が有効よね。
ハッとした表情のライガに、私はこう続ける。
「ライガ。深呼吸しましょう。大きく息を吸って、吐いて。吸って……、吐いて……。はい、あと5回繰り返してね」