問診<患者の話を聞くときメモ1>

結局問診する前から問診は始まっている

問診と言うと患者さんの話を聞くことで
最近では医療面接と言ったりもしています

しかし、私自身鍼灸の臨床をやる中で、問診は話をする前から始まっていると思うのです

今回は第1回目と言う事なので、まずは問診する前にをテーマとして、いろいろと語っていきたいと思います

聞くと聴く

今回これを書くにあたって、例えばなんですが

音が耳に入ってくる「聞く」
話や音などに注意して「聴く」

という使い分けがあるのですが、その辺は個人の認識の違いにもよるし、ハウツー的な読み物として、そこまでの正確性は考えていないので気軽にとらえてほしいと思います
この先の説明でも、厳密な言葉の使い分けや定義は必要がない限りは示しません(そういった部分は専門書で補ってください)

また、究極的には個人個人それぞれ別の人間なので、絶対的な正解はないと私は考えています
一方で、こうやって経験をまとめることで大きな失敗を防げるとも思っているので、いわば自分のためのメモ書きと言う側面が強いです

このシリーズ読むにあたって、最終的には私の言いたいこと言ってるだけなので、、役立たない、合わない部分は読み飛ばしてもらえればと思います

いや、ホントにまだまだぺーぺーもいいところなので、その辺はご理解ください

聴く前に

まずは、鏡を見よう

できれば、毎回

ナルシストかって言われるくらい

休憩室とか、受付とかに鏡を置きましょう

そして、そこに映る自分を見てどうですかね?

「相談したいなぁ」
って、思える感じですか?

当たり前のことかもしれないですが
見た目はとても重要です

顔の良し悪しだけじゃないですよ

そりゃ、顔が良いのは第一印象も良くなりやすいですが
相当イケメンや美女でもない限り大きな差はありません

実際、病院に行って出てきた医者が爺さんだろうが、ハゲていようがそこまで気にしませんよね(あだ名くらいはつけるかもしれないですが)

病院に行くのは治してもらうためです

顔が良いのはオプションみたいなものです

それよりも
表情はどうですか
清潔感は
正しく服を着れていますか

小さい頃は母親が色々と口うるさく言ってくれるかもしれませんが
大人になれば、中々指摘してくれません
(それより、指摘してあなたと面倒なことになる事の方がよっぽど厄介だと思っています)

服は最近ではノンアイロンでシワになりにくい素材のものがあります
男なら髭や髪は2000円くらいで整えてもらえますし、ポータブルの髭剃りを買えばどこでも剃れます
朝風呂に入ったり、風呂が難しければ少なくとも汗拭きシートや、制汗剤の匂いがきつく無い物を使うだけでも変化します

他にも気を使う方法はいくらでもありますが、最低限の合格点取れるくらいには何かすると良いと思います

ちなみに私は髪切る時に、何もしなくてもそこそこちゃんと見える髪型をお願いしています(朝が苦手なので)
アイロンが苦手なのでシワが付きにくい白衣とノンアイロンのワイシャツを着ています

冠婚葬祭みたいに毎回きっちりは物理的に難しくても、出来る工夫はいくらでもあります

極端な事を言えば、医者は病院内で白衣を着ているから敬われているのです

みすぼらしい格好をして、公園にいたら誰もその人を医者として敬うことはないでしょう(その人を知っていない限りは)

