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『夏物語』を夏までに読み終えれな(かった)い問題

川上未映子さんの『夏物語

川上さんの本は定期的に読んでいたし、世界各国でも翻訳されていると知って読みたいリストに入っていた本。8月の終わりに手に入れて、かれこれ1ヶ月半。まだ読み終わっていない...

夏が終わるまでに読みたかったのに、気付いたら金木犀の香りが漂っている...

序盤を読み終えるまでが長かった(笑)そこを越えたらスルッと読めて、あと3分の1を残すのみ。まだまだ噛み締めるのには早いし、越えないといけない壁が多そうな。もちろんテーマもそうなんだけど、関西弁の会話の中に時折でてくる、川上さんの表現のうまさというか、味わいというか、そういうのがクセになるなあと。そんなことを思いながら、川上さんの作品と初めて出会ったときのことを思い出した。

それは、中学校の図書館にて。ぼんやりと読みたい本を探して図書館をさまよっていた時、いきなり目の前に漢字の中にカタカタが混じった、荒唐無稽なタイトルがバッと現れた。

『わたくし率イン歯ー、または世界』…………ん?

タイトルに惹かれて、その本を手に取り、すぐに開いて読んでみたら、

え、これは、小説なんですか。読み物なんですか、なんなんですか。なんなのかわからないまま、そのまま一気に読んだな。でも、その、「なんなんですか」こそがドツボなんだろうな。

私は、どちらかというとわかりやすい方が好き。説明とかも簡潔であってほしい。でも、でも、どうしようもないぐらいに伝えたい文章も大好き。わかりやすい必要はない。それはエゴであっていい。

『そら頭はでかいです、世界がすこんと入ります』、『先端で、さすわ さされるわ そらええわ』とか、この関西弁のテンポ感も関西人の私にグッときたんだろうな。

その後の『乳と卵』は一気に物語になったような気がした。その頃は高校生だったのかな。なんだか自分が"女"であることを猛烈に意識させられた気がする。『ヘヴン』はその当時の自分にドスンときた。『愛の夢とか』はひたすらに綺麗で。この中に入っている”三月の毛糸”の物語が好きだなー。

そうやって、”読書”を味わっていったように思う。川上さんとの出会いは、確実に私の中の読書の引き出しを増やしてくれた。

正直今も、「読書が好きです!」とは胸をはって言えないけど.........どちらかというと、「自分の好きな本を読むのは好きです!」って感じだけど...

とりあえず、性格的に1冊を読まないと次の1冊に手を伸ばせない(夏物語は別、これはなんか流れを掴めなくて)のもあるけど、なんか自分の区切りをつけたいから夏物語に集中しよう

という、ただの決意表明..................

P.S この後、ちゃんと読了しました。笑

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