3年前の今日、
遠く離れたスペインの街で２７歳の自分に出会った。
あの日出会った彼は、
当時悩みもがいていた自分に風をくれた。

1ヶ月ぶりくらいに話す日本語だったから、
上手く言葉が出てこなかった。
いや、というよりは考えがまとまってなくて
言葉にならなかっただけか。

当時の自分はまだまだ底の底に沈澱していたんだろうな。
空元気で元通りのように振る舞っていたけど、
今の自分から見れば奥底にいたような気がする。

あの夜出会った彼は、
自分と同じ名前の、27歳の彼は
当時の自分の風になってくれた。

あのまま心身共に沈澱したまま死んでいくのだ…
と思っていた自分にとって、
明るく、爽やかな風だった。

将来の絶望に保険をかけてないで、
今を生きようと思えた夜だった。
なんとかなるから大丈夫、って。

自分と同じ名前の２７歳に
名前を呼ばれて「大丈夫だよ」って言われるのは
なんだか不思議な感じがして、
でも説得力があって、すごく覚えている。

本当に格好イイ人だなと思った。
当時の自分は、こんな２７歳になりたい、
と思う余裕はなかったけど、
最近は思い出すたびに目標にさせてもらってるよ。

少しは近づけたかな？
近づけてるよね。

まだまだ状況としては沈澱したままだけど、
少しづつ走り出せる準備が出来ている。

８月１８日が来るたびに思い出すこと。
２７歳の自分に出会ったり、
去り際に朝焼けに襲われたり、
魔法にかけられたみたいな街のこと。

大丈夫だよね、大丈夫。
あの日々があって今の自分がいる。