問診をするうえで、服装を含めた見た目は非常に大切だと私は考えます
少なくとも、どんなテクニックよりもまずは見た目だと思います

健康になりたいにしても、食事や睡眠がちゃんとできていないとどうしようもないのと同じくらい、見た目は最低限意識するべきポイントだと思います

元気そうですね

は地雷です。

私は鍼灸師ですが、病院であっても鍼灸院であっても「心身ともに健康で、人生バラ色」みたいな人は、ほぼ来ません

もちろん、治療が功を奏し、元気になる人はいますが、
親友や家族と呼べるくらいの信頼関係があっても、一言目に「元気そうですね」は言いません

受付の時や、他の先生やスタッフの会話で「私今日元気なの」と患者さんが話しているのを聞いていたとしても、「元気そうに見える」系の言葉がけは言うか躊躇します

自分の経験談ですが、元気そうに見えて実はただのカラ元気や、無理して元気を装っている場合に「元気そうですね」と言って大失敗した事があります

ポジティブに思えるような言葉がけでも、患者さんを傷つけてしまうことは時としてあります。どんなに気を付けていても失敗してしまうことはありますが、一言目で「元気そうですね」は言わない方が無難だと思います。

もちろん、会話の中で今元気であるエピソードが出たり、患者さんの方からそういったアピールがあれば会話の中で言う事はあります

「おお、そんな事までできるようになったんですね。だから今日元気そうだったんですね」

などは、患者さんが元気と認識している事がわかっていれば言います

他にも
「顔色良いですね」
「調子よさそうですね」
等の言葉も言わないように気を付けています

鍼灸臨床にあたり私自身はできるだけ元気にポジティブに患者さんに感じてもらおうと考えています

しかし、それは私のスタンスであって
患者さんに強要するものではないと思っています

そういった面からも、ポジティブな質問で始めず、フラットな質問をするようにしています

「今日はどうされましたか?」
「何かありましたか?」
「前回鍼灸治療を受けてどうでしたか?」

等が良く使ってるワードですかね

問診をアップデートする

「元気そうですね」といきなり言わないは、私が自分の臨床や勉強する中で確立したことです
もしかしたら、私の気にしすぎかもしれません

問診は患者さんに合わせて毎回変化するものだと思います

なので、自分が問診するにあたって何も考えずに話してしまうと、確認忘れや、患者さんを不用意に傷つけてしまうこともあります

そのため、毎回自分の話した内容を見直したり、他の先生の問診を聞かせてもらったり、本を読んだりして自己改革しているのですが、全てを取り入れらるものではありません

個性やトーン、言葉の使いまわしなど、今の自分ではできない事もあります

そういったものを無理に取り入れると、今度はちぐはぐな問診になってしまいかねません

そう意味では、自分の素の状態(いわゆるキャラクター性)みたいなものを変化させられるかどうかを、評価の基準として重要視しています

私の実例で言うと、敬語の使い方はその典型例です

もちろん、基本的には患者さんに対しては丁寧な言葉遣いをするようにしていますが、状況によっては言葉を崩したりしています

具体例としては
「めっちゃ」「ヤバい」
などの強調表現や
「うわっ、楽しそう」「行きたい」
など相槌としていう場合は、敬語や丁寧な表現をあえて私は使わない場合もあります(患者さんとの距離感や、場所にもよります)

テクニックと言うと人間味が無いようにもなってしまいますが
患者さんの距離感を詰める手段としていろんな表現があっていいと思います
(そうでなければ、機械が問診した方が幾分も優秀だと思います)

あまりに格式ばった言葉遣いのせいで、言いたいことが言えない場合もあるでしょう

そういった部分では、正しい敬語であったとしても、言葉の使い方は大いに考える余地があると私は思います

もちろん基本原則として、他の患者さんやスタッフも聞いている可能性は頭に入れておくべきですが

だいぶ長くなってきたので今回はこんなところで終わりにします

まとめ

1、問診の仕方、考え方は人それぞれなので、最終的には自分で納得する形に落とし込むことが重要

2、問診されることに違和感を抱かせないような見た目や雰囲気を気を付ける

3、最初の質問でポジティブな事を質問するのは絶対の自信がない限りは避けた方が良い

4、問診の正解ではなく、その患者さんにとっての正しい問診の形を考える

無個性な形式ばった問診が絶対な正解とは私は思いません
差別は良くないですが、基本を守った上で患者さんに合わせた柔軟な問診は技術として重要だと考えてます

続きはまた次回




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