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毎日忙しくて疲労が抜けない…そんな時には~薬剤師が本音でオススメする市販薬⑬

薬の専門家である薬剤師におススメの市販薬をセレクトしてもらうこのコーナー。約一年のブランクを経て、皆様の期待に応えて帰ってきました!
コロナ感染症の感染が拡がっていた時期には「喉の痛み」テーマの回にかなりアクセスが集中していたりと、やはり専門家のアドバイスが求められていることを実感した次第です。

仕切り直して今回のテーマは「疲労」。
シチュエーションとしては「なかなか休息もとれず、仕事が毎日忙しくて疲れが取れない…そんな方へおすすめしたい薬」を薬剤師の皆さんにセレクトして頂きました。

引き続きアドバイスしてくれる薬剤師はこちらの方々です。
(小豆田くら子/宇野さらら/日陰ましう/ふらんすぴあの/ゆきつばめ ※五十音順)

ヘパリーゼプラスⅡ(ゼリア新薬工業)

肝臓、胃腸を元気に!ヘパリーゼプラスⅡに含まれる肝臓水解物には必須アミノ酸のほか、細胞が作られるときに必要な核酸前駆物質が含まれており、細胞の生まれ変わりを効率よくサポートできます。
PTP包装60錠入(10日分)税込1,980円、瓶180錠入(30日分)税込4,950円。

だるいのは肉体疲労のみならず、肝臓、胃腸からくることも。経済的にも毎日服用を続けやすい(1日200円弱)。
成分としては、他に服用中の薬がある人でも比較的安心な第3類医薬品。
今日1日をを何とか乗り切りたい!という人には、プラス成分の入ったドリンク剤も。
乗り切ったら休養、睡眠しっかりとりましょう
(選・ゆきつばめ)

キューピーコーワゴールド α(興和)

エネルギーの代謝に必要なビタミンB類を含み、それ以外にも抗酸化作用のあるビタミンC,ビタミンEを配合している。また、血流改善作用のあるアルギニン、漢方成分のエゾウコギ、オウギなどを含み、滋養強壮効果にもすぐれた効果を発揮する。
キューピーコーワゴールドシリーズは、成分や剤型の違いから様々な種類が発売されている。第3類医薬品であるキューピーコーワゴールドαはビタミン剤以外にも数種類の漢方成分を含み、90錠で2420円。1日1~2錠の服用のため1か月半~3か月間服用可能なため、比較的コストパフォーマンスがよい。
(選・小豆田くら子)

さらにそのプレミアムもあります。

キューピーコーワゴールドαプレミアム(興和)

疲労回復に効くビタミンを配合した商品は巷に多くみられるが、本商品は滋養強壮に働く生薬成分を5種配合。肉体的、精神的疲労の両方への効果が期待できる。
1日1~2回服用と服用回数が少ないのも、働き盛りの社会人でも続けやすいポイント。
(選・ふらんすぴあの)

ベリックスBEアミノEX(シオノギヘルスケア)

疲れを取る主成分のビタミンB1誘導体がセトチアミン塩酸塩水和物という成分で、他のビタミンB1に比べて飲んだ後のにおいが少ない。
服用方法も1日1回、1回2〜4錠だけのため、飲み忘れも少ない。
栄養ドリンクのようにカフェインが含まれていないため、毎日飲んでも、夜飲んでも安心。
瓶入りの包装だけでなく、48錠入りのPTP包装もあるため、持ち運びにも便利。
(選・日陰ましう)

ツムラ漢方補中益気湯エキス顆粒(ツムラ)

1日2回 顆粒剤 1800円(税抜き)10包
漢方医学では「気」の乱れが体調不良につながると考えます。休息や疲れが取れないという状態は徐々にストレスがたまり、体調不良を引き起こす原因となります。この補中益気湯はその名前の通り「気」を補いバランスを整えるための助けとなります。
(選・宇野さらら)

薬のおすすめとともに、疲労を感じている方々へのアドバイス

◎春になると新生活に切り替わり疲れがでやすい季節であるとともに、寒暖差もはげしく、なんとなく身体がだるい、疲れがとれないということがおきやすい季節です。
仕事が毎日忙しい場合にはとても難しいかもしれませんが、健康でなくてはその生活を続けることは困難になります。
午前中に日の光を浴びて夜は十分に休息をとる、偏りのない食生活、適度な運動をするなど生活習慣を見直し、そのうえで薬を服用しても改善しない場合には受診することをおすすめします。(小豆田くら子)

◎朝食を抜いたことをきっかけに起こる血糖値の乱高下、いわゆる血糖値スパイクは疲労感の原因になります。どんなに忙しくても朝ごはんはしっかり食べましょう。(ふらんすぴあの)

◎時間がなくてもお湯を溜めてゆっくりお風呂に入る時間をなんとか捻出することをおすすめします。(日陰ましう)

◎「気」を補うという東洋医学的方法に興味を持ってくださる方であれば、瞑想をお勧めしたいです。忙しいという文字は心を亡くすと書きます。一日のうちで数分でも瞑想をして自分を振り返り、いたわる時間を持てると良いかと思います。(宇野さらら)

監修者コメント

新しいシリーズがスタートしました。
薬剤師の本音で薬を選ぶこのシリーズ、実際に試してみての選択ですので、とても参考になります。
「疲労」なんとなく軽く考えがちですが、侮ってはいけません。睡眠、休養の時間を確保し、ビタミンなどを補うことがとても大切です。ビタミンは不足すると、てきめんにからだの不調に結びつきます。不規則な食事では補えないビタミンもありますので、ビタミンが配合された医薬品からの補給もぜひお考えいただけたらと思います。

<本稿の監修>
坂口眞弓
博士(薬学)。みどり薬局、みすじ薬局、ゆうま薬局代表(東京都台東区)著書に「ここが知りたかったOTC医薬品の選び方と勧め方(南江堂)」、「OTC医薬品の比較と使い分け(羊土社)」など多数。