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【詩】 髪を伸ばす

髪を伸ばす

年頃のきれいな娘に
なりたくて
髪を伸ばした

反抗的な強い女と
思われたくて
髪を切った

女だけの自転車旅行で
身を守るつもりで
髪を切った

男が短髪が好きだ
と言うので
髪を切った

自由でいたいシンボルの
つもりで
髪を伸ばした

髪を切りたくて
切りたくて
男が言った
「ぼくのために 髪を切らないでほしい」
「ぼくのために 髪を伸ばさないでほしい」

男にこびない女として
儀式のつもりで
髪を切った

長い髪の日本の女のステレオタイプに
いどむつもりで
髪を切った

髪を伸ばす

誰のためでもなく
何のためでもなく
髪を伸ばす

はじめて
私が髪を伸ばしたいから
髪を伸ばす


💇🏻‍♀️                  💇🏻‍♀️                 💇🏻‍♀️

これも、アラサーの頃に書いた詩です。

髪は、これ以降も、ポリシーなく、切ったり伸ばしたり。

最近いちばん長かったのは、髪の寄付のために3年半のばした時。それを短くした時、まわりの反応がすごくよくて、ミディアムという長さがいちばん似合うのだと自覚しました。人に言われたから、そう思うところに、自分の変わらなさを感じます。

今の自粛生活で、ずっと髪を切ることがなく、肩を超える長さになりました。もう一回、髪の寄付をしようかな、と思い始めています。髪をのばす、あげたいから伸ばす、です、今は。あ、それと、白髪がないから、です。




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