本を読んだ その5

私もようやくワクチンを打つことができてホッとしてる反面聞かされてた副作用が出てきて焦ります。情報が出揃っている分少し安心ですがやはり怖いもんは怖いですね。

そんなわけで外出できないので久しぶりに読書です。

今日読んだ本はこちら

初版が平成8年なんですね。自分は本屋で改訂初版の令和3年版を買いました。夏休みの時期は読書感想文やらで書店おすすめの本が並んでいますので本選びに迷うことがないですね。とりあえず「夏に読んでほしいコーナー」を物色して選びました。この本タイトルだけはなんとなく聞いたことはあったんですが内容はもちろんドラマ化されてるのも知りませんでした。260ページなので半日かけて読めます。

あらすじ略

総合評価 ★★★★☆ 4/5
現実離れしてると思いきや写実的なミステリ?ファンタジー?

いいところ
・序盤から登場人物が出揃うので何が起こっているか把握しやすい
・ドッペルゲンガーという濃いネタが先行して展開が一辺倒になると思いきや物語の本質を丁寧に描写しているので消化不良にならない
・女性ってこうなんやなと思い知らされる

よくないところ
・冷静に見ると警察呼べよで終わるよね、でもここで警察が介入したら物語が成立しないよね目を瞑ろう、が少なからずある。
・トラブルの多くは自分のドッペルならこうするかもという思慮が足りないせいで起こっているのでちょくちょく浅はかすぎない?と感じる。まあ考えたところで物理的に離れているし逐次連絡する手段もないのでどうにかできるわけでもないのだが。
・どの男とくっつこうが胸くそ路線なのは確定なのでハッピーエンドにならないのは序盤でわかる。

初版が発行された時点で自分は小学生なのでその当時の大人の世界というか一般常識、価値観がどんなものであったかは想像がつかない。わかるとすれば携帯電話がなかったり切符が必須だったり時代背景に沿った物語の展開になることぐらい。

読了した人ならわかると思うがホラーというよりも女性の社会的立場にスポットがあたっている。今でこそ男女平等の考え方は当たり前に浸透しているが、当時はそうではなく女性の幸せといえばこうだといった固定観念、枠みたいなのがあったのではないかと思う。結果としてその考えが徐々に否定されて今の世論があるのだろうが。自分から見て他人がどう幸せ、他人から見て自分がどう幸せかをもし両方の視点で体験できる機会があるなら…自分でもやりたいと思う。

もうひと押しほしかったのが駆け落ちですかね。せっかく男の登場人物が多いのに狭い範囲でしか動かないので結末があっさり。巻末の解説によるとドラマ版は違う終わり方をしたようですが。

どうでもいいけど河見は金がないのにパチンコすんな。それを許す蒼子もまた時代背景を映しているのかも。

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