私は病むことがない。
病む体力も時間もなければ、寝たら何でも忘れる楽天家なので悩んだりする事もない。考え事することもないし(だって考えてもほとんど何にもならないし)メンタルが落ちて何もできない状況になることもほとんどない。
「躁うつ病」の診断は下されたけど、私は常に躁鬱の躁の状態で、眠ったら死ぬマグロのように泳ぎ続けている。だからゆっくりしようと思ってても気づいたらスケジュール埋まって、いっぱいいっぱいになると何にもしないデーみたいなのを設けてその日だけ何も考えずただただダラダラするという日を過ごすことでまたマグロのようにひたすら泳ぎ続けることが出来るのである。

勿論誰もが通ったであろう厨二病ロードは通ったし、世界で一番私が不幸だと思っていたことも、むかついたらカミソリで腕を切りつけていたことも、薬をODしたことも、メンヘラこじらせていた時もある。でももうそういう事をしている方が面倒くさいのだ。メンヘラでいるのにも脳みそも心も疲弊してしまう。だからメンヘラは体力がないと出来ないと思うのだ、私は。全国のメンヘラちゃんは心は病んでても病んでる体力があるのである。

世界で一番不幸だと嘆くより「今日も私は最高いぇーーい！！」ってバイブス上げてった方が毎日同じテンションで生きてけるし
リスカなんかしてたら自分の仕事にデメリットしかないからわざわざ身体を傷つけてすっきりするよりスぺ上げのために筋トレして自分を追い込むほうが何倍も快感だし
薬ODしても健忘酷くて余計病むからシラフでいたほうが楽だし
死にてえってなるより今月お休み何しようって楽しみ作って整形なり旅行なり自己投資のために金稼いでその分働いてた方が毎日しんどくないのである。

それに何より私は「自分が一番大事で、自分が一番可愛い」タイプの人間だ。だから私の気分を害する男などいらないし、クソ客にメンタルえぐられるのは腹立たしいからバイバイした瞬間秒で記憶から抹消するし、一緒にいて不快な友達はSNSごとすべてブロックするし、自分を価値を下げなければいけない職場では働かない。

自分が一番可愛いから、自分のメンタルが下がるすべての物を除外して生きているのである。自分勝手な生き方だと真面目な人から見たらそう思われてもしょうがない。でも自分の人生なんだからジャッジを下すのは私しかいらないのだ。他人の意見など聞くつもりもないし、私を好いてくれる人の誉め言葉しか受け取らない。誰にも私の人生邪魔されたくないし、邪魔させない。シャブ中と別れてから、そして家族間のトラブルが落ち着いてから「もう十分人のために生きた。これからは自分のためにしか生きない」と決めたのだ。

いじられキャラであった私は常に男から「ブス」「顔でかい」「短足」といじられては落ち込んで、リアクションが良いからと余計にいじられる人生だった。弟が芸能をやるくらい可愛いのに、どうしてお前はと比較されるたびに自分の顔を恨んだ。
若い時は自己肯定感など一ミリも持ち合わせてなくて「どうしてこんなにブスなんだろう」と他人と比較ばかりして生きていた。風俗業界に入ってからも、やっぱり顔とスペックで自分をランク分けされる世界。学生のの時と変わらない。私は一生「可愛い」人のランキングに入れないのだ。

でも友達に言われたのである
「見た目ばかりに固執して自分を卑下するから自分がブスだって思うんじゃない」と。

そうだ、ならば可愛いと思いこめばいいと私は思った。
ソープ嬢になってから余裕のできた私は定期的に顔をいじくるようになった。そして有難いことに今ではSNSでメイクの方法を簡単にわかりやすく覚えることが出来る。昔は雑誌で拡大された人気モデルのアイメイクをにらめっこしていたのが、今はスマホひとつでサクッと最新のメイクが知れる。スタイルが悪いのも自分の体形を知って洋服を選べば簡単に誤魔化せる。「顔がでかいのも顔が目立つからいい」とポジティブに考えるようにしている。
そうこうしてるうちに「あれ？今日コンディション良いんじゃね？可愛い！」と思える日が増えた。今でも毎日「私は可愛い」と自己暗示している。いいのだ、他人からブスだと思われたって。私が可愛いと思って胸張って生きれてるならそれで。だって絶世の美女だって「ブス」という奴がいるのである。そんなのに付き合ってたらキリがない。それにどんなに整形して頑張っても私は安室ちゃんにはなれない。骨格と遺伝子レベルでもう凡人とは格が違うのである。ならばできる所は整形して、無理ならば誤魔化せばいいのだ。誤魔化せないとこは加工アプリで写真を撮って自分の可愛い顔以外信じず「よっしゃ！可愛い！」って自画自賛すればいいのである。ブスだと批判する人には「人の魅力に気づかない可哀想な男だ」と哀れめばいいのである。常に私は悪くない精神でいいのである。

私の友達で、めちゃくちゃ自己肯定感ぶち上げの子がいる。出会った時から彼女は自分が一番大事で、自分が一番可愛いと自信を持って生きていた。それは見た目じゃなく、中身とポテンシャル。
いつも自信を持っているから、キラキラして見えた。メンヘラ期を抜けた私は彼女に感化されて「I love me!!」の気持ちを常に持って生きるようにした。「私は最高！私可愛いいぇい！！」と生きれている。だってその方が「私はブスだ」と思っているより数百倍人生が楽しい。そして自分に自信が持てると、自己肯定感しかないので自分が大好きになる。

自分が大好きだといえる人なんか、ぶりっ子かそういう売りのアイドルだけだと思っていた。
でも私は今胸を張って自分が大好きだと言い切れる。
誰かに愛してもらうのを願うより、自分で自分を愛せる女は強い。悪いとこもすべて丸っと愛してくれるのなんて自分か飼い猫だけである。揺らぐ他人の感情より無償の愛である。
だから私は強い。
だって自分が一番大事で可愛いから。
自分のメンタルが壊れないよう全力で自分を守るから。
自分軸でしか生きていないから。
他人の為に生きてる人は他者の評価に縛られて生きることになるから。
だから私は自分のために生きている。
自分が嫌なことからは全力で逃げて生きている。

だから風俗で働いていても病まないんだと思う。
よく「病んで出勤が出来ない」と相談を受けるが、たぶんいちいち嫌な客もまともに受けるから病むのである。
私は合わない客が来たら相手にしないで右から左に流しっぱなしにする
何か不快なことを言われたら「ゴミがなんか喋ってらあ」と思う。
いちいちイライラしてるうちは「相手にしちゃってる」のだ。私はクソな客はまともに相手にしないしめちゃくちゃ塩対応する。そんな客いらないし、自分の心が客ごときに不快な気分で侵されるのがむかつくから。
「客にむかついたらこちらの負け」と講習のお姉さんが言ってたけど本当にそう思う。

だから私は明日も「私最高！いぇい！」とバイブス上げて生きていく。
てめえの人生だ、てめえのために生きろ。